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さおだけ屋はなぜ潰れなかったのでしょうか?

先日、企業内診断士チームにてメンバーそれぞれの印象に残った書籍を紹介する機会がありました。
その中で私は、診断士勉強のきっかけにもなった書籍として山田真哉著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を紹介しました。
これをきっかけに改めて本書を読み返してみましたので、今回は書評のような形でまとめてみました。

はじめに

まず全体としての感想ですが、難しい用語や数字や計算式をなるべく使わず、身近なものを例に挙げて会計やビジネスの仕組みを学べるような構成がとられており、当時まだ会計に興味を持ち始めていた私にとって本書は会計の仕組みを勉強するきっかけとなり、ビジネスモデルというものを理解するきっかけにもなりました。

本の中ではさおだけ屋や、フレンチレストラン、自然食品店が例に挙げられていますが、表面的に見えているものだけがビジネスモデルの真の姿ではないということが語られておりました。一見儲かっていないように見えるが、実は別の視点ではビジネスが行われており、ゴーイングコンサーンとして成立しているということが解説されております。

機会損失

また、販売店が商品を完売させることができたものの、上司に怒られるエピソードから機会損失の考え方を理解することもできました。要するに、完売できるほどの需要があるのであれば、その需要をもっと正確に予想してこれまでよりももっとたくさん売り上げるための努力をすべきであるということです。

数字のセンス

本書では「数字のセンス」もキーワードとして解説されておりました。
2005年にビックカメラが100人に1人タダというキャンペーンを行っていたことを例に挙げてその実態を解説されておりました。購入金額がタダになるという言葉には非常にインパクトがありましたが、数字を正しく解釈すると少し印象が変わってくるのです。

家電量販店では、当然一人ひとり購入金額は異なるはずですが、購入人数が増えればタダになる金額の合計が売り上げ全体の1%に収束してくることは想像に難くありません。10%、20%の割引が日常的な家電量販店の実態から判断すると売り上げの1%を割引として還元することは全体から見て大した金額ではないはずですが、タダという言葉のインパクトに魅かれて来店した客も多かったはずです。数字は説得力がありますのでその意味を正しく理解することが大切ということです。

最後に

診断士に合格して数年たった今でこそ、本の内容に関して目新しいものはありませんが、当時の自分にとって、ビジネスや数字の見方が大きく変わるきっかけになったのは間違いありませんでした。最近あまりビジネス書を読む機会が少なくなってしまったので、時間を作ってまた読んでいきたいと思います。

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