見出し画像

すべてを水に流す-1

 私の名前は、UNDINE-DAD-MIZUMO(ウンディーネ・ダッド・ミズモ)
水の神様である。(もちろん自称なので起源とかさがさないでネ。)

最近、日本では水の流れを映像をみることが流行っているらしい、という噂を天上のポセイドンから聞いた。本当だろうか?と思ってユーチューブを探ってみると、「自然音 せせらぎ」というやつの視聴回数はなんと!1,461万回。驚くべき人気を誇るということを実感した。

 俄然興味が出てきて、日本の人間界ではなぜそんなに水の流れにひきつけられるのだろうとさらに探りを入れると、原因は2つあるという。一つは「リモートワーク」。コロナ渦げ原因で出社せずに自宅で仕事をせざるを得なくなった結果、必要となったのはBGMならぬBGV。家での息抜きの為の画像が必要となり、仕事で使うデスクの上にはパソコンの画面が仕事用のパネルとBGV用のパネルの2面併存が常態化したのだという。

 二つ目は「癒し」。インターネットによる情報量が巨大化したおかげで、もはや動画は2倍速で観るのが普通、SNSには発信よりも返信に追われ、人間界は逆に情報に飲み込まれそうになって疲れてきているらしい。そういった疲れを癒すために、自然の流れをボーっと観るのが良いのだそうだ。

 30年ほど前のバブル時代にも、実は「環境ビデオ」というのが流行っていた時期があった。「マハラジャ」で踊り「香妃苑」の鶏煮込みそばで空腹を満たした後「六本木WAVE」(現六本木ヒルズの所にあった)で、滝がひたすら流れていくだけのVHS時代の環境ビデオ(1本5,000円也)を購入していたディーバの友達を何人も知っている。いや、天上から眺めていた。ボディコン・ワンレン・六本木カローラ(BMW)→熱狂・空虚・環境ビデオのセット時代。懐かしい、また時代は巡る。
 そういえば、日本にはDOCOMOという変な名前の携帯キャリアがあり、その名前の由来が「いつでもどこでもつながる」というCMを散々流していたのを思い出したが、今やそれがアダとなっているのはトホホである。KADOKAWAに行った夏野さんもきっと悲しんでいるのに違いない。

 ということで水の話である。昔、中国では春秋戦国時代、日本では初代神武天皇の頃、ギリシャにターレスという哲学者がいた(ドラゴンボールZではない)。彼は今では「最初の哲学者」と呼ばれているが、そのころの時代のギリシャは、世界の起源に関する説明を神話的なもの(世界は大神ゼウスが創造したもうた的な話)から合理的なものに変換することが流行っていたらしい。彼はそこで「万物は水である。」とのたまい、世界は水から成りそして水に帰るのだ、と唱えたそうである。

 残念ながらわたくしウンディーネ・ダッド・ミズモにとって大神ゼウスは大先輩なのでお会いしたこともないが、天上から今の人間界をみているとその様子はワタクシ的に言わせると「万物は情報である」。世界は情報から成り、そして情報に帰るのだ、と唱えたい(端的にいうと情報は単に情報。そこに余計な感情をいれるべきではない)。トランプもプーチンも習近平も誰が本当のことを言っているのかわからない中で、情報がものすごい勢いでリアルタイムで流れ続けている。そしてその情報の大河に人間界の人たちが溺れそうになっているのが天上からはよく見えるのである。

 どうか、情報の大河を離れてゆっくり岸辺から眺めてほしい。フェイクニュースなのかリアルなのか、TRUE OR NOT-TRUEなのか、という解釈を離れて、今は静かに水の流れを見てほしい。そしてフェイクニュースを意図的に流している人間も含めてすべてのことは水に流してあげたいと願うのが、ワタクシ ウンディーネ・ダッド・ミズモこと水の神様であると思っている。
(もちろん、できればですが。。。。。)
つづく

この記事が参加している募集

#私のストレス解消法

11,263件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?