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世界で2人だけになれと願った「初恋、ざらり」

小野花梨、風間俊介主演のドラマ
「初恋、ざらり」が最終回を
迎えた。主人公・有紗の初恋が、
可愛くも切なく、まさにざらりと
描かれていたこのドラマは、
深夜帯の放送でありながらも
多くの注目を集めていた。
この作品を自分なりに、時に
荒ぶりながら綴ろうと思う。

あらすじ
軽度知的障害と自閉症のある有紗は
身の回りのことをうまくこなせず、
立体的に物を見ることができず
体をぶつけてしまったり、
暗黙の了解が分からなかったりと、
ハンディを抱えている。
障害を隠して働くも、人間関係が
上手くいかず、仕事でのミスも
多いためクビになってしまう日々。
そんな自分に強い劣等感を抱える
有紗は、知り合った男性たちから
体の関係を求められるたびに応じる
ことで自分の価値を確かめていた。
“普通”に憧れ“普通”になれない
苦しさに自分自身の価値を失い
かけていた有紗だったが、新しい
アルバイト先の先輩である岡村との
出会いをきっかけに、恋に落ち、
彼の優しさに触れることで少しずつ
心境が変化していく。一方で、
岡村自身も有紗との出会いを
きっかけに、軽度知的障害である
恋人を受け入れていく中で生じる
葛藤や、むしろ“普通であること”を
求められ、それに応じてきた自身の
劣等感と向き合っていくように…
不安定な2人が行き着く先とはー。

ホームページより

【職場のオアシス岡村さん】

新しいアルバイト先の運送会社で
仕分けの仕事を始めた有紗は、
AM/PMの表記がよく分からず、
聞きづらい雰囲気で戸惑う。そこで
声を掛けたのが岡村さんだった。
AMとPMが分からないという有紗に
少し戸惑いながらも、こう返す。

「アルファベットで書かれても
 分かんないよね!俺も最近まで
 知らんかったし…!」

そんなわけあるかい!と思わず
ツッコみたくなるような不器用な
フォローだったけど、その優しさに
画面越しに頭を抱えた。
こんなの好きになっちまうよ…!!
世界がみんな岡村さんになったら
争いなんか起こらんだろうよ…!
世界全員岡村さんになれと思った。

私がパートさんだったら、
「そうだそうだ!」
「アルファベットで書くなんて
 スカしてる!ちゃんと日本語で
 午前午後って書いてないのが
 悪い!スカしすぎ!」
と応戦しているに違いない。
この時点で既に2人の恋を予感して
ヘラヘラしていた私は、次の場面で
天を仰いで訳も分からず感謝した。

「桜…」

「え、桜?」

「…ついてます」

岡村さんの頭についている桜を
取って見せる有紗。

「ふぉ~…ゴミだね…」

「え?ゴミ?…あ、ごめんなさい
 何か、綺麗に見えて…」

岡村さんの笑みにときめく有紗の
表情と、ゴミが桜に見えたこと、
岡村さんの照れくさそうな、
嬉しそうな顔、すべて愛おしい。
2人の恋が動きそうな、淡くて甘い
ほんわかシーンに胸がときめいた。
これが恋だ…と脳内にはないはずの
青春の記憶が生成されかけた。

印象的なシーンはもう一つある。
勤務2日目。初日、次回は髪を
くくってきてと言われた有紗は、
サイドの髪をおろして、上の髪を
2つにぴょこっと結んでいた。
それに気づいたお局様が指摘する。

髪をくくってと言われたら、全て
まとめてくるのが『当たり前』。
暗黙の了解かもしれないが、
有紗は言葉にしてもらわないと
分からない。お局様は苛立ち、
普通後ろで1つに括ってって
意味だと分からないかと有紗を
詰めた。言葉はそんなに強くは
ないが、明らかに棘がある。
後ろで見ているパートさんの
「まじかこの子…」みたいな顔で
有紗を一瞥する空気感のリアルさに
見ているだけで居心地が悪くなる。
そして、お局様が言い放った
「普通それくらいわかる」という
言葉がまた、自分は普通じゃない
という劣等感を有紗に植え付ける。

もうやめてくれ…と目を伏せたい
気持ちに駆られた瞬間、そこに
現れるのが、Mr.夢の国・
風間俊介こと岡村さんだ。
状況を理解した岡村さんは有紗に
長い髪は作業中に引っ掛かって
危ないからくくって欲しいと
かみ砕いて説明した。理解した
有紗が、結んできます!と言うと

