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「絵を描く」とは違う!キャラクターデザインのつくり方|サタケシュンスケ
KUAイラストアドベントカレンダー、12月20日はイラストレーターのサタケシュンスケ先生から『「絵を描く」とは全く違う!キャラクターデザインのつくり方』です!
こんにちは、イラストレーターのサタケシュンスケです。通信教育部イラストレーションコースではキャラクターデザインの科目を担当しています。
これまで、企業や組織、団体、個人の事業や活動のために多くのキャラクターを制作してきました。
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クライアントが持つ課題をヒアリングし、要望に応じて、いろいろなモチーフや表現を使い分けながらカタチにしていきます。
他者とのやり取りを経て作り上げていくという点に置いては、オリジナルのキャラクター制作(自作)にはない、難しさと面白さがあります。
今回は、これらのキャラクターがどのようにして生み出されたのかを解説しながら、アイデアの引き出し方や、デザインする上でのヒントになるようなお話ができればと思います。
「絵を描くこと」と「キャラクターデザインすること」は似ているようで違う
まずはじめに、ここで言うキャラクターとは何かという定義を示しておかねばなりません。イラストレーションコースの教材の中でも触れている部分です。学生のみなさんは予習・復習のつもりでご覧ください。
キャラクターが成り立つための条件として3つ挙げます
1. 擬人化やデフォルメを介して表現される
2. 性格や特徴を与えられている
3. ストーリーがある
過去に制作したキャラクターを使った図説を御覧ください。
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この3点を押さえたものを、本記事上ではキャラクターと呼びます。単に絵を描くこととは違い、キャラクターとはデザイン、つまり設計の上に成り立つ存在であることを意識する必要があるということです。
デザインを考える上でのアイデアの引き出し
手を動かしてカタチを描き出していく前に、考えておくことがあります。クライアントとのやり取りの中で、下記のポイントについて整理をしておきましょう。
1. 目的や課題の洗い出す
→ なぜキャラクターが必要なのか
→ キャラクターを使うことで何をどうしたいのか
2. ターゲットや使用シーンの設定
→ 誰にどこで見てもらうためのものなのか
→ キャラクターにどのような役割を与えるのか
3. キャラクターを生み出したその後をイメージする
→ どのようにして認知を広げていくのか
→ ぬいぐるみや気ぐるみ、グッズ展開などを想定
→ 使用規約などを作成し、適正に管理できる体制を整える
などなど。多くの場合、これらのことを考える過程で方向性が見えてきます。事前にしっかりとイメージを固めた上でようやくカタチづくりに入る、ここからもうデザインは始まっているわけですね。
いざカタチにすると言っても何から取りかかればいいのか分からない…!ことがありますよね。
そんな時ために、私の場合はあらかじめいくつかのパターンを用意しておいて、まずはそれに当てはめるてアイデアを出していきます。
こちらも実際に制作したものを例に挙げながら説明します。
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まずはじめに思いつきやすいパターンです。キーワードやモチーフを組み合わせたり掛け合わせることで、独自性を生み出します。
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キャラクターに与える役割から連想ゲームのようにしてイメージを膨らませます。なぜこの見た目なのかということに説得力を持たせることができます。
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動物などが持つイメージを重ねることで、見た人になんのキャラクターなのかをわかりやすく伝えます。例えば知的なイメージならフクロウ、サル。子育てイメージならカンガルー、など。
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商品やサービスで一番言いたい部分を目立たせるようにすることで、ひと目でインパクトを与え印象に残るようにするのが狙いです。
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まだ世の中でほとんど見かけないモチーフをそのままキャラクターにすることで、差別化になりニッチな層への訴求にもつながります。
このように、どんな切り口でアイデアを練るかによって生まれてくるものは大きく変わってきます。こうした考え方を持つようになると、世の中に溢れるキャラクターが生まれるまでの経緯や狙いなどを、これまでよりも深く感じることができるようになるのでオススメです。
アイデアをブラッシュアップし完成させる
目指すべき方向性や、ぼんやりとカタチが見えてきたらあとはひたすらに描く作業になります。ちょっとしたバランスの違い、見せ方の違いで、イメージは大きく変わりますので、なるべくたくさんのバリエーションを制作します。
まずは大ラフとして、ゆるく描き出していきます。この時、表情や動きも合わせて考えるとより具体的なイメージが出てきやすいです。
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大ラフ(1)とは少し見せ方に違いを付けたバリエーションも描きます。線の表現だけでもこんなに印象が変わります。
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クライアントとのやり取りを経て、徐々に目指す方向が定まってきました。ここからは部分的なバリエーション作成になります。
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キャラクターは特に目の印象力が強いので、サイズ、バランス、白目のありなしなど、慎重に検証を重ねます。
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身につけるアイテムひとつとっても、頭の中だけで考えるのではなく全て描いて、並べて、見比べるようにしています。
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ここへ来て、もう一度体の色の見直しです。場合によっては迷ったら大きく戻ってみることも大切です。
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こうして基本のカタチが決まれば、あとは必要に応じて4面図や6面図、ポーズバリエーションなどを制作し、完成となります。
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このように、制作を進める中でクライアントとのやり取りや検証を重ね、ブラッシュアップしながら作り上げていくのです。
手塩にかけた分、愛着が湧き、生み出されたその後も大切に扱われることにも繋がることだと思います。
以上、いかがでしょうか。
キャラクターデザインの奥深さが伝わり、興味を持っていただけましたら幸いです。また、ご自身がデザインをされる時には、このページを見てなにかヒントを得たり、力になれましたら嬉しいです。
プロフィール
サタケシュンスケ
イラストレーター
京都芸術大学通信教育課程イラストレーションコース 講師
https://twitter.com/satakeshunsuke
著書情報
【1/15〜3/30】Web出願受付中!完全オンラインでイラストを学びながら大卒資格を取得
京都芸術大学 通信教育部 イラストレーションコースが、2024年春入学の第4期生の出願受付を開始しました!
![](https://assets.st-note.com/img/1705368572939-aAdDbOH8O2.png?width=1200)
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