見出し画像

新卒エンジニアと編集担当が共に挑んだAI活用の道のり - くふう住まいAI開発チームがくふうカンパニーグループ全社会における『KUFU OF THE YEAR 2023』で「テクノロジストMVP」受賞! -

2023年10月23日に行われた、くふうカンパニーグループ全社会において
『KUFU OF THE YEAR 2023』表彰式が行われ、テクノロジストMVP(※1)を「くふう住まい AI開発チーム」が受賞しました!

くふう住まい AI開発チームの受賞の理由
・くふうカンパニーグループ(以下、グループ)全体でAI開発にシフトするという経営の意思決定からわずか6営業日後に、グループで初めてのChatGPTを用いた機能をリリース。
・以降立て続けにAIを用いた機能を17個リリースし、AI活用のノウハウを最速で蓄積しました。

今回はAI開発チーム、「オウチーノニュース(※2)」における、AIを活用した記事制作効率化プロジェクトを牽引した編集担当の森永と樫村、エンジニアの楢木へのインタビューをお届けします。

(くふう住まい AI開発チームがくふうカンパニーグループ全社会における『KUFU OF THE YEAR 2023』でテクノロジストMVPを受賞! 〜イエタテ事業におけるAI開発の舞台裏〜)

関連記事

※1 テクノロジストMVP
前期1年間の業務において、最も専門性のある技術を発揮したと認められる個人またはチームに与えられる賞

※1

※2 オウチーノニュース
マイホーム購入の段取り、不動産売却にかかる費用、賃貸物件の探し方など、住まいにまつわる基礎知識から契約、税金といった専門的な内容までわかりやすく解説する不動産専門ニュースサイト

※2

森永
2023年1月にメディア事業部に記事制作の編集担当として入社。以降リーダーとして「オウチーノニュース」の記事コンテンツの制作および編集に従事。

樫村
2023年6月にメディア事業部に記事制作の編集担当として入社。以降「オウチーノニュース」の記事コンテンツの制作および編集に従事。

楢木
2023年4月にエンジニアとして新卒入社。研修期間を経て、AIを用いた記事制作自動化プロジェクトの技術面をリード。

ーMVPの受賞おめでとうございます!
 メディア事業部ではAIをどのように活用されましたか?

森永:オウチーノニュースでの記事制作や、家を購入したり売却したことがある方にインタビューをして、体験談として記事化する際にAIを使っています。
インタビュー内容の文字起こしや、記事の構成案を作ってまとめる段階でAIを活用していて、ロジックはNさんに担ってもらいました。

ー記事制作にAIを使おうと思ったきっかけを教えてください。

森永:正直AIが話題になりはじめた当時は、これはエンジニアが使うものだという意識がありました。
私はエンジニアではないので関係ないかなと思っていたのですが、グループ全体でAIを強化する意思決定があったり、上長との会話の中でChatGPTが面白いと話題に上がり、触ってみたのが始まりです。
試しに記事制作にあたって構成案等をChatGPTに聞いてみると、自分では思いつかないような案やクオリティの高い回答が返ってくることに気付きました。
これは部分的に記事制作に組み込めるのではないかと思って、実現できれば記事投稿のスピードアップにもつながり、品質を保ったまま記事の量も増やしていけるかもという発想に至りました。
現在ChatGPTは、ちょっと悩んだときにブレスト相手になってもらったりと日常的に使うようになりました。

ー記事制作において、具体的にどの部分にAIを使っているのですか?

楢木:文字起こし、要約、作成の3つですね。
インタビューの内容を、読み物として面白い記事に仕上げていく上での叩き台のようなものをAIで作っています。
AI開発は初めての試みでしたが、個人的に新しい技術を調べたりするのが好きなので、その延長線上で楽しみながら導入できました。


くふう住まい AI開発チームのメンバー

ーエンジニアではない方々は、AIについてどのようにキャッチアップされましたか?

樫村:私が入社した2023年6月時点では、すでに周りのみんながAIを使っている状況でした。
前職でもAIを軽く使ってみようというタイミングがあったのですが、当時は業務に取り入れるにはまだ難しいねという結論になっていたんです。
くふう住まいに入社し、ChatGPTを業務で使っていく上で、指示の仕方ひとつで出力される回答の質が変わるということに驚きました。
AIを使わずに自分でやった方が早いなと思うときでも、まずはAIを使ってみるということを意識して徐々に慣れていきました。

ー前職ではあまり活用されていなかったのですね。

樫村:簡単な検証は行われていましたが、「まだまだライターの手が必要ですね」という結論に至ったようです。
くふう住まいに入社したとき、社内で当たり前のように使われていることに驚きましたね。AIを使って時間を短縮して、他にやれることをやろうとか、記事の投稿本数増やそうとか、AIが業務を効率化してくれることに対してポジティブな捉え方をしていると感じました。

ー実際、業務でAIを活用する前と後では業務効率は全然違うものですか?