「お~!偉いぞ~」

と微笑む。その笑顔に射抜かれた。
岡村さんの何が愛おしいって、
髪をくくるジェスチャーまでつけて
説明するところ。どうやったら
伝わるかな~を考えた結果、自然と
その動きがでてくるところがもう
優しさから生まれた人間だもん。
岡村さんのこの愛くるしさを何の
違和感もなく表現する風間俊介は
「歩く夢の国」だと思う。
誰か風間俊介にディズニーランド
プレゼントしてくれ。もう本当に
パークごとあげてくれ。

きっとパートのお局様からしたら
有紗は職場にオシャレを持ち込む
わがままな今どきの若い子としか
写っていないのだと思う。それに
実際、自分がお局様の立場だったら
有紗に対して、何なの?と思わずに
いられる自信はない。岡村さんに
好かれようとわざとやってるの?と
思う人だってきっといると思う。

でも、このシーン、私的には
「岡村さんに学ぶ世渡り術」と
名前をつけたいくらいには
学びがあった。

第一に、『暗黙の了解』なんて
存在しないに等しいということ。
これは有紗が発達障害だからとか
そういう話じゃなくて、全員に
共通して言えることだと思う。
分かりやすい例を挙げるならば、
お客さんが得意げに「いつもの」
と注文したとき、店員さんがその
いつものが分かるとは限らない。
すぐ定番が出て来る可能性もあれば
「いつもの…?ビール?ポテト?」
って困惑する可能性もあるし、
最悪の場合「いつも来てたっけ?」
と思われる可能性だってある。
自分の中の当たり前は、みんなの
当たり前ではないということを
肝に銘じたいと思わされた。

そして、第二に言い方一つで印象が
180度変わるということだ。
髪くくってって言われたよね
という言い方だと、相手からしたら
怒られたという印象しか残らない。
しかし、岡村さんが有紗に言った
髪引っ掛かっちゃって危ないから
くくってほしいって意味だった
という言い方だとどうだろうか。
一気に有紗を思っての発言だという
印象に変わる。自分に余裕がないと
人はつい相手に強い言葉をかけて
しまいがちだ。でも、そういうとき
一呼吸おいて、少し伝え方を
変えるだけで受け手からの捉え方が
だいぶ変わる。岡村さんの余裕と
言い回しはかなり参考になった。
とげとげトゲピー言葉を放ちがちな
あの人や、あの人に学んで欲しい()

【世界で二人だけなら…】

第4話は終始胸が苦しかった。
岡村さんと付き合うことになった
有紗は、岡村さんの家に向かう際
荷物をばらまいてしまい、偶然
居合わせたお局様に療育手帳を
見られてしまう。

いつか岡村さんの耳にも入る。
話せば嫌われるかもしれない。
初めて好きになれて、付き合えた
岡村さんを失ってしまうかも。
それでも、又聞きで知られる前に
自分で言わなければいけない。
そう思った有紗は岡村さんに
打ち明けようとする。しかし、
寸前で過呼吸を起こしてしまう。

泣きながら、過呼吸を起こしながら
謝る有紗の姿と、泣きじゃくる
有紗の背中をさすりながら気長に
待つと言った岡村さんの優しさに
涙がこみ上げた。

《どうして、私には…障害が
 あるんだろう。どうして皆には、
 障害がないんだろう》

有紗の切実な思いが苦しい。
実際に、岡村さんに打ち明けてから
見ててしんどいシーンが多かった。

お局様たちが、甘やかされている、
個性で通って良い時代だと噂話を
するシーンは特に。障がい者とか、
健常者とかって何なんだろうと
嫌になってしまった。有紗や、
岡村さんのいる職場でデリケートな
話をズケズケとするおばさまたちに
凄く腹が立つ。自覚もないまま、
有紗の気持ちを切り裂いて、何が
健常者だよと思った。だけど自分が
そうならないと言い切れない。
それが悔しくて、また嫌になった。

生活しやすくなるようにするための
お守りみたいな療育手帳なのに、
その手帳があることで有紗は
色眼鏡で見られて苦しんでいる。
自分が療育手帳を持っているのは
甘えだ。岡村さんも自分の彼女が
健常者の方が良いでしょ?と言う。

