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ダイバーシティ・働き方改革・女性活躍推進でみんなが幸せになる会社作りを 久永美砂さん

2009年からダイバーシティに取り組み、2017年から2年連続で女性活躍に優れた上場企業が受賞する「なでしこ銘柄」受賞。社員の働きやすい環境作りに取り組んできた(株)日立ハイテクノロジーズの久永美砂さんにお話を伺いました。

プロフィール
・川崎在住、家族は夫と息子1人
・2009年より日立ソリューションズでダイバーシティ推進を担当後、
 2015年から日立ハイテクノロジーズでダイバーシティ推進・
 働き方改革担当
・2017年、2018年 日立ハイテクノロジーズ「なでしこ銘柄」を受賞
・2018年 Forbes JAPAN WOMEN AWARD2018にて「部門賞・働き方
 改革賞」特別賞受賞
・座右の銘:日々是好日、最小限の努力で最大限の効果

記者:久永さん、今日はよろしくお願いします。

久永美砂さん(以降、久永):よろしくお願いします。

自分の考えと違うところにスタンダードがあることに気づかないとうまく行かない

記者:ダイバーシティって具体的にどういう取り組みをするんですか?

久永:一言でダイバーシティといっても、何をするのかはその目的によって違うんです。私の会社では働き方改革と女性活躍推進に取り組んでいます。
専任組織があるのも大事。
あそこに行けば相談できるからって、思ってもらえるでしょ。

記者:職場の人が生き生き仕事をしているかとかそういうことですか?

久永:それも大事、そして今は次のビジネスをどうやって作り出すかが重要です。

例えば、会議があっても発言する人はいつも決まってる人だけだと、いくら社員のポテンシャルが高くても、何も新しいものが生まれないんです。

よく「何も言わないから、何考えているのかわからない」っていうんだけど、そうじゃなくて「やりたい事や言いたい事を聞いてあげてください」と
職場の方に伝えたりとか。

ダイバーシティって別に決まった道筋があるわけじゃなくて、それぞれのいろんな課題をどうやって解決していくのか、その先に行きたい未来があるのか。それを手伝っていく感じなんです。だから、結構大変なこともあるんですよ(笑)。

記者:ダイバーシティを推進していく上で勉強されたりしているんですか?

久永:ダイバーシティは早い会社だと2000年くらいから取り組んでいるので、その事例の共有などは会社の枠を超えて勉強会をやったりしていますが、自分も初めはかなり模索しながらやっていたのが正直なところです。

やってきて感じるのは、例えば年代が違うと考え方が違うから、上司のことがわからないとか、部下に対して「何考えてんの?」とか思っちゃうんだけど、それって、自分の考えと違うところにスタンダードがあるってことに気づいていないから、うまく行かないんですよね。
違う視点がでてきた時に、「なんでそう考えたの?」って聞いて、初めて相手のことがわかるんです。その繰り返しでしか、結局人って交われない。

自分も今の会社に異動して、そのあまりの違いに衝撃を受けましたしね。

記者:同じグループ会社でもですか!

久永:そう。言語から違うから、異動してからかなり長いことみんなが何を言っているのか本当にわからなくって困りました。
今ではそれも面白がっていますけどね。

記者:全く違う環境に移ると、世界が変わって広がりますよね。

久永:比較ができて初めて自分のポジションがわかるんだと思うんです。
今転職が普通になっている時代だから、異なる価値観が融合することによって、世の中って変わっていくのかなって感じています。
働き方が多様化していることが、変化の可能性のようにも感じていて。
だから、これからがすごく楽しみです。

自分のことは、他の人との違いでしか知ることができない

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

久永:みんなに幸せになってもらいたいんですよね。ダイバーシティをやってて思うのは、会社の中とかコミュニティで、「違うこと」ってネガティブにとられますよね。

例えば、町内会のシニアの中に自分が入ると、ものすごい違和感で、私に対して否定的だったり。
そうじゃなくって、違うことは「いいこと」って捉えられたら、自分も幸せだし、相手も幸せだし、そういうことが大事なのかなって思うんですよ。

記者:自分と違うものに出会うことによって成長する、自分が外を取り入れることによって変化が起こるそんなイメージですよね。ダイバーシティも。

久永:そうです、そうです結局のところ、自分のことを知るためには、他の人との違いでしか知ることができないと思うんですよね。

記者:深いですね!ダイバーシティって、突き詰めていけばすべての垣根をとるくらいですよね。

久永:そう深いんですよ。自分を受け入れてもらうためには、先に自分からうけいれなきゃいけないと思うんですよね。自分は前からこう思っていたけれど違う視点があったとか気づくだけで、自分の立ち位置みたいなものが見えてくると思うんです。

