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人に書いてもらった読書感想文を発表しながら学年全体の前で号泣してもうた話

タイトルの通りのことが十年ほど前にあって、
それを今日ふと思い出したので書いてみようと思います。

今はライターの僕ですが、
当時は、母に読書感想文を書いてもらっていました。
「代わりにあんたはこれを勉強しときなさい」
と何冊かの参考書と引き換えでしたが。

いや、むしろ、読書感想文なんか私がやるから勉強してなさいという勢いだったような気もします。ちょっと記憶が曖昧。

母に書いてもらった読書感想文はクラス代表に選ばれ、他のクラス代表たちと共に、学年全体の前で読まされることになりました。

そこで僕は音読しながら、初めてその内容を目にしました。
で、読みながら不覚にも泣いてしまったのです。大号泣(笑)。

その背景を謎解きっぽく語らせてください。

泣きの要因⑴ 題材と状況

ベン・カーソンというMRIを作ったアメリカのお医者さんがいます。

その人の伝記を読んでもらって、感想文を書いてもらいました。本自体は僕も読んだので内容は覚えています。今となってはかなりおぼろげですが。

たしか、貧しいひとり親家庭で育った黒人のベン・カーソンが母からの愛と熱心な教育で偉大なお医者さんになり、たくさんの人を救ったという構成だったと思います。

ベン・カーソンの幼少期と自分との重なりが大きく、一気に読んだ覚えがあります。

その頃の僕は、足の病気(ペルテス病)で二度の手術を受けており、それに伴う入院生活からお医者さんになりたいと思うようになっていました。

カーソンと同じく家は貧乏で、両親はまだ離婚してはいませんでしたがすでに父はあまり家にいなかったので、そこもダブって見えました。

さらに、母の教育熱心なところも似ています。自分も同じような道を歩んでいくんだろうと当時は思っていました。

題材と自分の人生の重なりが一つめの泣きの背景です。

泣きの要因⑵ 母のずるい文章

続いて、母のずるい文章について。
今振り返るとそれはずるいという内容なので紹介させてください。
※別にディスってないです

同じ家族なので母としてもカーソンの伝記は自分と重なるところが多かったはずです。特に、カーソンの母親を自分みたいな気持ちを持つ親だと感じたかもしれません。

今振り返ってみると、あの頃の母は、カーソンの母親に自分を重ねていろいろ考えたんだろうなと思います。

やたらと「カーソンだったらどうすると思う?」と聞かれたし、伝記読了後からのスパルタ具合が増していました笑

そんな母が代筆した感想文には、たっぷりと自分の献身っぷりが書かれていて「僕もお母さんに恩返しがしたい。だから医者になります」みたいな内容になっていました。

実際、こっちが恐縮するくらい母が頑張っていくれていたのがわかるので、純真な僕はそんな文章を読むと涙が止まらなかったのだと思います笑

泣きの要因⑶ 当日初めてまともに読んだ

学年全体の前で感想文を発表するとき、僕ははじめて中身を読みました。

というのも、感想文を担任の先生に提出したら、先生が一人で全て読んでクラス代表を選ぶという方式だったので、選ばれて学年みんなの前で発表することになるまでまともに読む機会がなかったのです。

こうして、自分と境遇の重なる人が世界中の人に貢献する偉大な人になるまでの話を題材に、母の献身っぷりを交えて感謝しつつ、自分の医者になりたい夢を語ることになったのです。

そりゃあ泣きますよ。
作文用紙を持つ手が震えて、涙が止まらなくなって、やばいと思って時々笑いながらなんとか最後まで読み上げました。

あんなに大勢の前で泣いたのはあれが最後です。

読み終えて恥ずかしくなりながら、そーっと発表者席に戻ったら他の代表の子が「がんばったね」と言って背中をなでてくれました。うぅ。恥ずかしい。


教訓

以上、僕が「人に書いてもらった読書感想文を発表しながら学年全体の前で号泣してもうた話」でした。

こんな面白いエピソードをしばらく忘れているってこともあるんですね。しかも、急に脈絡なく思い出すから不思議です。

最後に、今日の話の教訓です。

読書感想文を誰かに書いてもらう時は、
ちゃんと発表する前に読んでおかないとみんなの前で泣く


今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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