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本当にこの叱り方でいいのかしら?伝わりやすい上手な叱り方3選

※この記事は子どもに”ウザい”と言われてショック...「困ったときの反抗期ハンドブック」①②の続きになります。

宮後:前回、叱る・褒めるは両方大切だとお話しいただきました。私としても子どもを叱るたびに、”本当に叱ってよかったのだろうか?”と後悔することがあります。どのように叱るのがよいか具体的にお話を伺いたいです。

深澤:叱り方はとても大切です。闇雲に叱るのではなく、きちんと叱り方の原則に則って叱ることが重要になってきます。

宮後:どのような原則があるのでしょうか

深澤:さまざまありますが、代表的なものを3つをお伝えします


叱る理由はルールに合わせて明確に説明する→感情で叱らない

深澤:子どもがご飯を食べた後に、食器を片付けなかったとします。その際に、つい「片付けしろって言ったでしょ!何回言ったらわかるの!」と言ってしまうのではないでしょうか。

宮後:私も何度伝えても相手がいう事を聞いてくれなくて困ったことは度々あります。そのような時についこのような声掛けをしたことがあります。

深澤:繰り返し何度も言うことは大切ですが、まずは「食後に食器は自分で流し台に持っていく」というルールを作って、それを説明することが大切です。

久保田:確かにまず、ルール作りしておくことが大切ですね。ルールを作っておくと
  ”ご飯食べたあとの後片付けはどうするルールだったかな?”
という声かけをすることが可能になってきますね。家族のルールを決める際に、一部でも子どもが決めたルールになっていると、叱った際に子どもが納得しやすいですね。

宮後:私も指導のシーンで、”先生にいきなり怒られたわ”と、言われたこともありますが、そもそもルールの設定や説明をよくできていなかったような気がします。ルールの共有は確かに大切ですね。

直ぐに、簡潔に叱る。叱るときは一つずつ →前の事とあわせて叱らない

深澤:叱るときは一つずつ叱ることが大切です。ぐずぐずしている子どもを見て色々言ってしまう事もあると思います。例えば
「だから早く寝なさいって言ってるの!お風呂に入るのも遅いからそうなるでしょ!」
という声掛けについてどう思いますか。

宮後:私もたまにこのような声掛けをしてしまっているようです。たしかに、一つずつ叱るというという考え方で見てみると、”早く寝ろ” ”風呂に入るのが遅い”の二つを同時に叱って知っていますね。

深澤:確かに、これだと子どもはアレコレ一度に言われた!という気持ちになってしまいます。ひとまず早く寝るためにベッドに向かっても心の中はもやもやしたものが残ってしまいます。

久保田:たしかにこれでは、子どもはいろいろな事をたくさん言われた!って思いますね。もし仮に自分の中に遅くなってしまった理由があったとしても二つ分の理由をうまく説明するのは子どもには難しいかもしれません。そうなると一方的に言われたことをとにかく黙って聞くか、反発するかのどちらかになってしまうのではないかと思いますね。

深澤:その通りです。叱ることは思い通りに相手を動かすことが目的ではなく、よくない理由を考え反省してもらう事が大切です。そのためにも、タイミングをよく見極め、一つずつ叱ることが大切なのです。

宮後:確かに、”お風呂遅い時に言ってよ”って気持ちにもなるかもしれませんね。

深澤:もちろん、叱るときはお風呂の時間や寝る時間のルールに従って叱るのがよいでしょう。

子どもの言い分を聞き、子どものペースを大切に→返事を強要しない

深澤:叱る際には、相手が納得しているかどうかが大切です。例えば、宮後さんが子どもの立場だったとして、
「宿題は早く終わらせろ!わかったか!」
と声をかけられたら、どのような気持ちになりますか?

宮後:「わかった」とは言えるけれども、その場をやり過ごすための返事になると思います。ですが「わかったんなら、早くやれ」と言われそうで、正直、返事をするのが怖いという気持ちにもなります。

深澤:まさにその通りです。「わかったか?」と問われると、子どもはどう返事するべきかばかりに頭がいき、叱られた内容そのものについて考えることが後回しになってしまいます。結果として、叱る内容が伝わらないことも多いのです。

久保田:これは深い話ですね。叱る側としては、子どもが自分の言ったことを理解してくれているかを確認したい一心で質問することが多いですが、その結果、子どもは返事をどうするか、逃げ場をどう見つけるかばかりを考えるようになる。それでは、叱る目的が果たされないわけです。

深澤:そうなんです。叱る際には子どもが黙ってしまったり、動き出すのが遅くなることもあるでしょう。もし、ルールに基づいて叱ったのであれば、この時点で子どもは反省している可能性が高く色々自分で考えていて黙り込んでいる可能性も高いです。もちろん時には言い訳をしてくることもありますが、それを「言い訳するな」と一蹴するのではなく、しっかりと子どもの話を聞いてあげることが大切です。     

叱る・褒めるはどちらも大切

久保田:叱ると褒める、どちらも大切ですね。深澤先生からのお話をうかがいながら、どちらもバランスよく取り入れることが大切だと改めて感じました。

宮後:私としても、具体的な叱り方について教えていただき、大変参考になりました。これからも子どもへの対応に活用していきたいと思います。

深澤:叱られたときの気持ち、特に自分自身が子どものころの気持ちを思い返すことが大切です。私たち大人もかつては子どもでした。その経験を思い返すことで、今の子どもたちへのより良いアプローチ方法が見えてくるかもしれません。