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当たり前の日々から、ときめくものを探す

KUAイラストアドベントカレンダー、12月21日はCoccoLemon先生から『当たり前の日々から、ときめくものを探す』です!



京都芸術大学 アドベントカレンダー21日目を担当するCoccoLemonです。
今日は日常からのインプット方法、というテーマでお話しさせていただこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


情報(インプット)をアイディア・個性に変えるには

皆さんは普段どのように日々インプットを行い、アイディアやモチーフを考えていますか?情報が溢れる昨今、自分ならではのアイディアを探すのはなかなか大変ですよね。

アイディアやモチーフは、普段その人が何を考えているのか、何に面白みを見出し、惹かれているのか、とても個性が表れやすい箇所だと思います。

検索すれば綺麗でセンスのある写真やイラストを簡単に見られる時代ですが、誰でも簡単に情報が手に入るからこそ、個性を見失いやすいとも感じています。

例え情報を手に入れても、体得して作品にするのは難しいもの。

見て描ける。けれどなんだか、自分の心身とつながりが浅い感覚です。

対価(お金や時間)を払い、実際に体験したことでなければ、情報(インプット)をアイディアや個性に変えることはなかなか難しく、技術が必要なことだと感じています。

私は主に日本ではない外国の風景や人物、果物や植物をモチーフにすることが多いのですが、今回は、そこに至るまでのイラストの遍歴と、体験とモチーフの結びつきを紹介させてください。

『いいな、好きだな』+『自分に深く浸透するもの』を探す

私は小さい頃から海外への憧れが強く、海外の映画を見たり、外国の人と交流したりするのがとても好きでした。理由は、小さい頃習い事で交流した海外の方がとても可愛がってくれたこと、遊んでくれたことが大事な思い出としてあるためです。

また、言葉が通じる瞬間がとても好きでした。海外で生活してみたい、外国の文化が知りたい、こんなところへ行ってみたい……。そんな気持ちを込めて絵を描いていました。

ですが、コロナがきっかけで海外渡航を制限されてしまい、海外旅行に行きたい、誰かと交流したい!という憧れを見失うことに。暗いニュースも多く、なんとなく心が塞ぎがちになり、自然と自分の身近にあるモチーフに惹かれるようになりました。

男女がコーヒーを飲んでいるこのイラストは、「ホッと一息つける時間を大事にしよう」「今ある時間を大事にしよう」と思いながら描いたものです。

また、特に身近にあるものに目を向けるきっかけになったのが、今年の夏の祖母の逝去です。最期の時に間に合わず、何も感謝を伝えられないまま祖母が旅立ってしまったことに今でもとても後悔が残っています。ですが、祖母が畑で作っていた無花果などの果物をスケッチすることで、少しずつ自分の心に落ち着きが出てきました。

こちらのイラストは、そんな過程から生まれた作品『無花果畑で待ち合わせ』です。

まず考えたのが、特徴的な無花果の実と葉っぱの形を活かしたイラストにしようということ。少しグロテスクな実の赤と深い紫の皮の部分が魅力的なので、メインカラーは赤色と紫色に。旬の秋口をイメージした色味になるよう、彩度は全体的に落ち着いた色にしています。メインの無花果の色を補うよういろんな色を使い、単調にならないように仕上げました。

葉っぱに覆われている(囲まれている)ような構図ですが、デザイン的に美しく安定感があるため、このような構図をよく使用します。一番先に目に見て欲しいのは無花果なので、中心に女の子はいるものの、上部の無花果だけ彩度を上げ、女の子の服装はモノトーンで抑えました。

この絵も、私自身が体験してきたことに紐づいているモチーフ。無花果を描くことで祖母を思い出し、自分を癒しているのだと思います。

イラストに猫が登場するのも、昔猫を飼っていたことがとても大事な記憶としてあるから。海外に行きたいという憧れと、どうして海外が好きなのかという理由も、私自身に深く根付いている、自分が大事にしているモチーフです。

情報(インプット)+自分自身の過去と深く結びついているアイディア・モチーフは愛情を込めやすく、流行りとも違う魅力を引き出せると感じています。

最後に

まだ触れたことのない新しいモチーフに挑戦することはとても大事で、ぜひ飛び込む気持ちを大切にして欲しいと思います。けれど、思い出の中にも大切なモチーフがたくさん転がっており、愛情を込めやすく、より良い魅力を出せることもあるでしょう。

また、季節の自然のモチーフは取り入れやすく、また忙しい現代の人ほど季節の進みにハッとできる、心に届く絵につながるのではないでしょうか。

わたしもまだまだ模索する日々ですが、色んなことを体験し、自分の心の豊かさと絵の面白みに繋がっていけばいいなと感じています。参考になったら幸いです。


プロフィール
CoccoLemon

専門学校で商業イラストを学び、卒業後 デザイナー勤務を経て2018年よりイラストレーターとして活動開始。豊かな色彩を生かし、柔らかく暖かみのあるイラストを目指している。
主な実績は ホットペッパービューティー 誌内カットイラストなど。
植物、動物、女性を好んでモチーフに選ぶことが多い。趣味は植物を育てること、お茶を飲むこと。
https://twitter.com/Cocco_lemon/media



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