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私の短歌日記にもタイトルを付けたい⑦

8/1
あなたにはあなたの正義わたしにはわたしの正義 しずかな夏だ

8/2
今月の唯一の予定を書き込んだ目印みたいに太字の赤で

8/4
夕焼けに夏の終わりを見たような気がしたこれは加齢のせいか

8/8
アラートが鳴り響く午後にんげんはいつまでのんきに恐れるのだろう

8/10
寝ても寝ても深いところへ行けなくて息をするのを忘れてしまう

8/11
てのひらの上で豆腐を切っているうっすらと熱が出ているあした

8/13
迎え火は懐中電灯、真夜中のさんぽのときにいつも使った、

8/16
最近は月も見ないし笑わないわざわざひとりぽっちが好きだ

8/17
息吸えば五臓六腑が燃えてゆく残暑の、または妬みの炎

8/22
一玉のレタスをざくざく手で千切り水道水で洗って食べる

8/25
ごりごりの肩甲骨をほぐしつつ何か潜んでいないかさがす

8/27
ため息はそれのことではないんだろうモツ煮のネギを除ける友人

8/31
非常食用のビスコを食べながら避難リュックをタンスに仕舞う

藤田美香/短歌日記2024.8月


8月クリア。
毎日短歌、11か月目。
手帳の走り書きをここに写しているんだけど、その間にもう言葉が変わってしまうこともあり、その時の原型をとどめていないものもあり。

1年続いたら、100均のダイアリーじゃなくてちゃんとした短歌用の手帳を用意しようと思っていたんだけど、わざわざ用意するほどのことでもなさそうだ。透明カバーに好きな絵ハガキやシールを入れて使っている。
ゆるゆるいきます。

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