チュニジアの味を求めて~さよなら『L‘AZUR・ラジュール』、こんにちは!『Carthago・カルタゴ』
こんにちは! 日仏一家です。
さっ、寒い! 鍋やおでんが美味しい時期がやってきましたね。
冬ならではの美味しい料理を挙げだしたら、きりがありませんが・・・
この時期に「そろそろあれが食べたい!」と、我が家でよく名前がでてくるもの・・・
それは『クスクス』です!
クスクスとは?
発祥の北アフリカ(マグリブ近辺)から中東、それらの地域から伝わったフランス、イタリア、ギリシャなどのヨーロッパ、およびブラジルなど広い範囲で食べられている「世界最小のパスタ」
北アフリカの家庭料理では、クスクスに肉と野菜の煮込みをかけて食べられる
たっぷりの野菜とひよこ豆と肉を多種多様のスパイスで煮込んだクスクス。
一口食べると、美味しさと栄養が五臓六腑に染みわたります。
肉がはいっても脂っこくはなく、素材の美味しさをスパイスが引き立ててくれるので塩分も強すぎないのが特徴。長時間煮込まれたスープの旨みは格別。
体調を崩したときにも、
〝ああ、クスクス食べたい〟と思います。
夫の母方の祖父母は一時期チュニジアに住んでいたそうで、家にはチュニジアの雑貨や食器がたくさんあります。
夫は幼いころ祖父母の家でチュニジアの甘いお菓子を食べていたと言い、母方一家にとってチュニジアはいろいろと思い入れがある様子。
今でこそクスクスがどんな料理かわかりますが、夫が作ったクスクスをはじめて食べたとき
私が「アラビア料理だね」と言ったら、夫に「マグリブ料理と言って」と直されました。
フランスに帰省すると、夫が学生のときに良く通ったというモロッコ料理店がボルドーにあるので時々食べに行きます。
そんなマグリブの料理が好きな夫とは
かつて新大久保にあった
チュニジア料理店の『L‘AZUR・ラジュール』に足繁く通いました。
陽気なチュニジア人のご主人がホールを切り盛りし、フランスとチュニジアのルーツを持つ奥様が厨房を担当していて、一歩お店に入ると、そこはチュニジア。
ご夫婦の人柄は温かく、息子さんと娘さんもよくお店に顔をだして可愛かった。
最初に出てくるクミンパンは絶品で、あとに続く料理はどれもこれも美味しい。
最後、ラジュール に行ったのは、長男を実家に預けて行ったクリスマスデートで
その後、次男を出産して慌ただしい日々を送っていたある日・・・。
夫「大変だ! ラジュールが閉店しちゃったよ・・・!」
私「え~!! 嘘でしょ!?」
ラジュールは、きっちりし過ぎた日本社会にときどき疲れてしまう私達を励まし、癒してくれる存在でありました。
その後、ラジュール一家はチュニジアに帰国したと風の噂で聞きました。
とても残念だけど
あの一家が祖国であの笑顔のまま、幸せに暮らしているならとても嬉しいです。
その後、突如やってきた長いコロナ禍の間に
夫は果敢にいろんなマグリブ料理に挑戦しておりました。
外食に行かずとも自分か夫が作れば、毎日楽しく食事が出来るので
私はそんな毎日に特に不満がなかったのですが・・
「レストランを予約して、ちゃんとデートがしたい!」と、夫は言っていました。
そして、ついにやっと!
先月末、子どもを祖父母に預けてデートに行けそうな日があったので、夫は必死にレストランを調べてくれました。
夫が探し当てたお店は
中野『Carthago・カルタゴ』 です。
1990年にオープンした地中海の国々
(チュニジア・モロッコ・レバノン・トルコ)を中心としたレストラン
私はカルタゴの存在を知らなかったのですが、クスクスが食べれると聞いて跳んで喜びました。
当日を楽しみたかったので、あえて事前にメニューや料理を調べるのを我慢!
そして当日・・・
気さくな女性スタッフが迎えてくれました。レストランの外観もなかもとてもエキゾチックな雰囲気です。
〝料理はコース料理のみ〟とのことで、これからしっかり食べるぞ!という気分が高まります。
私は前菜にひよこ豆と焼きナスのディップを、夫は卵とひき肉のブリックを選びました。
まずはチュニジアビールで乾杯して、前菜を一口食べると・・・。
「ああ!懐かしい!この味!」
夫も同じことを思っているようで、ご満悦。
しっかりチュニジアの味が再現されています!もちもちしたピタパンも美味しい!
ワインリストを見ると・・・。
チュニジア、エジプト、モロッコなど普段お目にかかれない貴重なワインがあるではありませんか!
私はメインに魚のクスクスを、夫はラムのクスクスにメルゲスを2本追加。
料理に合わせてそれぞれロゼワインと赤ワインを選びました。
いざ、クスクスの実食!
食べた習慣、スープの旨味と風味の豊かさにびっくり!
あとからスパイスと野菜の甘みが追いかけてきます。
魚の身も、夫から少し分けてもらったメルゲスもちょうどよい煮込み具合。
美味しさと温かさが、心と身体に染みる~。ワインもおいし~い!
私も夫もハリッサをたっぷりいれて、スープも残さず美味しく頂きました。
〝チュニジアのこんなに美味しい料理を日本で再現するんだから、きっとシェフはチュニジアの方かな・・・〟
と、思って女性スタッフに聞いたら
「ふふふ、それが青森出身の日本人なんですよ」と言うではありませんか!
帰宅前、厨房のシェフに
「とても美味しかったです!」
と夫婦で挨拶をしました。
シェフは北アフリカはじめ、70年代にはしばらくフランスにいたらしく、夫とフランス語で談話したおりました。とても気さくな方です 。
かつて現地で感銘を受けたマグリブ料理を日本で作り続けるシェフ!
情熱があるから出来ることなのでしょう。
すごい!
料理を堪能しただけではなく、いろいろと勉強になりました。
今年も残り僅かですが
カルタゴに出逢えて良かった!
また再訪します!
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