多様性、個性。そんな言葉だけを
並べても結局何も変わっていない。
そして、こんなことを書いている
私もまた、苦しむ人たちの気持ちの
半分も理解しきれていない。きっと
これが現状だと痛感させられた。

《彼女の人生に責任を持つ覚悟も
 ないのに、守りたい、救いたい
 って思うのはおこがましいの
 だろうか》

そう心で問いながら、有紗を
抱きしめ、好き…と呟く岡村さん。
そのあとの言葉が、作品を通して
一番心に残った台詞だった。

「世界で2人だけなら良いのに」

ただ好きだから優しくしたいのに
可愛いと思うから守りたいのに、
障害があるって色眼鏡で周りが
見るから、「甘やかしてる」っ
思われしまう。2人だけなら、
「健常者」も「障がい者」もなく
ただ「岡村さん」と「有紗」として
一緒にいられるのに。ただ好きで、
そこに障害の有無は関係ないのに。
そんな岡村さんの想いが全部乗った
この台詞が本当に染みた。

普通になりたい有紗と、世界に2人
だけなら良いのにと思う岡村さんの
想いが痛烈に突き刺さった。

【友ちゃんみたいにならない】

第7話は、有紗の友達である友子、
通称”友ちゃん”に焦点が当たる。
アイドルになるのが夢という
友ちゃんは溌剌とした性格で、
言いたいことを躊躇わずに聞く
豪快さが印象的な女の子。

ある日、被写体の仕事が入ったと
嬉しそうな友ちゃんの話を聞いた
岡村さんは、「プロのカメラマン」
という言葉が引っ掛かり、有紗と
友ちゃんの撮影現場に足を運ぶ。

案の定、危険な目に遭いそうな
友ちゃん。岡村さんが止めるより
先に、友ちゃんの両親が止めた。
「帰ろう」と友ちゃんに促す両親。
しかし、その瞬間友ちゃんは豹変。

「いやあああ!邪魔すんじゃねえよ!
 どうして邪魔すんだよ!!!!」

と声を荒げ、暴れる友ちゃん。
お父さんの手を振り払って走り回り
叫び続ける。その場にいた通行人も
何事かと足を止め様子を見ている。
面食らった岡村さんに、有紗は
ああなると止まらないのだと言う。

その夜、有紗は私は友ちゃん
みたいにはならないから心配は
しないで欲しい告げた。

有紗と友ちゃんは二人とも障がいを
抱えている。でもその程度は違う。
同じ境遇でもお互いのことを分けて
考えないといけないことがある。
当たり前のことなのだけど、
有紗や友ちゃんには健常者との
区別以外にも、区別される場面が
沢山あるのだと言うことを感じる
「私は友ちゃんみたいにはならない」
という言葉が凄く切なかった。

【支える側の苦しさ】

第8話からは有紗の新たな挑戦が
描かれる。お局さんたちも
絶対無理、複雑すぎと言うほど
難しい配車の仕事を、変わりたい
一心でやってみることにしたのだ。

しかしある日、有紗一人で配車を
行うことになる。止まない電話、
入り組んだ地図、錯綜する指示に
頭が追い付かなくなった有紗は、
周りの声も聞こえなくなり、椅子に
座り込んで動けなくなってしまう。

ようやく動けるようになった有紗は
偶然事務所内の話を聞いてしまい、
これまでミスを天野さんが影で
カバーしてくれていたこと、
自分に配車は無理だということを
知ってしまう。

そのやりとりを有紗が聞いていると
思っていない岡村さんは、有紗の
後ろ姿を見かけて声を掛けた。

有紗のことを決して責めずに
頑張ったんだって?お疲れ様と
優しく包み込んでくれる。
有紗が傷付かないように、みんなが
仕分けに戻ってきて欲しいってと
嘘をつく。有紗にはその優しさが
辛かった。痛かった。

第10話で特にポイントになるのは、
岡村さん側の苦しさだと思う。
きっと、ミスの対応に追われて毎日
頭を下げる岡村さんのストレスも
並大抵のものではないはずだ。
だけど、家に帰ると有紗がいる。
有紗のことは好きだし、一緒に
いられることは幸せなはず。だが、
仕事での愚痴をこぼせば、有紗の
ミスを責めることになってしまう。
だから家では疲れた~と明るく
振舞うくらいが限度。でも会社では
また対応に追われる。だからって
有紗と向き合うことを先延ばしに
してしまえば有紗が壊れてしまう。
なんて声を掛けたらよかったのか、
どう振る舞えばよかったのか、
岡村さんの問いには答えがない。

