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中編

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少し長めの怪談です。
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2023年11月の記事一覧

その息遣いを私は覚えている【中編】

その息遣いを私は覚えている【中編】

 まともに見れた物では無かった。
 いや、例えまともだったとしても多種多様な花に彩られ、毎日欠かさず見ていた寝顔と何ら変わらない穏やかな顔をしているリクを、どうして私が面と向かって虹の橋へと送り出す事が出来るだろうか。
 どうにか直してくれたのだと言う。今見えている顔の反対は、飛ばされてコンクリートの上を滑ったせいでとても見られたものではなかった。
 様々な手続きが終わり、家に戻ってお気に入りの玩

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その息遣いを私は覚えている【前編】

その息遣いを私は覚えている【前編】

ハッハッハッハッ…

 枕元で聞こえる荒い息遣いが私の眠りを妨げる。
 頭だけ動かして見ようとしても、そこには暗闇が広がるだけで何もいない。
 1度母と一緒に寝て貰った事があったが、母には何も見えていないし聞こえてもいないようだった。無論、私にも姿は見えてはいない。幻聴だと思い込もうとしても、余りにはっきりとしたその音が私の心を大きく揺さぶり、震わせる。
 聞こえなくなる様にと布団を頭から被ると、

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