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今、保護者と教育現場が疲弊している[保護者編]【元塾講師】

僕が東京で塾講師をしていて感じたのは、保護者と教育現場の「希望の無さ」でした。

とにかく働く保護者


田舎出身の僕にとって「学習塾」という習い事は一般的ではありませんでした。

小学生から塾に通うのは、一部の中学受験をする生徒だけ。
そもそも、中学受験先はほぼ無い。

テニスか水泳を本格的にやりたい子だけが中学受験をするイメージでした。

しかし、東京に来て「そんな状況ではない」ことを知りました。

中学受験をする子はもちろん、公立中学に進む子も塾に通うのは当たり前。
中学生になるとほとんどの子が塾に通い、中学の授業は基礎的な内容をより重視し、学力の低い生徒のセーフティネットとなり、上位校は塾に通わないと勝負にならない。

そんな現状です。

では、保護者は子供を塾に通わせている間に何をしているのか。
そう、働いています。

公立中学校に通う生徒を対象にした塾で働いていたこともあるでしょうが「専業主婦」のお母さんはほぼいませんでした。
それどころか、子供が小学生でも遅い時間まで働く人は珍しくありません。

ここで僕は気づきました。

ああ、塾は「託児所」なんだな…。

小学生は友達と塾にやってきて、18時前後まで授業を受ける。
場合によっては、残って宿題も終わらせてから帰る。
そうすると、お母さんが仕事やパートが終わって家にいる時間になっているというわけ。

子供が確実に勉強をして待ってくれる「託児所」と考えれば、こんなに良いことはありません。
しかも、東京にはシングルマザーやシングルファーザーも数多くいます。

さて、こんな状況ですから、保護者は間違いなく「疲弊」しています。

塾や習い事に頼りながら、一生懸命働いています。

その中で「私が若いころはもっと子供と関わって~」みたいな小言も聞き流しつつ、目を離すと虐待を疑われることも。
さらには、頼る親戚も近くにはおらず、家族で育児の全てを賄います。

塾に面談に来るのも、夜10時~なんていう約束も数多くありました。
お母さんが仕事から帰って子供の面倒を見て、お父さんが帰ってきて子供の面倒を引き継ぎ、お母さんが面談に来るという…。

いつ、お母さんとお父さんは休むのでしょうか…。

それでも、肉体的疲労は数十年前とも変わらないのかもしれません。
では、精神的疲労は…?

仕事をフルタイムでこなして、小学生の面倒まで見るなんて、独身の僕には想像がつきません。

子供には希望を語るべきと僕は思っています。

でも、肉体的・精神的に余裕のない状態で希望が語れるのかな…。

答えはNOです。語れません。

現代の子供は、えらく現実的な考えをする子が多いです。

将来何になりたいの?
と聞くと、止まってしまう子供が多いです。
ちなみに、僕も将来の夢はありませんでした。

これも希望の無い保護者が増えたことと無関係とは僕には思えません。

でも、その保護者が悪いとは僕は感じていません。

だって、彼らは子供を守り育てるために必死に働いているのですから。

このように、現状の保護者には希望がありません。
いや、希望を持つのが難しい状況に陥っています。

この状況で、子供はどのように成長してゆくのでしょうか。

おそらく「社長」を目指すような人間は減り、野心家も減り、経済的に弱い人間が多くなるのでしょう。
現在も、若者の出世欲の無さなどが問題になっていますが、今後も加速していくことが予想されます。
興味もありますが、怖さもあります。

以上、「保護者編」でした。

次回は「希望の無い教育現場」について書きます。

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