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【イベントレポート】570万ユーザーを超えるプラットフォームを持つChatworkだからこそできる事業開発とは!?

こんにちは!Chatworkで中途採用を担当している渡辺です。
今回は、2023年5月24日に開催した『570万ユーザーを超えるプラットフォームを持つChatworkだからこそできる事業開発とは!?』のイベントレポートをお届けします!

Chatworkでは、「2024年に中小企業No.1ビジネスチャット」「2025年以降であらゆるビジネスの起点となるプラットフォーム”ビジネス版スーパーアプリ”」を目指すという中期経営計画を掲げており、その中で、「BPaaS(Business Process as a Service)」を戦略の主軸として掲げ、経営における幅広い領域での本質的なDXの実現を目指しています。

その上で重要になるのが、新規事業の開発・グロースです。今回は、そんな重要ミッションを担う「事業開発チーム」の取り組みや、現在立ち上げている「BPaaS」事業について、マネージャーとメンバー2名にお話しいただきました!


登壇者(3名)の紹介

桐谷 豪/インキュベーション本部 ビジネスユニット ユニット長
2020年10月入社。DXソリューション推進部のマネジメントを担当したのち、ビジネスユニットのユニット長として「BPaaS」事業の推進を担っている。

小野寺 崇文/インキュベーション本部 ビジネスユニット DXソリューション開発部 事業開発チーム
2022年3月入社。「BPaaS」事業のコンサルティング・セールスチームをリードしている。

蛭田 栄太朗/インキュベーション本部 ビジネスユニット DXソリューション開発部 事業開発チーム
2022年12月入社。「BPaaS」事業の運用チームをリードしている。

【第1部】Chatworkだからこそできる事業開発とは!?

全社戦略とBPaaSについて

イベント中の様子(ユニット長 桐谷)

桐谷:我々は、BPaaSがSaaSの次の一手になるであろうと考えています。BPaaSはBusiness Process as a Serviceの略で、ソフトウェアの提供に留まらず、業務プロセスそのものをクラウド経由で提供するBPOアウトソーシングです。IaaS・PaaS・SaaSの上位概念と思っていただければと思うのですが、我々がなぜBPaaSに行き着いたのか、その背景についてご説明します。

桐谷:大前提として、超高齢化社会ですので、生産年齢人口がどんどん減ってきています。また労働生産性に関しても、中小企業と大企業でかなりの差があるので、ここを埋めなければいけません。賃金差も影響としてあるかと思います。中小企業の生産性向上が日本を良くするために必ず必要になるので、この課題に対して、本気で取り組んでいます。

桐谷:中小企業におけるDXの重要性は非常に高いですが、実際にDXに取り組む上での課題として1番大きい要因が「DXに関わる人材が足りない」、2番目が「ITに関わる人材が足りない」ということです。結局ツールやプロダクトサービスができたとしても、それを上手く使いこなせる人がいない、業務のオペレーションを作ることが難しいといったところが課題で、DXが進んでいない状況です。特にSaaS企業はエンタープライズ志向になっていくので、この格差が広がっていくと捉えてます。

桐谷:これまで我々が取り組んできたこととして、「DXアドバイザー」というものがあります。Chatworkが提携を結んでいるサービスや、プロダクトをソリューションとして「Chatwork」の既存ユーザーの課題に対して紹介するという取り組みで、一定のお客様にかなり喜んでいただいております。
ただ一方で、これだけでは中小企業のDXを推進することが難しいとこの1〜2年感じていました。人手不足や、オペレーション設計ができないという課題に対して、我々が直接裏側に回って改善した方が早いのではないかというところがBPaaSの着想です。

ユーザーとは「Chatwork」で繋がっていて、「業務をお願いしていたら勝手にDXが進んでいた」という世界観を目指しています。ですので、SaaSだけではなかなか解決が難しい領域をBPaaSという形で業務提供することにより、本質的なDXを実現するということが、BPaaS事業に行き着いた背景になっています。

