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「えびぞりロック(2)」__40年前の週刊 少年マガジン掲載作品を公開!

5/21に『40年前の週刊 少年マガジン掲載作品を公開します「えびぞりロック(1)」』というnote記事をUPしましたが、その続きです。

このシリーズ記事は、ボクの週刊少年マガジン連載マンガ作品「えびぞりロック」(未単行本化)を全話、40年ぶりに公開するぞ!という思いと(でも、あまりに出来が悪いのは、さすがに公開しないかもしれない)それに合わせて当時の状況も紹介するぞ!という企画です。


「えびぞりロック(1)」はコチラ


前回同様、当時の状況も紹介しつつ、
ボクの少年マガジン連載作品「えびぞりロック」を
誌面のまま紹介します(枠外の情報も当時のまま)


今回、紹介するマンガは
『えびぞりロック2話/悲運な教師 矢毛野やん八』です


ところで、前回の記事で「漫画原稿の持ち込みから、少年マガジンでデビューまで」と「本誌で連載が決まるまで」を駆け足で紹介したんですけど、かなり端折った部分があったので、今回は、その補足をしたいと思います。

前記事の中で…「少年マガジン増刊号に掲載されたデビュー作が、読者の人気をとって3ヶ月後には本誌連載が始まった」って簡単に書いたんだけど、かなり省略して書きました。新人のデビュー作が幾ら人気をとっても、それだけで本誌連載は始まりません。

それは、そうでしょう。デビュー作1本描いただけの素人に毛が生えた程度の子供(当時19歳)に本誌連載をいきなり任せるなんて危険すぎる(笑)

その段階では本誌連載候補になっただけ。


正式に連載となるには、他の連載候補の作家さんと競って勝ち残らなければならない。いきなりの競争社会です。競う相手は確か3~4人だったかな?その中には、ベテランの作家さんや、その年の新人漫画賞受賞者のKさん(後に講談社漫画賞も受賞)もいた。

で、具体的に競うと言っても、競う素材は作品しかありません。決まっている本誌連載枠は10ページ。そのページに合わせた作品、連載第1話を想定した話を含めて3本(4本だったかな?)を至急に書かなければいけなくなった。

もちろん、ペンは入れなくてもいいんだけど(ネーム&下書き)それでも楽ではない。当時、ボクはマガジン夏の増刊でデビュー作の「えびぞりロック」が掲載された時点で、秋の増刊号での2作目の掲載も決まっていたので、その制作にもかかっていた。

これが 1980年マガジン秋の増刊の「えびぞりロック」の扉

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本誌マガジンとは別の展開をしていたパラレルワールド? 増刊版は、この2話目までだった。本誌の新連載と同時期の発売だったので新連載の告知も入ってます。


話を戻そう。

降ってわいたような本誌連載の話だけに時間的な余裕は無い。ともかく、ボクは短い期間で数本分の下書きネームを描いた。もちろんボク以外の候補の作家さんも同様だったと思う。そのこと自体が試されてるようなもので、短い時間内で一定の水準の作品を何本も考えられなければ本誌連載は任せられないと言うことだと思う。

もう、いきなりプロの世界だ。


で、みんなの下書きネーム作品が集めれられて編集会議。最終的には、編集部内の多数決で連載作品が決定されたようだ。(実際、下書きネームが入っていた封筒を返されたときに何人かの編集さんの名前が書かれてあって、それは多数決のとき「えびぞりロック」を押してくれた編集さんの署名だった)

そして、その結果!
他にも実力ある候補者いる中
「えびぞりロック」の本誌連載が決まったのだった。


ただ、それからが大変だった。

短い期間で本誌連載の描きため。上で紹介した増刊号版の執筆。連載予告のイラストもある。なんとTV番組の中で紹介されるイラストなんていうのも描いた。

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当時、夕方TVで放送していた情報番組「タウン5」(講談社がスポンサー)
番組内で新連載の宣伝&このイラストが流された(放送日は1980/10/15)


ついでに当時の雑誌に掲載された新連載予告もまとめて紹介しておきます

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これは週間少年マガジンの新連載の前号と
2週前の号に掲載された予告と、その予告イラストの原画


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こちらは週刊少年マガジン47号(新連載が始まる号)の見開き予告ページ。このイラストは描きおろしではなくデビュー作品の中の絵が使われている。(えびぞり以外の連載陣も掲載されているので、当時の時代が想像できて興味深い!大御所の先生方も何人も いらっしゃいます!)


こうして週刊少年マガジンでの新連載が始まる!!


と、ここまでが本来なら
前回のnote記事に入れるべきだった部分
(本誌連載までの過程)になります。

それでは『えびぞりロック2話/悲運な教師 矢毛野やん八』をお楽しみください

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いかがだったでしょう(汗)
あ〜恥ずかしい(笑)
絵が下手なのも、そうだけど内容もなあ…(汗)

巨大なオーディオ(コンポーネントステレオ)や用務員のおじさん等、出てくる表現が古〜いって思うでしょ。時代を感じるでしょ。でも40年前に描いたんだから仕方ないんです。

それにしても担任教師の「矢毛野やん八」。元ネタはもちろん武田鉄矢の「金八先生」だけど今でも違和感ない(それはそれでスゴイ!)

ちなみに、この「矢毛野やん八」というキャラクターはデビュー作品で、すでに登場していて、その時期って(調べてみると)本家の「金八」第1シリーズが終了した後だったんだ。で、その3ヶ月後「えびぞりロック」の本誌連載が始まってみたら、偶然にも、ほぼ同じ時期に「金八」の第2シリーズ(腐ったミカンのシリーズ)も始まってるんだよね。そのドラマの放映期間自体も、ほぼ「えびぞりロック」の連載期間と重なってるという。だから何ってことでもないんだけど、元ネタとパロディ?が、同時期に公開されていたっていうのも面白い。


最後に、今回の第2話だけど1話と同様に扉絵の指や、その他にもちょっと絵に修正加えてます。そして一箇所だけ、あまりに下手すぎてコマを丸ごと描き直したシーンがあります。

これが描き直したシーン(雑誌ではなく生原稿を載せてます。
線が雑誌より綺麗に見えて少しマシに見える ↓)

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『40年前の週刊 少年マガジン掲載作品を
公開します__「えびぞりロック(2)」』 終わり


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