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初ドバイ!④ 生活に垣間見えるベドウィン文化

私は恥ずかしながら、ここドバイにやってくるまでベドウィンという言葉については全く知りませんでした。高校の地理で出てきたような出てこなかったような・・・という朧げな情報だったのですが、ドバイで数日間生活し、UAEの本を読むにつれて、ベドウィンが今のUAEとどう関係しているかが少しずつ分かってきました。この記事ではこのことについて書いていきたいと思います。

そもそもベドウィンってなに?

ベドウィンとは「砂漠の住人を指す一般名詞で、普通アラブの遊牧民族に対して使う」(Wikipedia)そうです。これだけだと掴み所があまりないので、ドバイで買った『日本人だけが知らない砂漠のグローバル大国UAE』(加茂佳彦著)という本を参照しつつ、ドバイでの生活にベドウィンがどのように影響しているのかを考えてみたいと思います。

シャワー付きトイレ?

ドバイのトイレには、日本にはないものが一つ付いてきます。それはシャワーです。端っこには排水溝まで付いています。私もドバイ国際空港に初めて降り立ったとき、トイレ+シャワーを見て考えさせられました。このシャワーは何に使うのでしょうか?

ホテルのトイレ。ちょうど真ん中にシャワーがあります。

もしかしてUAEの人は潔癖症?だから便器を使ったらシャワーしてお尻が触れたところを浄化するのだろうか?なんて考えを巡らせていました。

ベドウィンと現在のUAEを関連づけるときにキーワードとなるのが、砂漠という環境だと加茂先生は書いています。砂漠ですから砂が沢山靴に入ってきます。そういうこともあり、ドバイのトイレには砂を洗い流すためのシャワーが付いているのです。ここにもベドウィンが砂漠の遊牧民だということに由来する文化が垣間見えますね。

タクシーの暴走とベドウィン

これは私の勝手な考えかも知れません。ドバイではタクシーに乗ると、急発進は日常茶飯事です。別にアクセル踏まなくても徐行で行ったら良いのに、と思うところもアクセル踏んで、1秒でも早く前に進みたいという焦りでもあるかのような印象を受けます。

これも加茂先生の本を元に考えると、砂漠の遊牧民であるベドウィンの計画困難性に由来するのではないかと、私は思っています。「砂嵐になれば一晩で砂丘が左から右へと動いてしまう」わけで、それでは綿密に計画を立てて物事を成し遂げるという動機は生まれにくいのではないでしょうか。

というところから推測すると、後がどれくらい渋滞しているかはあまり考えず、スペースが空いているところはアクセル踏んで進んでしまえ、という論理が働いていると考えてもおかしくないのかも知れません。

日本ですと前の信号が赤になっているのだから、アクセルもブレーキも踏まず、自然に減速したら良いよね、と考えるところを、停止線まで速く行って、停止線前で急ブレーキをかけるという感覚に近いかも知れません。

実はドバイは都市全体が高速道路のようなもので、おまけに信号などほとんどないですから、ドライバーが平均時速100kmphを超えて走るレースのような光景です。シートベルトをしていないと、事故したら確実にあの世行きのスピードで皆さん運転しています。また日本では慣れていない運転の為、酔いそうになってしまいました。

スーツにサンダルの衝撃

Arab Health 2023に出展している企業の通訳として、私は今回ドバイにやってきています。そこではどこまでも続く展示会場に、何万人もの人々が世界中からやってきます。欧米のビジネスマンはかっちりとスーツを着こなし、とてもカッコいい。ですが中にはスーツにスポーツシューズという、面白い組み合わせのビジネスマンもいました。

しかしその上を行くのが、アラブです。特に印象的だったのは、上下はちゃんとしたスーツなのに、足だけはサンダルというアラブ人。スポーツシューズをはるかに超えて、その合わなさは忘れられません。ですがなぜサンダルなのでしょうか?

これもベドウィンの砂漠という環境を考えてみると納得がいきます。普通の靴を履いていると砂が中に入ってきてしまって、不快なのでしょう。そこでサンダルを履いているという訳です。もちろん展示会場ですから砂だらけにはならないのですが、ベドウィンという文化はイスラム教ができるよりも前からある文化のため、生活に入り込んでいるのでしょう。

これは日本で言うと、私達が海水浴に行くとき、砂が靴の中に入ってくるのが嫌なのでサンダルを履くという感覚と似ていると思います。

加茂先生も「砂漠の生活に適したサンダル履きが多く、改まった場所でもこの傾向は変わりません」と仰っており、それが展示会でそのままの形で出現しました。ベドウィンからここまで説明ができてしまうのが面白いくらいです。

以上、ベドウィンという遊牧民文化が現代のUAEにどのように影響しているかについて、現地で見たことと加茂先生の著書を頼りに書いてみました。国が違えば文化が違う、この当たり前のことを再認識するとても良い機会となりました。出張は本日で最終日です。頑張って通訳していきます!


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