桐谷:現在、ビジネスチャットの普及率がキャズムを迎えています。これからマジョリティー市場に入っていくにあたり、プロダクトやサービスが普及をしていく形になると思っています。ただ、ITに対する知識の差や投資体力というところでサービスを使いこなせる会社と使いこなせない会社が出てくると捉えています。ですので、このマジョリティー市場をBPaaSと組み合わせて、業務プロセスごと巻き取り、お客様の代わりに我々がSaaSを使いこなしてDXを推進するということが、大きな戦略の一つになっています。

桐谷:我々が取り組むBPaaSは、BPOだけを行うという訳ではなく、SaaSやRPA、AIなどを組み合わせることによって、自動化する部分を圧倒的に増やします。そうすることによって、中小企業に対して、アウトソーシングを提供しても事業が成り立つと考えています。業務タイプに関しては、まずはバックオフィス系を中心に広げていこうと考えています。チャットを通じてやり取りする中で、「こういう業務をお願いしたいです」という要望に対して、労働集約的に人が対応する部分と、自動化する部分を組み合わせて、我々がSaaSを活用していきます。士業などの専門性の高い分野に関しては、専門家と連携をして対応していこうというのが現時点での想定です。

桐谷:昨今、話題のAIの急激な進化と「Chatwork」の可能性についてですが、我々が持つ大きな強みとしては、実際の業務に使われるテキストデータや、誰がどんな発言を過去にしていたかといった、自然言語の文脈を捉えられることが非常に大きいと考えています。ChatGPTも含めて、世の中の様々なプロダクトやサービスのUIの多くがチャットに寄ってきていると感じているので、我々もこの自然言語処理の発達を踏まえて、チャットで実際に依頼をして裏側で人が対応する部分と、AIで自動応答できる部分を分けていこうと考えています。

【第2部】Chatwork社員によるパネルトーク

テーマ1:BPaaSとは!?

ーーまずはPoCについて教えてください。

桐谷:その前に、僕もたくさん事業を作ったり潰したりしてきた経験があるので、その辺りのお話もできればと思います。

PoC(Proof of Concept)は概念検証と訳されると思うのですが、どちらかというと、「このサービスって本当に売れるのか?ビジネスとして成り立つのか?」というところに踏み込むことが重要だと捉えています。過去の事業立ち上げも全てそういったプロセスでやっています。

実際にお客様に提案していくらだったら買っていただけるのか (PoCなので実際は無料で提供するのですが)、いくらだと活用し続けていただけるのか(有料の継続契約が取れるのか)、など事業検証しています。事業をグロースさせることが大前提になるので、1社だけに刺さるのか、それとも汎用的に他社に提供しても喜んでいただけるのかということも意識しています。

BPaaSのPoCもその概念に則って進めました。BPaaSの話が出たのは去年の夏から秋口ぐらいだったのですが、「こういったやり方が多分できるよね」という算段がついたタイミングでワークフローを作り、システムを組み込んでBPOとして受けたらどうなるかという検証を2〜3社に依頼して実施しました。

小野寺:一番はこのサービスが売れるのか、価値提供をして本当にお客様が喜んでくれるのかといった、ニーズのあるなしを手触り感ある状態で探すということが大事になります。今回進めたPoCは仮説がいくつかあったので、テスト的に実装したものをお客様に触っていただく形で進めていきました。その中で活用方法や価格設定など、事業の表面的なところの議論を進めていき、このままだと導入に至らないかもしれないといった落とし穴を見つけることもできました。

例えば、BPaaSでは人力でオペレーションを回すところと、SaaSなどを連携して効率よく回していくところがハイブリッドになっています。テックを活用して完結できればいいのですが、我々のメインターゲットである中小企業やITに馴染みの薄いお客様だと、導入はできるけれどその後の活用へのハードルが高いという落とし穴があります。そこでお客様からフィードバックを何回もいただいて、「こういう形だとどうですか?」「別の方法であれば導入いただけますか?」というところをお客様と話します。その情報を元にスピーディーに仮説検証を回すことが重要だと思っています。

イベント中の様子(DXソリューション開発部 小野寺)

ーーお客様と会話する中で、どういう声が多かったのでしょうか?

