【REPORT】森にもぐって言の葉採集@各務原市
2023年7月1日(土)、かかみがはら未来文化財団さんとご一緒している文芸企画の、キッズ向けのワークショップ「森にもぐって 言の葉採集」を開催しました!
雨があがって、森で開催できました!
1週間前から、降水確率90%+雷・豪雨の予報…
雨天の場合は室内、荒天の場合は中止も視野に入れながらの準備でしたが、なんと朝方に雨がすっかり止んで、涼しく過ごしやすい曇り空での開催となりました!
まずは今日の「俳号」を決めよう!
集合したキッズたちに、まずお願いしたのは「俳号」決め。
「俳号とは?」も説明しつつ、それぞれ好きな名前を考えて、名札をつけました。ユニークな俳号がたくさん出てきました!
いよいよ森に出かけて、言の葉採集です
まずは、「ことのはっぱ」の森へ。
ここにはいろんな「5音のことば」が並んでいます。
どんなことが書かれているのか覗き込みながら、好きな「ことのはっぱ」をシュッと引っ張って採集。ひとり3つずつ集めてもらいました。
「これも5もじなの?」と指折り数えながら、確認して採集している子も。
それぞれ葉っぱの色や言葉を見ながら、好きなものを選んでいました。
今度はみんなが森の中で5音のことばを見つけるよ!
今度は紙と鉛筆を持って、森の中を探索しに!
「ことのはっぱ」みたいな感じで、「5音のことば」をたくさん見つけて書き出してみます。
「なつの○○」「もりの○○」も5音だね!
自然の中にあるものばかりじゃなくてもいいよ。「おかあさん」「いえのなか」「ちゅうしゃじょう」も5音だね!
5音じゃなくても2や4や6や、長いことばも見つけたらどんどん書いていいよ!
そんな話をしながら、それぞれ森の中を探検してことばをあつめます。
ワークシートいっぱいに書いて、2枚目をもらっている子もいました。
赤と黄色の実を見つけた子は「あかいみ」と書いたあと「きいろのみ」と書いて、「きいろのみ、は5だね!」と教えてくれました。
みんなが集めたことばを、せーので見せっこ!
さあ、ここからは、集めてきた言葉を紙に書き出します。
書けたら、みんなでひとつずつ発表しつつ、見せっこ!
畳のお部屋で、どんどんカードを並べていきます。
創作前にシェアすることで、ほかの子が見つけたものを知り、ことばの世界を広げていきます。
独占してオリジナルの作品をつくるのも良いですが、今回はみんなでシェアしたり、その中の組み合わせを楽しむことで、語彙や文章力などに左右されずに作品づくりができるようにしました。
なんと50個以上のことばが集まりました
みんなで集めてきたことばは、なんとなんと、50個以上も!
中にはお友達と同じ言葉もあり「それ、僕も持ってるー!!」と、トランプ遊びをするように出し合ってシェアしました。
「季語」と「季語じゃない」にわけていくよ
たくさんの5音のことばが集まったところで、さっき採集した「ことのはっぱ」も混ぜて、【季語】と【季語じゃない】にわけていきます。
まず簡単に季語の説明をすると、みんな思い思いに「これは季語だと思う!」「これは季語じゃないと思う!」と分類してくれました。
「なつのやま」は季語だね!→ そうそう正解!
「くもの糸」は季語じゃないとおもう!→ 実は蜘蛛は夏の季語なんだ〜
「きっとウソ」は季語じゃないよ!→ そう、正解!
こんな感じで、季語かそうじゃないかを想像しながら分類していきます。
ここから5音のことばをつかって「俳句」をつくるよ
ここで、7音のことばがたくさん登場!
上から順番に、575で言葉をえらんで、俳句をつくっていきます。
ことばのパズルのような感じで、面白い組み合わせを見つける子もいれば、つながる言葉を探し出して美しく仕上げる子も。
いろんな方法で、575の俳句がたくさん完成しました!
みんなの俳句を発表しよう!
みんながつくった俳句を、短冊に清書します。
書けたら、いよいよ発表です!
たくさんの俳句が完成しました。(時間切れで短冊に書けなかった二軍もいっぱいあったほど!)
完成した、キッズたちの俳句作品がこちら!
みんなで見つけた5音と、7音のことばを組み合わせて、素敵な俳句が完成しました!
中には、自分で考えたことばや、接続詞を微妙に調整して、オリジナル作品をつくっていた子も!(すごい!)
自分が採集してきた5音を、ほかの子が使ってくれているのを見て「うれしい!」と話してくれる子もいて、2時間のワークショップはとても楽しい雰囲気で幕を閉じました。
「森にもぐって 言の葉採集」をふりかえって
キッズ向けの俳句体験ワークショップは、はじめての試みでした。
今回は4歳から9歳までのキッズたちが参加してくれて、みんな最後まで集中して楽しんでくれていたようでとても嬉しかったです。
今回は、自分の語彙やセンス、言葉の組み立てのスキルなどに左右されず、みんなで集めたことばをみんなでシェアして、そこからことばを掬い取って「俳句にしてみる」ということを体験しました。
ことばを組み合わせるだけでも、その子それぞれのオリジナリティが出たり、余裕のある子は独自のことばを入れ込んだりと、自由に楽しんでくれていました。
また4〜6歳の比較的小さな子でも、「おもしろい組み合わせのことばを考える」という作業をとても楽しんでくれているようで、とても詩のあるいい俳句もできたりして、見ている大人の方がびっくり、そして楽しませてもらった、そんなワークショップでした。
それは能動的でも、受動的でも、どちらでもよくて、その場所にいてその場所の人たちと一緒に「ことばをあそぶ」というのは、まさに俳句の一番楽しいところなのではないかと思い、企画したワークショップでした。
これから、ブラッシュアップしながら、またいろいろなところで開催できたらいいなと思っています。
(取り急ぎ、10月にまた各務原市の各務野自然遺産の森で、今度は秋の季語をつかった同じワークショップがあります!)
機会があればぜひ、遊びに来てくださいね。