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返礼品と使い道 #ふるさと納税 の選び方

一兆円に迫るふるさと納税

毎年、12月になるとたくさんの納税者がふるさと納税を利用します。2022年度は、約9654億円と、一兆円に迫る勢いです。っく自治体も魅力的な返礼品のラインナップを取り揃えています。「肉」「魚介・海産物」「雑貨・日用品」「果物・フルーツ」など、普段はなかなか手の出しづらい高級食材が人気だそうです。

参考: ふるさと納税ガイド

使い道で選ぶ、認知されつつあるふるさと納税の選択肢

何かと返礼品競争が取り上げられるふるさと納税ですが、その一方で注目されているのが「使い道」に対して寄付をするふるさと納税の選択肢(ガバメントクラウドファンディング)です。

自治体が抱える課題を解決するための「使い道」を提案し、ふるさと納税での寄付を募る仕組みです。返礼品があるもの、ないものがありますが、生きづらさや働きづらさを持つひとたちを支える、芸術文化を守る、産業復興や動物愛護など、その「使い道」も多様になっています。

参考: ふるさとチョイスGCF®

夜、家にいられない若者・子どもたちの居場所という「使い道」


育て上げネットでは、立川市役所(東京都)と協議を重ね、この度、ふるさと納税で寄付ができるガバメントクラウドファンディングにチャレンジすることが決まりました。

使い道は、夜に自宅や自室にいられない若者や子どもたちのための居場所を作ることです。私たちは「夜のユースセンター」と呼んでいます。

メディア掲載(夜のユースセンター)

2022年5月から施行的に、夜の時間に事務所を開けています。2022年度は約1,000名の利用がありました。

毎回、20名から40名ほどの利用があります。ひとりで過ごしても、みんなで過ごしてもよい場所です。寄贈いただいた楽器を奏でる若者もいれば、eSportsやボードゲームで遊ぶ子どもたちもいます。

スマホを片手に階段でだべっている若者と話をしていると、外であれば寒いでしょうし、どんな大人が声をかけてくるかわからないなと思います。椅子に座ってたあいのない話のなかにも、ポロっとその境遇がわかることもあります。


夜になっても、家に誰もいない環境。自宅にいると落ち着いて過ごせないほど、さまざまな家族とのリスクやトラブルを抱えている状況。ひとりぼっちで過ごしていると、どんどんネガティブな考え方に支配されてしまう思考。


それであれば、家にいない方がよいと、誰か仲間がいそうな場所に彷徨う若者や子どもたちがいます。繁華街でも、夜のユースセンターでも、どっちでもいいそうです。家にいなくていいなら。


それであれば、少なくとも彼ら、彼女らを騙したり、何かを奪おうとするひとがいない居場所を運営し続けたい。全国各地で問題意識を持っているひとたちが、各地で夜間帯の居場所が運営できるモデルを作りたいと思っています。

ふるさと納税は、返礼品だけでなく、「使い道」でも、その寄付先を悩める選択肢が豊かであることが望ましいと考えています。ひとつの選択肢として、夜のユースセンターにふるさと納税からの寄付をいただけないでしょうか。

なぜ、夜の居場所に来るのか

さまざまな支援領域において、対象者/受益者と出会う「アウトリーチ」が課題としてよく挙げられています。夜のユースセンターをやってみて、少しだけ気が付いたことがあります。

それは、居場所には問題や課題を持ち寄って来なくても利用できる、心理的なハードルの低さがあります。

特に公的機関で事業を設計する場合、その目的性が問われます。こういう悩みを持っているひとの相談窓口や、勉強がしたくてもできない環境下にある子どもたちへの学習支援、働きたくても働けないひとたちへの就職支援など、目的(ゴール)が存在します。

一方、居場所は問題を解決したり、悩みや不安を解消することがその目的ではありません。夜のユースセンターは、若者や子どもたちとの出会い/接点が生まれる場所であり、信頼関係を紡げる環境です。

出会いがあり、信頼が生まれ、そこで悩みや不安を教えてくれるようになります。そもそも、何か困っていることがない若者もいます。それでも何かあれば、何かあったときには、話を聴かせてくれる関係性が子どもたちにできている場所になることが私たちの願いです。

ふらっと来る若者、友だちを誘ってくる子ども、ご飯を食べたいとき、食料や生理用品などが必要なとき、「夜ユース行こうかな」と思ってくれる場所を、地道に続けていきたいと思っています。

ふるさと納税による寄付は、12月31日までとなっております。改めて、みなさまのご寄付を通じて、若者や子どもたちを応援してください。


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