蛭田:中小企業のお客様でも従業員数が数名から50名、100名、300名とバラバラなのが現状です。先ほど小野寺からも話がありましたが、お客様によってツールやサービスなどの導入状況も違うので、我々も現状把握をするために業務をお手伝いさせていただいています。お客様との会話の中で入り方を探っている状況です。

桐谷: PoCの進め方で言うと、「バーニングニーズ」と言われたりしますが、本当に解決しないといけないペインはどこなのかを捉えにいくことがすごい重要だと思います。僕らの場合は、広くアンケートみたいな形で多くのユーザーから最大公約数を集めてくる方法と、N1としてPoCの中でお客様からの声をいただくところを両方実施しました。

そこで見つかったことは、アウトソーシングを活用したことがないという中小企業が多いことです。何故かというと、一定のボリュームがないとアウトソーシングを引き受けてもらえないからです。例えば、月30時間以上のボリュームがないとだめというように、一部の作業を頼みたくても、一定のボリュームがないと依頼できないといったことが分かりました。
ですので、僕らは月10時間といったミニマムのボリュームでも依頼可能な設計にしています。

また、他社に委託をするために指示を出さないといけないけど、マニュアルを作成するのが面倒という声もあったので、僕らがマニュアル作成から行い、もう一段、深く入り込みにいく営業プロセスやサービス設計をしました。こんな形で深掘りする部分と広めに取りにいく部分を両方実施することで、本当に欲しいものがどこなのかを見つけることができると思います。

ーーPoCからリリースするまでの期間はどれくらいで想定されていたのでしょうか?また、ニーズを回収していくプロセスはどういう設計をされたんですか?

小野寺:アンケートやお客様とお話をさせていただく中で、「いけるな」という感覚が確信に変わってきたので、すぐにリリースに向けて動き始めました。ただニーズがあることは分かって、売れるイメージもついていたのですが、次にこれを「誰がやるのか」「どういうスキルセットの人がいれば回せるのか」といった情報整理や採用活動はとても大変でした。

リリース後は、お客様にご紹介させていただく機会が多くなるので、我々として想定していなかった業務依頼が発生したりもします。その中で、多くのお客様がつまずくポイントを早期に発見して、サービスの切り出し方を変えてみたり、より具体の話まで商談時にお伝えできるように準備を進めたりということを、リリース後のタイミングで意識していました。

ーーリリース後含めて、想定していた顧客からの反応とリアルで声を聞いたときのギャップはあったのでしょうか?

蛭田:正直、厳しい声をいただくことも多かったです。何から手をつければいいか分からない中で、数多くバリエーションのご相談をいただくこともあれば、すぐに対応してほしいという形で相談をいただくこともあります。具体的な依頼内容としては、実務ベースで改善してほしいという場合もあれば、リモートワークのスタイルを自社で実装したいというような上流工程の相談など様々なので、その辺りは実際にお声を聞く中で肌感を掴むことはできたと思います。厳しい声をいただく場合も、お客様としてすぐにこの状況を解決したいという思いが根本にあるので、そういった声をいただく中で、感触が掴めてきているのは非常にありがたいです。

小野寺:お客様に説明する際に、BPaaSという話はせず、お客様の課題ヒアリングをして、そこから解決するという至ってシンプルな進め方をしています。最初は労働集約的なご依頼でもまずはお引き受けし、BPOとして活用していただくことをメインにしています。

ただ、BPOとして活用いただく中で、より業務効率化できるポイントに関しては、お客様に直接お伝えしています。そうすると「確かにそうだよね」という反応をいただくこともあるので、そこを起点として、DXに対しての意識が前向きになっていくというのを感じています。まさしく我々が想定していた、BPOで作業を巻き取り、内部で効率化してDXを進めていくということに対し、お客様から主体的に「あれをやってほしい」「こういう自動化できないのか」といった形で姿勢が変わってくると、我々としても楽しいですし、価値をしっかり提供できているんだという気持ちになります。実際、Chatworkにご依頼いただいたことがきっかけで、DXをやらなきゃいけないと意識が変わったお客様もいらっしゃるので、そういった意味でも我々の存在感や価値が浸透してきていると感じています。

ーー現状、感じている課題感やチャレンジしていきたいことはありますか?

