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長編

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複数編の怪談です。一編の長さは中編と同等か若干長いです。
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2024年2月の記事一覧

異形の匣庭 第二部⑪-3【囲われた火種】

異形の匣庭 第二部⑪-3【囲われた火種】

 夜の8時を回り商店の殆どがシャッターを下ろし、街灯だけが等間隔に道路を照らしていた。観光客も地元の人らしき人も数える程しかおらず、勢溜(せいだまり)から宇迦橋にかけてゆっくりと歩き、出雲大社前駅を目指す。路地裏を覗けばいくつか灯りが灯っているけれど、寝台列車が出る出雲市駅まで行かないとそれらしい飲食店は見つからないだろう。列車の時間は勿論だが、そもそも電車の時間もかなりぎりぎりだ。もし逃そうもの

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異形の匣庭 第二部⑪-2【囲われた火種】

異形の匣庭 第二部⑪-2【囲われた火種】

「今からもう10年も前になりますか……当時燈がアルピニストとして働く傍ら私の仕事を手伝っていたのは話しましたが、道や家、物に関する怪異は勿論ですが、こと山においてその才能を発揮していました。山が好きだというのもあるでしょうし、山に関する怪異が多いのもあるでしょう。とにかく燈の才能は目を見張るものがあり、それを見込んでその日も一件の依頼が舞い込んできました。、どういう死に方だったのかは余りにも惨い為

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