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《21》忘れられないコーヒーロール


誰にでも、忘れられない味、におい、感触など思い出と紐付く五感が何かしらあると思います。
例えば私は、レモン石鹸の香りを嗅ぐと、不思議と小学生時代の記憶がフワッと蘇ります。


そんな五感と記憶について、妊娠・出産に際してどうしても忘れたくないことがあったので、いつか自分で振り返るために書いてみようと思います。


聴覚の記憶


妊娠中、よく好きで聞いていたのが日食なつこさんの《vip?》という曲でした。
(日食なつこさん大好き!)
なんだかホワホワしてあったかい気持ちと、なんとなくジーンとするメロディ。永遠に聴いていたい。

どうしようもなくダメな日は
ふたりで一緒にダメになろうか
何一つ役に立たない
僕を隣にいさせてくれよ


この歌詞が特に好きです。
夫と子供に対して、この先の不安もあるけれど一緒にがんばるぞ、という気持ちで聴いていました。
それと同時に、ダメな日もあるけれど仕方ないよなー、肩の力を抜いてみるか、という気持ちにもなりました。


この曲は、夜破水して不安な中、病院に向かう車の中でも聞いていました。
(色々事情があり、、、お股からジョボジョボしている状態で自分で運転して病院に行ったので、超絶MAX不安だった。これもまた強烈な思い出…。)

次にこの曲を聴くときは、子供はお腹から出ているのか、一心同体で聴くのは最後か、と考えながらしみじみと歌い、そして聞いていた記憶があります。

そんなことを思い出しながら、出産後にこの曲を聴いたとき、なんだか幸せな気持ちになってボロボロ涙が出ました。なんなら今でも泣きそうになる。


味覚の記憶

出産では、忘れられない味の思い出もできました。
出産後、病院のお祝いメニューに出た「コーヒーケーキ」。コーヒーロールで有名な洋菓子店が作った、昔ながらのバタークリームのコーヒーケーキが1ホール。
甘くて、もったりしているけれどペロッと食べてしまいました。
妊娠中に甘いものを制限していたので、それはそれは美味しくて幸せでした。

それから宮城県を離れるまで、何度か買いに行ったコーヒーロール。
きっと、夫にとってはフツーのコーヒーロールですが、私にとっては頑張ったあとに食べた最高においしくて幸せな気持ちになる特別なコーヒーロールです。

またいつか宮城に行くときには食べたいな。
きっと娘が生まれたときのことを思い出すんだろうなと思います。



今の娘もかわいくて仕方ないですが、この曲を聴いたり、味を思い出すと、妊娠中や出産直後の娘もまた堪らなく愛しかったなと、少し懐かしく感じています。

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