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娘よ(4/10)

私には、娘がいる。
今年で四歳になる娘だ。

今日、娘は幼稚園の年少として初めて登園した。
幼稚園に着き、(さぁ、泣かずに行けるか…?笑顔笑顔…)と内心ハラハラしている母をよそに、娘のところに年長の女の子が歩いてきた。

「一緒に行こ?連れてってあげる。」

と、その子は言った。

えー!!
私と娘は顔を見合わせて喜びの声を上げ、娘はパッと私の手を離し、その子の手を握った。

「よかったね!」

と言うのも聞こえてか聞こえずか、くらいの感じで、門へ歩いていってしまう。

母の方が名残惜しくて、すでに門に入った娘と年長の女の子に向かって

「行ってらっしゃい!」

と声を張り上げてしまう。

聞くと、年長が年少を教室まで連れて行くのは、この幼稚園の恒例の風景だそう。
その後に来る年長の子達も皆、門のところに来た年少の子を連れて中へ入っていく。
その顔はどこか誇らしげだ。
年長といえば!な、憧れの仕事だったのかな、と思いを馳せる。

そうこうしているうちに、娘は自分の教室まで年長の女の子に連れられて辿り着いたのが遠目に見えた。
私が見ていることなど知らないので、こちらを見ない娘。

やれやれ。よかったよかった。
初日はいい感じだ。

娘よ、あらためて入園おめでとう。
この一年、楽しく健やかに過ごしておくれ。

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