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三大基礎③:財務分析

こんにちは、個人投資家のくがつです。
最近、寒くなったからなのか非常によく寝ます。
睡眠時間を2時間くらい削減できるサプリメントとかあったら買いたいなと思う今日この頃です。

<簡単に自己紹介>
●30代、高卒、サラリーマン(毎日自宅)
●投資は今年で6年目、現物買いのみ
●2~3年保有の収益バリュー投資
●バフェットとグレアムの考え方が基礎
●好きな本は会社四季報とシッダールタ

今日は、
『なぜ、財務分析は重要なの?』
という疑問に答えていきます。

この質問に対する結論は・・・
『投資の軸が持てるから』です。

財務分析の学ぶメリットは沢山ありますが、こちらの記事では、特に重要だと思う3つのメリットについて解説します。

この記事は、次のようなことで悩まれている方のために書いています。
●投資を始めたばかりで、何から勉強したらいいかわからない
●投資本は何冊か読んだものの、何が重要なのかよくわからない
●投資で思った結果を出すことができず、今のやり方に疑問を感じている

もし少しでも当てはまりそうであれば、ぜひ最後までお付き合いください!

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メリット1.リスクの高い投資を見分けられる

財務分析を学ぶことで、リスクの高い投資対象を見分けるスキルが身に付きます。

少し遠いところからの解説となります。
株式を購入する際は、市場で取引されている株価に単元数を掛けた額を支払います。なので”価格”というと、どうしても株価に目が行ってしまうものですが、この価格というものは、時価総額で見た方がいいんです。

時価総額は「株価×発行済み株式総数」で求められる数字で、企業の発行している全株式を買い占めた場合の価格となります。同じ時価総額の企業でも、発行済み株式総数が多ければ株価は低いですし、発行済み株式総数が少なければ株価は高いです。(以下参照)

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A社よりもB社の方が株価は高いですが、これはただ発行済み株式総数がB社の方が少ないので株価が高くなっているだけです。時価総額はA社B社ともに100億円と一緒なので、会社の価格は時価総額で見た方が分かりやすくないでしょうか。

現在の価格(時価総額)で投資することへのリスクを評価するためには、企業価値の算出が必要です。

現代ポートフォリオ理論では、「市場では常に適正な価格が付けられている」と考えられているため、極論「企業の価値=市場の価格」となりますが、先日の記事でも述べたとおり、私は「概ね適正であることは同意しますが、常に適正ではない」という立場です。

適正か適正でないかという話しは、今回の内容からそれるので、「概ね適正だが、常に適正ではない」という前提で進めさせてもらいます。

企業の価値を算出する材料は大きく以下3点かと思います。

<企業価値の材料>
① 業績
② 財産状況
③ 事業内容

例えば、次のような企業があったとします。
●毎年10億円の利益を稼ぐ
●無借金で手元資産30億円
●事業内容は不景気に強く、今後も成長余地あり

こちらの会社は財務状態も事業内容も特に不安要素がないので、控えめに見積もっても、企業価値は150億円といったところでしょう。

ちなみに、日本の低PERの基準が15倍なので、利益10億円の15倍から簡易的に150億円という数字にしています。

ですが、、、
市場が楽観ムードの時は、200億円の価格で取引され、
市場が悲観ムードの時は、100億円の価格で取引される、
といった具合に、価値は変わらなくても価格は変動するものです。

なので、、、
200億円の価格で購入したら、ハイリスクローリターンの投資となり、
100億円の価格で購入したら、ローリスクハイリターンの投資になる
と考えることができませんか。

このように財務分析を身に付けることで、価格と企業価値とを比較することができるようになります。

そして、リスクの高い投資なのか、あるいはリスクの低い投資なのか、あなた自身で考えられるようになるのです。

“価格”を気にしない投資というのは、商品の値段を見ていないのと同じことなので、1本100円のジュースが1000円で売られていても買ってしまいます。

このように、本来の価値よりもはるかに高い金額で取引される、ということが株式市場では現実に起きています。なので、価格を気にしないで投資することは、とても危険なことだと思うのです。

企業の適正な価値を算出し、市場の価格と比較することは「リスク評価における基本」と捉えても良いでしょう。

そして、この適正価値の精度を上げるために、色々勉強をすることが大切なのではないでしょうか。

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メリット2.安心して株を保有できる

財務分析のスキルを身に付けることで、日々の株価をほとんど気にしなくなります。

これは、価格ではなく”価値”に投資をしているからです。

さきほど取り上げました価値が150億円の企業を、100億円で買えたとしたら、安心して株を持てると思いませんか。

価格が適正価値に収束するまでに数年の期間を要することが比較的多いため、それなりに長い目で見る必要がありますが、本来の価値よりも安い価格で購入することができたのなら、それほど心配することなく株を保有できるはずです。

