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有機化学と薬学部その1

この記事で訴えたいこと: 薬学部教育において基礎研究の重要性

薬学部は6年制になってから、基礎研究に対して軽視する傾向がある。実務実習が追加されることにより、修士学生が研究室を稼働させていたような研究機関としての能力の低下が顕著にみられている。
4年制の時代と6年制の時代での研究論文数の数の低下のデータを後でどっかから後に添付いたします。
基礎研究が薬学領域において、様々に貢献していることは新薬の開発からなど、列挙しようとすれば幾つもあるかと思います。
だがしかし、現状薬学部内での基礎研究を行うこと自体に対する逆風が吹いているのは何故なのか、私自身は理解しかねるのですが、そのような風潮があるのです。
そのため、私個人が薬学部の基礎研究で培われた能力が他の臨床研究の研究室に配属された人間よりも臨床能力が高くなる可能性があるという非劣勢試験的な記事を記載したい。

有機化学とは

ご存知の方も多くの方もいるかと思うが、有機化学とはなんなのか??
その問いに対しての回答は、様々な角度があるがとりあえず炭素原子を基本とした分子を主体とする学問という事で十分だと思う。
別にここで、有機何とか学という本のタイトルを見て、考えるわけではない。
有機化学が、薬の学問において必須であり人々を救ってきた学問であることをここで記載したい。
すなわち、「ロバート•バーンズ•ウッドワード」をご存知かと尋ねたい。正確な有機化学の誕生である生気説とか言うのやつは静かにしていて欲しい。
このウッドワードが有機化学というものの重要性を世界に知らしめた大天才なのである。すなわち、世の中はマラリアによる恐怖で襲われていた。特効薬であるキニーネは木の樹皮からわずかにか取れず、もし必要量をとってしまえば樹を根絶やすことになりかねない。そんな中、ウッドワードは1942年からキニーネの全合成に取り組み始め、1944年にウィリアム・デーリングと共に完成させた。この奇跡と当時は過言ではない所業により、世界はマラリアの恐怖から救われた。
これ以外にも様々な業績が認められて、ウッドワードはノーベル化学賞を受賞している。
ここで一つ話を戻しておきたいのが、有機化学は薬学を構成するその一つであり、その基礎を学ばずに薬学は成り立たないのではないかという事である。

薬学部の有機化学ってなんよ?

よく薬学部生のための◯◯
というタイトルが目にとまる。意味している意味はよくわかる、基礎的な学術レベルあった言葉を使ったり、購入者が選びやすいためであろう。

だが有機化学は、有機化学でしかない。
つまり、薬学部だから学ぶ量を減らすことを正当化する風潮はいかがなものか。もちろん、薬学が担う領域は広大で簡単に言えば理学部化学科、生物学科などと同レベルの基礎学問レベルまで一つ一つやっていったらどうやっても座学での勉強時間が膨大になってしまう。その為に薬学部領域に適したパッケージ化するのは必要なことである。その多く学んだ学生が、3年次に所属研究室を決める。なんと学問のシナジーが生まれそうな瞬間ではないかと感じないのは私だけなのだろうか?
薬学部ならでは、行われるような発想や理学部出身や工学部出身の教員があうでもないこうでもないという、人が作り上げてきた学問がまた一つずつ成長して行く様は当たり前にありそうだし、単独の学部でありながら、総合大学ばりのディスカッションが行われることを期待してしまうではないか。
私自身経験した中で、有意義なディスカッションが行われていることを何度も経験している。もちろん、見当違いな質問もあるが、価値観の違う人同士がある学問の急所をつくことはあるのではないか。

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