ドラマで描かれるのは大抵当事者の
苦しさで、支える側の苦しさは
おまけ程度にしか描かれないことが
かなり多い。だけど、この作品は、
岡村さんのこの辺りの苦しさも
感じさせてくれて凄く好きだった。

【親の葛藤】

「初恋、ざらり」は有紗と岡村さん
それぞれの親御さんの葛藤もまた、
注目のポイントだと思う。

◯岡村さんの両親

第8話で初めて岡村さんの両親と
対面した有紗。有紗が失敗しても
温かく受け入れてくれる2人。
その優しさを前にして有紗は障害を
隠していることが苦しくなり、
お母さんに打ち明けてしまう。

お母さんは懐疑的な見方をすること
なく、その言葉を飲み込んだ。
ただ、次に出た何気ない一言が、
有紗の心を深く傷付けてしまった。

「あ、そうなのね?それって、
 子どもに遺伝とか…」


悪気はなく、ただ純粋に気になった
だけなのだろう。お母さんもその
言葉を口に出してから、ハッとして
謝罪と、伝えてくれたことに対して
感謝を伝えた。

有紗が障害を持つのが嫌だったとか
そう言うわけではない。ただ、
純粋に子どもに遺伝するのか、
それだけが気になって出た言葉だ。
だからハッとしてすぐに訂正した。

その証拠に、第11話で、お父さんと
電話をしている岡村さんが、有紗と
別れたことを告げた時、お母さんは
台所から駆け足でやってきて、
自分のせいかと不安そうに聞いた。
有紗の様子をすぐに聞いてきた
お父さんのしんみりした顔からも
受け入れていたことが分かる。

お母さんの言葉をひどいと思う人も
もちろんいると思う。ただ、この時
お母さんは話を聞いて泣いていた。
自分の言葉をひどく悔いていた。
その様子は息子である岡村さんにも
予想外だったようだ。

有紗のことを有紗として見ている。
そこに障害の有無は関係ない。
この両親あってこの息子なのだと
分かるほどに岡村さんの両親はただ
優しかった。息子が大切だからこそ
思わず出てしまった言葉が、息子の
大切な人を傷付けてしまった。
お母さんの涙が凄く辛かった。

◯有紗のお母さん

序盤から、家にはいつも男性が
遊びに来ていて、有紗に対しても
割と雑な振る舞いをしているように
見える有紗のお母さん。その強さは
岡村さんへの対応からも分かる。
第4話で、療育手帳を返すかどうか
相談に来た岡村さんに対して、

・障害児1人育ててみなよ
・ちょっと調べただけで分かった
 気になってるあんたに手帳を
 返すとかいう資格あるの?
・有紗追い詰めてるのはあんた

とかなり強い言葉をぶつけた。
第10話、有紗が家を出て行ったと
気付き、お母さんのアパートに
岡村さんが慌てて駆けつけた時も
数か月一緒にいたくらいで
偉そうなこと言うなと岡村さんに
怒りをぶつけた。

強い言葉をぶつけているが、
有紗のお母さんは岡村さんのことを
嫌っている訳ではない。25年間
1人で育ててきたからこそ生半可な
気持ちでは一緒にいられないと
誰より知っている。

11話では、生まなければ良かった
と何度も思ったこと、罪悪感に
襲われることがあること、その度
有紗にイライラしていたことも
明かされる。

25年間、有紗に優しく振る舞って
向き合った時期もきっとあったの
だろう。だけど、それではきっと
お母さんの身が持たなかった。
そして今の距離感に辿り着いた。
だからこそ、あえて岡村さんには
強く当たったのだと思う。

思い詰めたら岡村さんも傷つく。
そして、捨てられたら有紗は
もっと傷つく。半端な気持ちなら
端から入り込んで来ないで欲しい。
逃げるなら今の内だよと岡村さんに
伝えるために、あえて嫌な役回りを
買ってでているようにも見えた。
でも岡村さんは逃げずに家へ来た。
だから有紗のことを任せられると
判断したのかもしれない。

