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短編

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不幸の花屋【短編】

不幸の花屋【短編】

「いらっしゃいませ。本日はどういった物をお探しですか?」
 店に入るとふんわりと甘い香りを漂わせながら、エスニックな装いの店員が現れた。何処と無く、妖艶とか甘美とかの単語を連想させる見た目だ。年齢は50くらいなのだろうが、瞬間瞬間によってそれ以上にも見えるし下にも見える。
「ちょっと……人に送りたくて」
「花束や鉢植、1輪などございますがお気持ちに併せて大きくしていくのが効果的ですね」
「……ちな

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