もちろん、株式市場に絶対はないので、本来150億円の価値があるにも関わらず、時価総額が50億円にまで目減りするということもありえます。

リーマンショックの時のように、市場参加者が満場一致で『株なんて買っても損するだけ』と失望していると、本来の価値よりもはるかに安い価格で取引されるものです。

市場には、そういった特性があることもあらかじめ覚悟しておく必要があります。

それでも、『いつかは適正な価格に評価されるだろう』と、きちんと調べた上で力のある企業だと判断したのなら、多少楽観的でもいいのではないかと思います。私はそのように考えて投資しています。

過去の傾向からも、市場の価格はおおよそ時間の経過とともに、適正な価値へ収束されるものです。

本来の価値に収束されるまで数年と言いましたが、時には半年程度で適正価値に収束することもあります。

最初は数年保有するつもりで株式は購入すべきと思いますが、売り時は価値に収束したタイミングが妥当なので、あまり保有期間はこだわらなくて良いと思います。

ちなみに、企業の価値に対して投資をしているので、会社の経営が大きく変わったりしない限り、"損切り"という選択は基本的にありません。

取引の回数も減り、日々の株価を気にしないことによって、時間の使い方も少しずつ変わっていくものと思います。たとえば、有価証券報告書を読んだり、本を読んだりとより有意義になるはずです。

これは長期的に見ていくと、とても大きな違いになると思います。日々株価をチェックしても、なんら成長はしないですからね。

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メリット3.学習スピードが加速する

財務分析を身に付けることで、情報に対する理解の度合いも変わってきます。

そもそも、世の中には情報が溢れているため、自分にとって重要な情報を見分けるスキルが必要です。

目につきやすい情報というのは、総じてリスクの高い考え方であったり、あまり参考にならないことが多いものです。財務分析の基礎知識がないと、その情報が良い情報なのか、あまり参考にならない情報なのか見分けることも難しいです。

企業の成長性や利益率などを踏まえて企業価値を算出しても、それをはるかに上回る時価総額の企業は沢山あります。

また、個人投資家に人気な"成長株投資"も単純に「価値=成長性」と解釈するのはリスクが高いと言えるはずです。

成長株投資で上手くいっている人は、将来の価値に対して割安な価格であるかも注視しています。このあたり声を大にして言っていない気もしますが。

結局、成長株投資においても「適正価値>市場価格」という考え方を第一原則にした方がいいのではないかと私は思います。この適正価値の算出で如何に成長性を加味させるかが、腕の見せ所となるのでしょう。

価格を踏まえずにただ急成長企業を買い続けていると、いずれ訪れる下降相場で大きな下落に巻き込まれる可能性が高いです。長い目で見て結果を出せるやり方でなければ、結局、遠回りすることになるのではないでしょうか。

少し話しがそれてしまいましたが、財務分析のスキルを身に付けることで、以前は気が付かなかった点に気が付いたり、有名投資家の話しを理解できるようになったり、書籍から多くの情報を学び取れるようになったりします。

そして、目の前の情報があなたにとって必要か不要か、情報の質は高いかあるいは低いか見分けられるようになります。これによって無駄な時間を削減でき、学習スピードもさらに向上させることができるはずです。

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まとめ

こちらの記事では、財務分析を学ぶことの重要性をまとめました。

『なぜ、財務分析は重要なの?』
という疑問は解決したでしょうか?

財務分析を重要としている理由を一言に集約すると・・・
『投資の軸が持てるから』です。

投資の情報に関しては色んな人が色んなことを言うので、あなたにとっての”軸”がないと、何が重要な情報なのか分からなくなります。

最初からいきなり、成長株投資や高配当株投資など投資アプローチを学ぶよりも、きちんと財務分析を身に付けてから、投資のやり方を学ぶ方が気付くことも多いはずです。

ちなみに財務分析を学ぶ上でのオススメ書籍は次の二冊です。

どちらも非常に学びの多い書籍なので、一読の価値ありです。

「ほんとうの株のしくみ」は、企業価値の算出について簡易的にまとめられていて、「財務三表一体理解法」は財務三表のつながりについて分かりやすく解説されています。

本日の内容をまとめますと以下のとおりです。

<まとめ>
●財務分析を学ぶことでリスクの大小が評価できる
●企業の価格は時価総額
●企業の価値は「業績・財産状況・事業内容」
●価格よりも価値の高い企業へ投資する
●価格と価値の乖離は概ね数年で収束する
●財務分析を学ぶことで理解力が上がり学習スピードも加速する

財務分析の具体的な内容については、また後日まとめようと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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