桐谷:今のところ順調に立ち上げができていると思っています。現状、業務プロセスに入り込んでいくと、「他の業務もやってくれませんか?」と追加オーダーをいただける状況ですので、一部の業務からDXをして、全社的なDXに繋げることで売り上げを積み上げることが重要になります。1社あたりの売上単価を上げることや、顧客数を増やしていくといった構造をいかに広げられるかが、一番の課題だと思っています。ここが大きくなれば、裏側でAIやSaaSを組み込んでシステム化・自動化をすることができます。システム化・自動化をすることで利益率を上げることができるので、実際にシステム化は一部始まっているのですが、どうやって拡大させていくかということが今後のポイントです。

よく中小企業に対して、BPOやアウトソーシングを実施すると利益が出ないと言われるのですが、我々がビジネスにできる理由が3つあります。1つ目が、「Chatwork」のユーザーと既にチャットで繋がっているということです。セールス、マーケティングにかかるコストが比較的少ないので、かなりアドバンテージとなっています。2つ目は、業務プロセスのやり取りをするにはコミュニケーションが必須になるのでチャットへの繋ぎこみが重要になります。我々の場合、独占的にこの取り組みができるポジショニングという点が強みとなっています。3つ目が肝になるのですが、大手企業のBPOだと一定ボリュームが多いところをカスタマイズしてコンサルティングした上で、クライアント独自のプロセスを構築する形になります。我々の場合は、「コンサルティングはしない」くらいなことを言っているので、型を作って、後は導入していただけるかどうか?というような、横展開をしていくという構造でやっています。

テーマ2:事業開発の面白さ・魅力とは!?

イベント中の様子(DXソリューション開発部 蛭田)

ーー特に大変だったこと、苦労したことは何ですか?

小野寺:まさしく我々が今取り組んでいる「BPaaS」もそうなのですが、売上の積み方やサービスのグロースのさせ方の選択肢が多いということです。マーケティング手法一つ取ってもそうですし、サービスの価格設定なども無限の選択肢があるので、その中で、当たりどころを効率よく見つけることが非常に苦労する点だと思っています。

この点は「BPaaS」立ち上げの際にもすごく苦労しました。自分自身ではいけるイメージがあっても、他のメンバーとイメージがずれてしまっているケースも多々あるので、時間をかけて擦り合わせをしました。ただ最終的には、お客様からフィードバックをもらう方が確実なので、自ら足を動かしてヒアリングしにいくことが大事だと思います。この辺りは大変だけどやらなきゃいけないことなので、やりがいにも繋がるところだと思ってます。事業開発はキラキラしていると見られることもありますが、泥くさいことが多いです。

蛭田:今苦労していることは、お客様の業務を可視化して、業務プロセスを分解してボリュームや難易度を下げることができるポイントを特定することです。そこからどうやってお客様に入り込んで作業を自動化することができるかというところはすごく難しいですね。ただ、苦労とやりがいは表裏一体なのでめちゃくちゃ楽しいです(笑)。

桐谷:メンバーから「きついです…」と言われることとかはよくあります(笑)。ただ、やってみなきゃ分からないことも多いので、これも成長機会と捉えています。基本的にBizDevや事業開発はやったことがないことにチャレンジする仕事なので、「分からないけどやってみよう」という感じで、自由度が高く、チャレンジ幅が広いところがセットになると思います。ある意味、そういった点があるから楽しみながらやれるのかなと思います。

ーー事業開発として、必要な素養やスタンスはどういったものになるのでしょうか?

