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元進学塾教室長が考える「塾講師に向いている人 」【元塾講師】

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塾講師に向いている人は、どんな人でしょうか?

「点数を取らせられる人」・「合格させられる人」という答えが出てきそうですが、それは保護者目線から見た「能力の一つ」であり、実際に「塾講師に向いている人」とは関係はありません。

私自身も「点数を取らせられる」講師であったと自負していますが、「塾講師に向いていたか?」という視点で見ると「向いていなかった」と思います。

では、どんな人が塾講師に向いているのか。
私が働いて感じたことを公開していきます。

まず大前提として塾講師の仕事は「授業」だけではありません。
その他の仕事として「保護者対応(対面・電話)」「生徒対応(対面・メンタルケア含む)」「生徒指導(ルール・モラル)」「事務作業(契約関連等)」「問い合わせ対応」「教材の注文・管理」「営業」などなど・・・
たくさんの業務があります。

さらに言えば「授業がうまい」だけでは生徒は授業を聞いてくれません。
魅力も必要だし、そもそも「授業で集客する」ことができなければ潰れる商売なわけですから、「客を呼べるサービス精神にあふれた授業」を展開する必要があります。
点数を伸ばせれば良いというわけではないんですね!

では、これらの前提条件から考えて「塾講師に向いている人」をまとめます。

最も塾講師に向いている人は「華のある人」!

ざっくりした答えになってしまいましたね。
でも、たまにいますよね?
立っているだけで華がある人。雰囲気から人たらしな人。
塾講師は「接客業」なので、人からなぜか信頼される空気を持っている人は無条件で勝ちです。
生徒も授業を聞くし、保護者もなぜか信頼します。
僕が働いていた中でも数人しか見たことがないですが、華のある人は失敗する気がしません。確実に塾講師に向いてます。

…とはいえ「華がある」は意識して鍛えられる能力ではないですから、ここからは鍛えられるものを挙げます。

塾講師に最も必要な能力は「コミュニケーション能力」!

先ほどからの繰り返しになりますが、塾講師は接客業です。
「授業」「電話」「面談」がメイン業務となる以上、最も必要なのはコミュニケーション能力です。
「高学歴だけどコミュニケーションが下手な人」よりも「学歴は低いがコミュニケーションが上手い人」のほうが生徒から信頼されます。
そこに「成績が伸ばせる」という要素はあまり関係ありません。
もちろん保護者対応を含みますので、学生ノリなコミュニケーションではなく、社会人に通用する能力が試されます。
※学力が高いクラスを担当すると「知識の差」は武器になることももちろんあります。現在書いているのは一般的な進学塾に合わせた内容です

また、塾講師は意外と「点数」ではなく「生徒数」や「売上」による評価を受けていることが多く「営業職」の側面が強いので、その面でもコミュニケーション能力は大きな武器になります。
※「講師」「営業」を分けている塾もありますが、現状は少なく、双方担当することが多いです


ここで気づいて欲しいのは「学習」について全く触れていないことです。

「学力」はもちろん必要です。

でも、学力は後から鍛えられますし、そもそも「答えを見ながら指導する」のが塾講師の役割なんですよね。
「自分が解く」のではなく、「相手に説明して解かせる」わけですから、「相手に伝える技術」こそが必要なのであって、自分が解く能力はあんまりいらないんですよね…。

塾講師を目指す人の中には「勉強が得意!」という「ガリ勉タイプ」の人がたまにいます。
はっきり言います。向いてないからやめたほうがいいです。


どうしてもなりたいなら、学力の高い特別クラスの担当か、大学受験向けの高校生の指導をしましょう。
子供の学年が低いほど、コミュニケーションが重要になります。
中学・高校受験は、メンタルケアも非常に重要になります。
コミュニケーション能力が無いと不幸になるのは生徒です。

また、あらゆる行動に疑問を持ったり、理由を考えるタイプの人は向きません。
僕はこのタイプなので、自分は塾講師に向かないと判断しました。
学習塾は「営利企業」なので利益を追います。
そうすると、生徒の利と塾の方針が合わないことが必ず出てきます。
ここで理由を考える人は潰れます。
「良心」が持たなくなります。
「生徒の未来」だけを考える仕事でないことは肝に銘じておくべきです。


ここまで、長々と書いてきました。

結局、塾講師という職業に対する「向き不向き」に関しては、点数が伸ばせる・合格させられるという「塾講師の資質」とはまったく関係がないと僕は判断しています。

「点数が伸ばせる人」は、以前のnoteにまとめた通り知的好奇心を刺激できる授業をして、尊敬を集められる講師。
コミュニケーション能力とはちょっと離れたところにある能力だと思います。
実際、僕の部下にも「点数は取らせられるけどコミュニケーション下手」な講師はいましたしね。

過去記事「塾における「成績の上げ方」【元塾講師】[再掲]

というわけで、今回は「塾講師に向いている人」についてまとめてみました。
何かの参考になれば幸いです。

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