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【学習お悩みQ&A第2回②】家庭での学習の心配事にお答えします!

※この記事は、深澤英雄先生(神戸市の小・中学校で38年間教壇に立ち、教職大学院の特任教授を4年半務める。現在は和歌山大学教育学部の非常勤講師として学生の指導に当たる。)をお招きして、久保田学園グループ代表久保田勤とグループ講師宮後が対談を記事にしたものです。
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見極めが重要

宮後:前回は、
 子どもが宿題を早く済ませようとして、親としては内容の理解が心配
 塾や学校の宿題を親が全くチェックしないと、子どもはごまかしてしまう
 子どもにやり直しをするように言うと、本人は怒り出す
というご相談に深澤先生から、”宿題の目的を伝える事”の大切さや、チェックをする際には少しづつにした方が良いというお話を伺いました。本日もよろしくお願いします。

久保田:前回お話を伺っていた際に、少しづつチェックをしていくという話を頂きました。その時に実際にごまかしを見つけてしまったときにどういう声かけをするのかを迷っている保護者の方も多いと思います。そのあたりいかがでしょうか?

深澤:そうですね。小学4年生くらいだと、例えば1問問題をやらずにとばしてしまったということがあったとして、”うっかり飛ばしてしまっただけ”なのか、”ごまかしてズルしようとして飛ばしたのか”の見極めを良くしておく必要があります。ここで子どもの性格等に応じてよく見ていってあげることが大切です。

宮後:確かに、ズルしているのに”ちゃんと1問ずつみないとだめだよ”と声かけしても効果的でないですもんね。”ズルしても駄目だよ”とか、”宿題の意味をよく考えようね”とかの声かけ必要になりますね。もちろん続くようだと叱る事も必要になってきますね。

ごまかしをするのは”圧力”のせい

深澤:子どものごまかしをよく見極めて声かけをかえるのは確かに大切です。ですが、子どもが”ズルをしよう””ごまかしてでもさっさと終わらせよう”とするのは圧力があるという事ですね。この場合の圧力というのは様々な事が考えられます。

久保田:例えば、”宿題を早く終わらせないと叱られる”という事を子どもは圧力として感じているというのは確かにありそうですね。

深澤:それももちろんあります。圧力には様々なものがあります。”はやくゲームがしたい”とか”友達と遊ぶ約束がある”とか、”見たいテレビがある”とかも”ごまかそうかな?”と思わせる圧力として働きます。要するに、ごまかしてしまう理由は宿題そのものだけが問題ではないわけです。

宮後:外的な要因がたくさん働いてくるということですか。確かに小学校4年生くらいになるとできる事や興味を持つことが増えてきていろいろなことが気になりますし、周囲の目も気になり始める時期のような気がします。

トータルの環境を整える

深澤:そういったトータルの中で、子どもはどういったときにごまかすのかというのを見ていくのが大切だと思います。そういった、圧力を与えていないか、環境としてできていないか、まだ小学校4年生くらいだと自ら改善するのは難しいです。保護者の方が子どもの状況や性格にあわせて環境を整えてあげることはまだまだ大切な事だと思います。

久保田:そうですね。叱ってやらせるという事も時には必要ですが、言葉で子どもを変えようとしても難しいですね。こどもに圧力がかかってしまっていないか、保護者の方が状況や環境を調節してあげることで、こどもがごまかさないように促すようにするのがよいかもしれません。

深澤:ごまかしに慣れてしまって、ごまかしが続くようになってしまうのがやはり子どもの成長にとって良くありません。まずは学習習慣を整えていこうという時期には、丁寧に勉強していくという事を大事にしておいて、学習時間内は丁寧に勉強をすすめようと促していくのが良いと思います。たくさんの量をこなすことなどは次のステップとしていけばよいと思います。

宮後:この宿題そのものの問題ではなく、外的要因が圧力として働いているというのは大変勉強になる考え方でした。また次回もこのことについて詳しくお話を伺いたいと思います。また次回もよろしくお願いします。