記者:久永さんの可能性が見えました笑。今は会社内なんですけど、会社を辞めたとしても、コミュニティや地域などで、そこで必ず人に求められる人になると思います。

久永:あー、それは楽しいですね(笑)。

記者:その土台作りを会社の中や枠組みを超えて、ずっとやってきている方なので。今は会社の中で「働きやすい」環境を社員の方々のために、整えているけれど、会社を辞めたとしたら、それが「暮らしやすい」とか「生きやすい」とかになって、そのコミュニティの土台を作ってみんなを幸せにする、そんなビジョンが見えました(笑)。

久永:嬉しい!期待に応えたいタイプなので、そうなりたいと思います。

自分に負けたくない。自分で勝手に限界を作ると終わっちゃうから。

Q:その夢を達成するためにどんなことを心がけていますか?

久永:自分に負けたくないっては思ってますね。自分で勝手に限界を作って、「ここまでしかできない」って決めちゃうと終わっちゃうじゃないですか。だから、できるできないをあんまり早く決めちゃわないで、もうちょっとしつこさを持つようにしています。

記者:さすがカッコイイですね!

久永:あと仕事でいうと、3年後はこうなっていたいっていう目標をもって、そこに向かって努力します!
2015年に今の会社に転籍したとき、「なでしこ銘柄」を取るという目標を立てたんです。それで、去年、今年の2年取れたので、一つの目標はクリアしました!

記者:すごい!おめでとうございます。

自分が育った田舎(四国)は助け合いが基本だった

Q:その夢(自分の周りの人を幸せにしたい)をもったきっかけは?そこにどんな発見がありましたか?

久永:いろんなところで、いろんな人にお世話になったからだと思います。

今の社会は、人と人の繋がりは薄くなっているように感じるけれど、自分が育った田舎(四国)は助け合いが基本だったんです。

しょっちゅう誰かが何かを家に届けてくれたりとか、冠婚葬祭も周りの人がきてやったりとか、全部、助け合うのが当たり前だったんですよね。

都会にきて周りとの関わりは面倒、くらいに思っていた時もあったけど、働いて子育てをしているときに、近くのおばあちゃんが何の縁もゆかりもない私に声をかけてくれたり、息子の面倒をみてくれたりしてくれて、すごく助かったんです。
その時に、そういう気持ち忘れてたなって思いだして。

大変な事もあるけど、こんな風にいいこともいっぱい起きてるから、そういうところに目を向けていきたいです。

記者:
久永さん自身が周りにそう接しているから、沢山助けもくるんでしょうね。

Q:その発見や出会いの背景には、何がありましたか?

久永:大きな転機が3回あって。育休から復帰したときと、ダイバーシティにジョブチェンジしたときと、会社を異動した時。

特に、今の会社に移ったのは大きい変化で、周りの人も、仕事も、文化も全く違うから、考えざるをえない。
今までの考えが通じない、言葉が通じない、わかってもらえない、と感じる時期が長くありました。

でも、どの転機でも本当にいろんな人の助けがあったからこそここまでこれたんですよね。
だから、ダイバーシティや仕事で得たものや助けられたことも含めて、今の会社はもちろんのこと、社会に対しても何かしらの形で、お返ししていきたいと思っているんです。

こんな風にとても自由に生きてきたんだけど、ふと気づいたら家族がおざなりになっていて!
だから、最近の目標は家族と仲良くすること。これからは、旦那さんと二人で元気で長生きを目標にしていきたいと思っています。

記者:最後に座右の銘は?

久永:昔の上司に「日々是好日」という言葉をもらったこともあります。毎日違う日がいい日であれば幸せ。うまくいかなくても、ずっとうまくいかないわけじゃないし、今が低ければ低いほど伸び代があるっていってくれたんですよね。

記者:いい上司ですね!

久永:もう退任されたんですけど。考えてみたらそんなに私マイナスだったか?とも思うけど笑。その上司にも諦めずにいろいろ育てていただいて大感謝しています。

記者:
素敵な関係性ですね!
久永さん、今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!
久永美砂さんについての詳細情報についてはこちら
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久永美砂さんのFacebook

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【編集後記】
今回インタビューの記者を担当した石塚、三笠、口野です。
結婚、出産、子育てをしながら、会社の枠組みを超えて最前線で活躍し続ける久永さんの生き方、働き方は、会社に貢献しそのキャリアが地域社会にもいかされていく、これからの企業人としてのモデルになると感じました。
めっちゃかっこよくて、めっちゃ可愛い!そんな印象の久永さん、本当に楽しいお時間をありがとうございました。

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