桐谷:キーワードとして、ネガティブケイパビリティと言ったりするんですが、曖昧なものや決まってないものに対して、その場で正解に飛びつかず、そのままにしておく力が重要だと思っています。事業開発としてはこの力を持っていないとしんどいと思います。というのも、上流になると3年後・5年後に答えが分かりましたみたいなことが平気で起こるので、この辺を真面目にやりすぎてしまうと、しんどくなるかなと思います。決まってないもの、分からないものに対して曖昧だけどこのまま進みましょうとできるかどうかは、重要なスタンス・素養だと思います。

ーースキル的な観点ではどうですか?

桐谷:セールスが一番得意、マーケティングが一番得意、みたいな話はあったりするんですが、共通言語としてプロダクトのことが理解できて、法務の知見もある、いろんな人と会話ができる共通言語を持ってるか否かというところは、スキルとして重要だと思います。あとは、経営視点も重要だと思います。ただ、僕的に一番重要だと思っているのは、セールススキルです。物を売ることのできるスキルはとても重要だと思います。プロダクトを作るにしてもマーケティングをするにしても、まずは現場に出て、自分で売れるようにならないと広げられないので、ナンバーワンでセールスができるか、セールスをする中で見つかってきたものをプロダクトに返すことができるか、といった点は企画を作るだけじゃ絶対できない領域なので、この辺を怖がらずに現場に出てガンガン売れることは、事業開発としてかなり重要ではないかと思っています。

ーー事業開発のやりがい・醍醐味を教えてください。

蛭田:手触り感を持って、自分で実際に動くことができますし、そこに付加価値をつけたり、変数を加えたりすることも自分自身で意思決定できるというところが醍醐味だと思っています。

小野寺:私は事業開発を子育てに例えることが多いのですが、産むときから育って成長して、いつしか自分が見ていなくても勝手に成長していくプロセスを見れることはとてもやりがいになっています。最初は僕らが現場に入り込んでオペレーションを固めなきゃいけなかったり、決まってないことをそのままにしながら自走していかなきゃいけないので、きついときも多いです。ただケイパビリティもリソースも全然足りてない状態から、いつしかこれが組織的に上手く回っていくようになって、段々、組織内が好循環で回ることによって売上を作っていけるように変わっていきます。産む前の状態から成長過程まで全部見れるのは事業開発しかないので、これが一番のやりがいだと思っています。

桐谷:今の例えがすごい秀逸だなと思いました。組織や事業が大きくなってくると、自分が触れなくなってくるので、割と寂しかったりします。急にセールスしたくなったりするので、僕自身もいまだにインサイドセールスとして電話したりしてますが、この例えがすごくいいと思います。

僕は結局、人が大事だと思ってます。ゴールデンタイムと言ったりするんですが、事業が上手くいっていて、掲げているビジョンや戦略が美しければ優秀な人が採用できます。もちろん社会に対しての価値貢献や、お客様に喜んでいただくことは重要なのですが、本当に優秀な人たちと思いっきりグロースする瞬間にぐちゃぐちゃになりながら一緒にやれることは人生の中でも素晴らしい瞬間だと思うので、この瞬間のためにずっと事業開発をやっているんだろうなと思っています。

QAセッション(一部抜粋)

ーーBizとTechの連携で困難なポイントはありましたか?また、どのように解決されましたか?

桐谷:BPaaSの場合、ジョブごとに分解をして、オペレーションを作り、それが共通化されてシステム化できるというプロセスなので、その業務オペレーションを楽にするシステムを作る≒業務オペレーションを作ってその後にSaaSを作って販売ができるプロジェクト開発の要件定義をしているようなものなのでかなり難易度が高いと思っています。

なので、オペレーションの型化をお客様と話しながら作っていくっていうところが重要だと思っています。ただ一方で、目の前のお客様だけに刺さるものを作ると他の会社で転用しづらくなるので、最大公約数をどう捉えるかみたいなところは難しいです。

小野寺:お客様が課題だと思っている業務内容を、作業単位、タスク単位で理解することが重要です。例えば、健康診断や年末調整でも、中小企業の方がどの用紙に何を書いていて、それをどのようにチェックをしているかなど、本当に細かいところも理解しなければいけないと思っているので、先ほどお話しさせていただいた通り、お客様の作業に僕たちが深く入り込んで、実際に手を動かして理解をする。そしてキャッチアップすることが非常に重要だと思っています。BizとTechを繋げるにはこれができていないと難しいと思います。

ーー普段、どんなインプットしてますか?

