65℃

漂白では間に合わないからデリートしたいなんて、己に怠惰に甘えていることを自覚した後にわたしは一体どうしたいんだろう。輪郭線を毛羽立たせるような出来事がわたしにあったとして、その響きは余韻を残して果たして言葉になってくれたことがない。どうして書けないんだろう。筆を折りたい貴方に教会の鐘の大聖堂のオルガンも足りないような水面の共鳴を感じて、脊髄は今日を保ち続けているけれど、事実が事実であると迫りくることに抗えないとして、止まっているだけで進めるような暴風が背中から殴ってくる時に、わたし、にっこり笑えてたかな。思い巡っても無駄だよもうこたえはでているんじゃないか、なんて囁く貴方は十度以上の変化は感じないように横顔を見せるけれど、執着をどこに呑ませてしまったの。

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