1話冒頭で、家の灯りが付いている
ことに気付いた有紗の表情が一気に
明るくなって「ママだ~!」と
言ったことや、10話で友ちゃんが
家に来てくれたことからも、有紗の
お母さんが友達とも連携が取れた
良いお母さんだと言うのが分かる。

誰よりも有紗のことを思ってる。
だからこそつかず離れずの距離で
時には有紗を突き放す。それは
冷たく見えるかもしれないけれど
この上ない愛だと私は思った。

だからこそ11話でそれを肯定して
くれた彼氏の姿に安堵した。
彼氏さん、冬美さんを頼んだ(誰)

【美しすぎた最終回】

岡村さんと有紗が別れてからが
描かれた最終回。道ばたの木に
乗ったゴミを取った岡村さんが

「桜かと思ったらゴミでした」

と言う冒頭を見て、既に過去に
なってしまったのかとかなり
胸がぎゅっとなった。

有紗も岡村さんも互いを忘れる
ことが出来ずに日々が過ぎていく。
それぞれの場所で互いを想う2人。

《一度思い出すと溢れ出す》

《どうか、どうか、岡村さんが
 この世界のどこかで、幸せに
 暮らしていますように》

《真っ直ぐ思ってくれたのに、
 何で…俺は》

《何で、岡村さんのことを考えると
 泣きそうになるんだろう。ああ、
 そうか、岡村さん、あのとき私、
 本当に桜に見えたの。あれは、
 確かに、私の、初恋でした》

2人の気持ちのリンクに反して、
離れた場所にいる2人。再会して
復縁を断った有紗を見たときは、
このまま終わってしまうのかと
思うと、涙が止まらなくて、
テレビの前で有紗以上に泣いた。
ダラダラ鼻水も垂れてきた。

でも岡村さんは走って追いかけ、
後ろから有紗を抱きしめる。

「有紗ちゃんがいない人生なんて
 無理。俺と一緒にいると、
 有紗ちゃんがしんどいのは
 分かった。それはごめん。
 でも、俺が…俺が有紗ちゃんと
 一緒にいると幸せなんだよ。
 必要なんだよ…分かってよ…」

涙を流しながらそう縋り付く
岡村さんが本当に愛おしかった。

「ずるいよ…ずるい」

「ずるくたって有紗ちゃんと一緒に
 いられるなら何でもするわ」

自分に呆れたような顔でそう言って
微笑む岡村さんに思わず声が出た。

岡村~~~~~~~~~~!!!
それで良いんだ岡村~~~~!!

いつも有紗のことを優先してきた
岡村さんが、初めて自分本位に
なるのが有紗のことなんだもん。
泣いちゃうよ本当に。ずるいよ。
岡村ズルジだよ。

「初恋、ざらり」第5話タイトルは
「好きなだけじゃダメ?」だった。
答えを岡村さんが教えてくれた。
好きなだけで良いのだ。
そこに「普通」とか「健常者」とか
そんなことは一切関係ない。
そんなの周りからのやかましい
ノイズでしかないのだ。

有紗と岡村さんの恋に文句がある
奴がいたら私を通して欲しい。
絶対に2人の幸せを守るから。
ハンバーグを作り、盛り付けに
失敗しても、「大丈夫です」と
声を掛けながら笑い合う2人の
幸せがずっと続けと心から願う。

長くなりすぎたからまとめに
入りきらなかったけど、いつも
岡村さんに真っ直ぐに向き合い

時にははっきりした言葉で
気付きを与えて、決して有紗を
色眼鏡で見ない西山繭子さん
演じる天野さんも本当に
素敵でした。こんな人になりたい。

そして「初恋」部分を表したような
オープニング主題歌a子さんの
「あたしの全部を愛せない」
「ざらり」の部分を表したような
ヒグチアイさんのエンディング
主題歌「恋の色」も本当に良くて
毎話泣かされたからサブスクで
じゃんじゃか回し倒そうと思う。
是非とも聞いて欲しい。

権利問題もあるだろうから最低限
セリフのは減らしたものの、この
気持ちを忘れたくなくて長々
綴ってしまった。本当良かった。

素敵な気持ちにさせてくれた
小野花梨ちゃん、風間俊介さんが
どうかすこぶる美味しいお肉を
食べられていますように(?)

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