樫村:そうですね、前職でのライティングは構成案を作るのにものすごく時間がかかっていて、4人メンバーで月に5本出すようなスピード感でした。
それが今、くふう住まいだと森永さんと私の2人で月に100本近くの記事リリースが出来ているので、私としてはこれまでとは全く違う世界に来たような感覚でした。

森永:くふう住まいではAIを使う前でも月に20本くらいはリリースしていたので5倍の成長ですね。

ーすごいインパクトですね。
 これを技術的に実現した楢木さんもすごいですね。

楢木:大まかなロジックに関しては私一人で担当しましたが、細かい部分は「イエタテ(※3)」のAIチームや、同じくふうカンパニーのグループ会社である「くふうAIスタジオ(※4)」など多くの方のご協力をいただきました。

※3 イエタテ
地域に密着した家づくりのtoC向けメディア事業(Webサイトと紙媒体)およびカウンター事業。主に工務店とユーザーのマッチングを行うサービスで、2023年4月に株式会社しずおかオンラインから株式会社くふう住まいへ事業継承。

※3

※4 くふうAIスタジオ
くふうカンパニーグループにおけるプロダクトの企画・開発・運用を担う組織。

※4


ー技術的に特に苦労した点はありますか?

楢木:技術的に難しかったのは、与えたデータに対して正しい結果がなかなか出なかった点ですね。
例えば、長い文章を一度に出力させてしまうと、同じ文章を繰り返すなど内容が不安定になってしまったり、文字起こしの時間が予想以上にかかってしまったりと、思うような結果が得られないケースがありました。
結果的には、AIに一度に出力させるのではなくて、AI側にその目次と要約を考えさせた上で、その要約に沿って記事の内容を書かせるということによって不安定性を減らすことが出来ました。

ーその機能の完成までにはどのくらいの時間がかかりましたか?

楢木:約3ヶ月ですね。
ある程度形になってからは、社内のメンバーから適宜アドバイスをもらいながらチューニングして、業務で使えるレベルになったのが開発を進めて3ヶ月後くらいでした。

森永:楢木さんは、新卒で入社後すぐのプロジェクトがこの機能開発でしたよね。
進捗を細かく報告してくれたり、他のエンジニアのアドバイスを受け入れてはすぐに試して、機能がみるみる形になっていくのをそばで感じていました。
色んなチームの人と積極的にコミュニケーションを取って、多くの人を巻き込んで進んでいく楢木さんは素直にすごいなと思いましたし、とても助かりました。

ー楢木さんすごい!!!(一同拍手)

樫村:くふう住まいは、消極的なことを言わずにまずやってみる姿勢の人たちが多いですよね。
何かを試してみることに対しても歓迎する雰囲気があるし、疑問があったら相談しやすい環境だと感じています。

森永:樫村さんも6月入社で、慣れないAI活用を求められて戸惑いつつも楽しみながらやってくれている姿が見られて嬉しかったです。

楢木:お二人とは、職種は違えど「いいものを作ろう」という共通の想いがあったので、プロジェクトをスムースに進めることができました。

ーそれはいい話ですね。
 チームがフラットな関係で、手を取り合えているということですね。

森永:私と樫村さんの譲れないポイントは記事のクオリティを絶対に妥協せず面白い読み物にするというところで、それを技術でどう実現するかは、楢木さんとかなり密にコミュニケーションをとっていましたね。
機能が出来た後も、AIが書いた内容を細かくチェックし、情報を追加してブラッシュアップするなど品質には気を遣っています。

ーAI活用を進めたことによってライティングという時間のかかる作業が減って、品質担保に時間をさける分クオリティは以前よりさらに上がっているんでしょうね。

森永:まさにその通りなんです!
「AIが書いた」というところだけ切り取ると信憑性を疑問視する声もあるのですが、クオリティにはこだわりきちんとチェックしています。

樫村:私は自分で書いた文章だと良し悪しがよく分からなくなったりすることがあるのですが、AIも含めて自分以外が書いた文章だと、間違いや分かりにくさに気付きやすいと思っています。
そういう意味でも、書くことはAIに任せてそれをチェックしてブラッシュアップするというやり方の方がクオリティは高くなるように思います。

ーそれはすごく分かりますね。

楢木:今回のプロジェクトを通じて、人に見せるための文章は基準が高いんだなと改めて思いました。
「神は細部に宿る」といいますが、そういう細かいところまで気を配るからこそ良質なコンテンツが生まれるというのが分かり、勉強になりました。

ーすごくいい気づきですね!
 今回はみなさんのAIの使い方やそれによる実績、開発時のお話などを伺うことができました。
 改めてMVP受賞、おめでとうございました。