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【2月編】漫画家9℃の月推しマンガ3選2023

こんにちは、漫画家の9℃です。

こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。

2月発売新刊の中から、今回は3作品選出させていただきました。


以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・オススメポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。
BookLiveに扱いのない作品については、公式サイトを載せています。

それでは紹介させていただきます!


『夜子とおつとめどうぶつ(2)』 著・石田万

…月刊少年マガジン(講談社) 

人と関わるのが苦手な夜子。店員さんとの些細なやりとりだって怖い。
でも、”店員さん”が”人”じゃなかったら…!!
犬・猫・亀etc…たくさんの動物たちが働く町での、癒し癒され日常メルヘン。

動物それぞれのリアリティある魅力は保ちつつ、ファンシーでコミカルな魅力と両立している描写力・構成力がすばらしい作品。あくまで動物たちの「らしい」表情にとどめながらも感情豊かに描く手腕が見事です。とにかく動物がかわいく、そして大事にされっぷりに心がとろけます。
個人的な私のベストキュン回は1巻のパンダさん。


『この百合はフィクションです(1)』 著…むちゃハム

…ヤングアニマルZERO(白泉社) 

ビジュアル・キャラ共に凸凹で超仲良しなんて…尊すぎ!!
人気上昇中アイドルグループ発の推されカプは、実は恐怖独裁の”百合営業”だった!?
百合営業なんてしたくない女vsこの百合営業でのし上がっていくぞ女のドタバタコメディ。

まず飛び込んでくる、唯一無二のキラキラかわいいキャラ作画。メイン二人に留まらず、ユニットメンバーからモブまで、服小物背景に至るまですべてがカワイイで統一された世界観です。
そのかわいさで描かれるメインキャラふたりの汚さ激しさが良いギャップ。キラキラ笑顔から放たれるデスボイス、せっかく美形であるのに冷や汗顔縦線が入ってない方が珍しいツッコミ役…
頑強すぎるまでのかわいさが、尖った展開や表現を土台として支えています。飽きの来ない甘じょっぱコメディです!


『希釈王』 著・須川佳

…ハルタコミックス(KADOKAWA)

ここは、”多様性の街”。
ノームも、ケンタウロスも、エルフも、みんなが同じところに住んでいる。
けれど、みんなが同じように暮らせているとは限らない。
自分や他人の特権に、弱さに、どう向き合っていくか。
それは途方もなく難しく、だけど少しずつ変えていけるかもしれない問いのお話。

白と黒のみ(トーンは本当に最小限)で描かれたどこか懐かしいタッチで、シンプルさと書き込みの緩急がそのまま作品の優しさと緊張感を伝えてくれます。物語冒頭は「なんかすごい話が始まってしまった…」と所在なくうろたえてしまいそうになるんですが、怖がらずにページをめくっていくとあっという間に”知ってること”だな、と感じさせてくれます。
見ていたはずなのに見えていなかったことに、もう少しだけ目を向けてみようと思える作品です。


今回の紹介は以上になります。

みなさんは漫画書籍のサイズ、どれがすきですか?
選べるわけじゃないし、すきとかではない気がしますが…
今、私は主に電子書籍を読んでいるので紙サイズのことを考える機会は減っているんですが、それでも本棚に多いのは圧倒的にB6サイズ(漫画的には中くらいのもの)です。
が、この間アンソロジー寄稿をして、初めて自分の漫画が新書サイズ(主に少年少女誌の単行本)に載ったのでちょっと興奮しました。小さくてかわいい~!あと絵が縮むから少しうまく見える。気がする。
逆に大きい紙だと粗が目立つのでウッ…と思いますが、読む側としては嬉しいんですよね。手に持って読むとまあまあ疲れるけど…。昔は大きいサイズ=4コマ漫画、みたいなイメージが私にはありました。
描く側は基本的にどの紙サイズでも同じデータで描いているのですが、見え方の印象はけっこう違うよねという雑談でした。

それでは、今月も楽しいマンガ生活を!

9℃

ありがとうございます!これからも頑張ります。