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俳句みたいな、句具のロゴの話。

こんにちは。句具の後藤麻衣子です。

先日、ブランド立ち上げに際してロゴを公開しました。たくさんの方から「いいね!」と言っていただけて、まるで我が子を褒めてもらうみたいに嬉しかったです。

今日は、そんな句具のロゴのお話を。

「句具」というブランド名を考える

俳句を始めたばかりの頃、俳句用語?って、「俳」よりも「句」の登場回数の方が多いなあ、というのを意外に思ってました。

句会でも「その俳句は~」よりも「その句は~」と言うことが多いし、「選句」「句会」など、「俳」より「句」の方が登場回数が多いんだなあ、不思議だなあ、と。当時はそんな風に思ってました。

よくよく考えていくと、
「俳」の字は、「俳人」「俳壇」「俳号」のように、俳句をつくる 人 に寄った言葉が比較的多く、
「句」の字は、「選句」「句集」「句作」「投句」のように 作品 に寄った言葉が比較的多い。
もちろん全てではないですが、俳句にまつわる熟語の傾向として、
俳=人句=作品のようなイメージにつながりました。

句具の構想初期、ニックネーム的にこのブランドを「俳句文具(仮)」と呼んでいたんですが、改めてブランド名を考えるとき、もっと覚えやすく短い名前にしたいと考え、俳句からは自然と【句】が残りました。

【具】には、「必要なだけそろっている。そろえる。十分に持つ。事こまかに。つぶさに」と言う意味もあります。
「道具」という意味に加えて、ミニマルな印象も出せたらいいなと思い、結果的に「句具」という名前に。
発音してみると、とても響きがよくて。これだ!と。

手前味噌ですが、とっても気に入っています。

句具のロゴを考える

句具のロゴは、俳句の楽しさや奥深さ、そして俳句を楽しんでいる方たちの「思い」ようなものまで体現できたらいいな、と構想していました。

歴史ある日本の文学としての「俳句」という重厚感も欲しいけれど、和風にしたいわけではない。でも、日本語や俳句への敬意は詰め込みたい。
軽みは必要ないけれど、削ぎ落とされた十七音のような、無駄のないスタイリッシュさも欲しい。
従来の(古臭い)俳句のイメージをいい意味で払拭できるような、新しさも感じたい。

そんなことを考えつつ、できあがったのがこちらのロゴです。

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実はこちらのロゴ、いろんなフォントの文字要素を組み合わせて成り立っています。

俳句は、いろいろな言葉や文字を、五七五という型に入れることで成り立つ文学です。季語を中心に、いろんな言葉の組み合わせで、ひとつの作品が完成します。

たとえば、俳句において大切な役割を担う助詞には、単体のひらがな一文字だと意味を成さないけれど、ひとたび俳句の中に入れば、大人たちが何時間も議論ができるくらい、その一文字に奥深い意味と広がりが生まれます。

そういうのを見ていると、本当に俳句って面白いなあ、と思うんですよね。

句具の成り立ち全

句具のロゴは、さまざまな文字・さまざまなフォントから一部分を抜き取って組み合わせることで、ひとつのロゴになっています。

それは、単体ではある一定の意味しかなかったものが、意外な組み合わせによって集合体となることで、また新しい意味を生んでくれるような、俳句みたいなアプローチ。

今回、この句具の素敵なロゴを作ってくれたのは、グラフィックデザイナーの白澤真生さん

白澤さんは名古屋を中心に多方面で活躍しているグラフィックデザイナーです。彼の特徴的な線の描写と、絶妙な余白で、印象に残るイラストやデザインに惚れ込んでオーダーしました。
シンプルで余計なものがないのに、どこか人間味があり、有機的な佇まい。ただの線に、命のようなものを感じられる描写。ただ綺麗に整っているだけではない、いい意味での生々しさみたいなものが、句具の雰囲気にぴったりです。白澤さん、素敵なロゴをありがとうございました。

いつも、少しだけ語るつもりが、話したいことが多すぎて長くなってしまいますが(笑)、そんな思いで、我が子のように「句具」という名前をつけ、ロゴをつくりました。

句具を使うみなさんにも、ぜひ可愛がってもらえたら嬉しいです。

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