蛭田:ニュースは広く浅く見ています。私はBPaaSの中でも、導入〜構築・運用サポートのような現場レベルを見ることが多いので、テクノロジー化する中で、やってはいけないことや、どうすれば上手く連携できるのかなど、業務に関連したテクノロジーの情報や変化をキャッチアップするようにしています。

桐谷:僕の場合、特殊かもしれないですが、ニュース・新聞などは一切見ないです。世の中的には一次情報を取りにいきましょうと言われるのですが、幅広く色々な業界ビジネスモデルや技術の話を取りに行こうとすると時間がなくて不可能だと思います。なので、信頼できる人の二次情報をキャッチアップすることが一番効率がいいと思っていて、その中の具体的な方法としてTwitterを使ってます。色々な人をフォローしておくとトレンドが分かったりするので、そこから初めて一次情報を取りに自分で検索をしたり、本を読んだり、詳しい人に話を聞きにいったりしています。

小野寺:僕はどちらかと言うと広くインプットをしているかなと思います。我々と同じような思想を持っていたり、SaaSですごく伸びている会社さんの決算情報をめちゃくちゃ見ています。本も結構読むのですが、事業開発で役立つフレームワークだったり、組織的な話をインプットしています。桐谷からお伝えした通り、一次情報を全部集めてくるのはきついので、YouTubeなどで気になるテーマの動画を見たり、セミナーや講演の動画を見たりしてインプットすることが多いかなと思います。

ーーAIで今後どう変わっていくと思いますか?

桐谷:Chatworkはめちゃくちゃ面白いポジションだと思います。僕自身、前職がAI関連の会社だったので、必ずAIの時代が来るということが分かってました。自然言語処理の世界が必ず来て、テキストデータを持っている会社が勝つと思っていたので、中小企業を顧客としてたくさん抱えていて、ビジネスチャットを持っているChatworkはめちゃくちゃ面白いと思って、入社を決めました。

なのでChatworkとしてAIの時代が来ることはめちゃくちゃ追い風で、恐らくボーナスステージみたいなところに入ると捉えています。というのも、テキストを自然言語処理するというブレイクスルーが起きているからです。皆さんが日々使い慣れていて、アクティブに活用するチャットサービスをtoBで持っている企業はほとんどないので、これからすごいゲームができるという感じになっています。

AIの普及でいうと、技術的に人がやるよりAIが上回っている点が全然あったりします。まだまだ世の中に広まりきってない理由は、人がやった方が安い領域が多いからです。なので、ある程度の専門性がないと難しい仕事からAIに代替されていく可能性が高く、その専門領域のデータを持っているかつ、テキストデータとして持っている企業に優位性があるのではと捉えています。それをChatworkはめっちゃ持っているので、すごい話になるかなという感覚があります。


最後に

いかがでしたでしょうか?「BPaaS」は世の中的にまだまだ認知がされていないからこそ、圧倒的なスピード感で仮説検証を回して成功に辿り着くまでの道筋を探しているフェーズということで、まだまだチャレンジングな環境なんだなという理解ができ、僕自身もワクワクしました。

特に印象深く感じたポイントが、「ChatworkがBPaaSを推進することで日本の社会課題を解決できる可能性があり、AI時代が到来した際にはさらにチャンスが広がる」ということです。ここまで社会貢献性が高く、やりがいの感じられる企業はなかなかないのではないかと思います。
Chatworkではまだまだ一緒に働く仲間を募集しています。少しでも一緒にチャレンジしたいと感じられた方は、ぜひご応募ください。

事業開発チームのメンバーとともに、心よりお待ちしています!(キャリア登録やメルマガ登録もお気軽にどうぞ!)