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妬み嫉みばかりの「罪人」な私だけど

喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。

新約聖書 ローマの信徒への手紙12章15節 (新共同訳)

こんにちは、くどちんです。キリスト教学校で聖書科教員をしている、牧師です。

ファン歴がようやく一年になろうかというARMY(BTSファン)の私。このパンデミック下で彼らと出会った私は、オンラインで届けられる彼らの姿しか見たことがありません。

そんな中、とうとう開かれたオフラインコンサート! ……この「オフラインコンサート」っていう呼び方自体も何というか、不思議な感じではありますが。ともあれそのコンサートが、つい先日終了しました。

いやー、良かったね良かったね! 私もオンラインで授業や礼拝説教をするよりは、やっぱり目の前に生徒さんや聴衆がいる方がエネルギーの交流を感じられてやりがいを感じられるもんね! 彼らもきっと、ものすごくエネルギーを使った一方、ものすごくエネルギーを受け取ったのだろうと想像します。良かったね良かったねー!!!

良かった……ね……。

良かっ……た……んだけど……。(おや、雲行きが怪しくなってきたぞ)

なんで私は見られないのーーーーー(´;ω;`)ブワッ!!!!!!!!

うう……私も行きたかった……。生でその場で彼らのエネルギーに触れたい……。体中で音楽を聴きたい……。声を限りに叫んだり歌ったりしたい……。

コンサートが開催されて嬉しい気持ちや「良かったね」という思いがある反面、「なんで自分は行けないの」「行ける人たちはどうして行けるの」という、もう理屈もへったくれも無いようなモヤモヤを味わいまくった数日間でした。

「良かったね」という思いも、それは上述の通り「長らく対面でファンの存在を感じられなかった彼らが、ようやく手応えを感じられたであろう」という点に対してであってのものです。

「長らく彼らに会えなかったARMYの皆さんがようやくコンサートに行けたこと」に対しては、なかなか「良かったね」と言えない……というのが正直なところ。恥ずかしいけれど。情けないけれど。いや、言うべきなんやろうけど。頭ではそう分かってるんやけど。でも。

羨ましい(´;ω;`)! 私も行きたい(´;ω;`)! それがほとんど、全て。

妬み嫉みのカタマリになってしまう自分。聖書にも「喜ぶ人と共に喜ぶ」って書いてあるのに。全然素直に喜べない。羨ましい気持ちが先に立ってしまう。クリスチャンなのに。っていうか、牧師なのに。(←おい)

……でもね、もしかしたら、「クリスチャンなのに」「牧師なのに」ではないのかな、とも思うのです。実はむしろ、「クリスチャンだから」「牧師だから」、「素直に一緒に喜べないよーっ!!」って泣き叫べるのかもしれない、とも思うのです。

「クリスチャンだから」「牧師だから」、全然きれいな心でいられない自分がいることを知っている。「クリスチャンだから」「牧師だから」、妬み嫉みでドロドロしちゃう自分の醜さ、罪深さを見詰められる。「そんな私のことをも、イエスさまが知ってくださっている」「そんな私の弱さも込みで、イエスさまが受け止めてくださっている」と信じられるから。

キリスト教で「罪」ということを言います。私たちは皆「罪人だ」という言い方をします。私が出会う生徒さんたちはノンクリスチャンがほとんどですが、みんなどうもそこのところが理解しにくいようです。「罪」と言われるとどうしても「犯罪」という印象が付きまとって、「自分からは遠いもの、遠くあって欲しいもの」と思いがちだからです。

でも、キリスト教で言うところの「罪」は、みんな持っている「弱さ」だと理解するといいよ、と私は説明しています。

誰かを羨んだり妬んだりするのが「本当は良くないよな」と思いながら止められない私の弱さ。自分と誰かを比べることなんて「無意味なんだよな」と知りながらもうじうじしてしまう私の弱さ。「いつかきっと自分も」と前向きに捉えればいいと分かっていながらネガティブに陥る私の弱さ。

そういう「理想通りの自分になれない自分」を、ごまかさず、ちゃんと見詰めることができる。なおかつ、それを乗り越えていきたいという「祈り」を持ち続けることができる。それがクリスチャンの「強み」かなぁ、と思うのです。

喜ぶ人と共に喜べない、そんな自分の情けなさに涙する私の傍らで、イエスさまこそが一緒に泣いてくださっている。「自分が情けないよな、悔しいよな。でもそんな自分を見詰めて受け止めたところが『初めの一歩』やで。ごまかさずに自分のそういう『罪』をきっちり受け止めて、そこから顔を上げて、歩み出して行こうや」。そんな風に語りかけてくださっているのかな、と思っています。(すみません、クドウの中ではイエスさまも関西弁になりがちです)

왜 자꾸만 감추려고만 해 니 가면 속으로
どうしてしきりに隠そうとばかりするの その仮面の中に
내 실수로 생긴 흉터까지 다 내 별자린데
自分の失敗でできた傷跡まで全部が自分の星座なのに 
Answer: Love Myself/BTS

彼らもこう歌ってくれていることですから、こんな妬み嫉みのカタマリな自分もまた自分を形作る傷跡の一つとして受け止めて、いつか星のように輝く希望へと結び付けていけたらいいなと祈り願います。

……3月にはソウルでコンサートあるらしいんやけど、やっぱり私も行きたい(´;ω;`) ←まだまだダメだこりゃ(笑)

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