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ビジネスでけもの道を歩く: 目に見えない壁を如何に壊すか

この一年を振り返ってみると、データ分析以外にもいろんな経験を積めた年だったと思いました。ピープル・アナリティクスをテーマにした活動の中で、チームマネジメントを軸に研修講師、アドバイザリ、企画と仕事の幅が広がりました。

こうした機会に恵まれたのも、今の環境があってこそだと思います。
仕事でお世話になった皆さまにはあたらめて御礼申し上げます。

さて、こうして書き出してみると相変わらずけもの道を探索しているんだなと思いました。組織としてカチッと定められた活動というよりも、新しいビジネスを開拓するために試行錯誤を重ねているからです。
組織人としての活動とはいえ、新しい分野・仕事に踏み込めるというのは大変幸せなことで、こうした活動こそが自分自身の動機付けになっている気がします。

その一方で、けもの道には地図がないので探索するのはとても大変です。数メートル先が見えない霧の中を走りながら微かな手掛かりを探すようなものですから。ただ、その霧というのは自分の知見・経験が足りないから霧に見えているにすぎないのかもしれません。

もしかすると競合となるプレイヤーは10歩も100歩も先に行っているのではないか。そうではなくて、もしや自分は可能性のない行き止まりでもがいているだけではないか……。

たまにこんな風に感じられ、焦りを感じることもありました。

私がこのような不安に駆られるときは、大抵は自分の目が「外の目」に向きすぎていることが多いです。外の目というのは目の前のプロジェクトとは直接関係がない社内・社外のプレイヤーのことで、言わば自分自身で作り出した壁といってもよいかと思います。

自分で壁を作って悩んでいるわけですから滑稽です。
本来けもの道には道しるべもなければ壁もありません。まして、そこにかかっている霧は壁が作り出しているわけではないので壁と戦ってもあまり意味がないでしょう。

しかし、この壁を認識することの難しさもさることながら、気づいたとしてもそこから抜け出すのはなかなか大変なことです。運よくこの壁を自覚できたときには、その壁を壊すために自分なりの工夫をしてきました。

例えば、目の前の仕事に集中する、課題の本質に目を向ける、明るい未来を議論する、霧の中で武器を拾う、本を大量に読むなど。これらの工夫はどれもプロジェクトや仕事に没頭することを意味していて、外の目を払いのける効用がありました。

ただ、こうした工夫をしてもうまくいかないこともあります。例えば、自分で作り出した壁が実体化しつつあるときです。このように不安が現実になってきたときは、いくら集中力を高めても上手くいかないことが多いです。その壁に対して直線的に刃を向けても太刀打ちできないからです。

こうした状況こそ自分の本性が出てくる気がしていますが、私の場合は一旦内に籠る傾向にあります。例えば、只管歩く、好きな音楽を聴く、古典を読むなど、一人の時間を確保して自分の身体と対話します。これは無意識・無目的的なもので、自分にとってはとても大切な時間で欠かせないものになっています。

この一年を振り返ってみればこうした時間が結構あったなと思い出すわけですが、自分で好き勝手にけもの道に入っているので平常運転といえるかもしれません。

いろいろと思うことを書きましたが、何だかんだ楽しくけもの道を探検していることが分かって安心しました。もしかすると他の人にとって見れば簡単な道なのかもしれませんが、私にとってはそうではないので学びがあるわけです。学びがある道でなければ面白くない、というのが私の偽らざる本音です。


さて、けもの道を探検をしている一方で、次の基軸を作る時期に来ている気もしました。来年はもっと外の目だけでなく自分の目を気にしないで伸びやかに行きたいと思います。

みなさん、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。


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