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生産管理#2 スループットとは

こんにちは。
ku#26です。

スループット。
生産管理に携わった人なら誰でも一度は聞いたことのある言葉だと思います。
今回は、その定義から、実務に落とし込むまでのプロセスについて、差し支えない範囲で自分の経験を基に書いてみたいと思います。

まだまだ勉強不足で恐縮ですが、頭の整理と思って書きますので、至らない点があれば一笑に付して頂けますと幸甚です。

○スループットの定義
・元々はIT分野の言葉で、「単位時間辺りの処理量」を指す。
・生産管理の基本理論である制約理論(TOC)では、評価指標として用いられ、以下の式で示す。
・スループット = 売上高 - 真の変動費
・ここで言う真の変動費とは、光熱費や輸送費など実際にモノを作る費用を指し、減価償却などは含まない。

○もっと分かりやすく言うと
・モノは、ある材料 や原料から作り、製品として出荷して、お客様に買ってもらって初めてお金(利益)を生む。
・逆に言うと、製品として出荷する(売る)までは、その間の工程で如何に安く早く大量に作っていようとも、どこか別の工程で長く留まってしまっていたら、全くお金にならない。
・だから、モノを作り始めてから売るまで、全体として、どうしたら一番早くなるか考えましょう。という考え方なんですね。
・カッコいい言い方をすると、「全体最適>部分最適」ということです。
・これは、短期的な目線じゃなくて、長期的に考えなさい、ということも指していると思います。

○どうやって実務に落とし込むか?(自分の例)
・僕は、製鉄所に勤務していた経験があります。
・そこでは、重厚長大な鉄鋼製品を、鉄を溶かし鋼にする上工程から、鋼を製品形状に圧延する下工程まで、大きく2つの製造プロセスに分けて生産管理を行っていました。(本当はもっともっと細かく分かれますが)
・その中でも、僕は下工程と呼ばれる工場の生産管理を担当していました。
・いつも悩んでいたのは、上工程と下工程との製造ロット(※)の差、そして連続自動ラインとバッチ(間欠)ライン(※)との製造サイクルの差でした。

・勿論、前任者や上司は解決への道筋を立ててくれていました。ただし、経済が常に変化する以上、製造業を取り巻く環境が一定、ということはあり得ません。
・逆に言うと、変化する状況の中で、常に先を見据えて最適解を模索することが必要であり、幸運なことに自分は、工場のオペレーターの皆様と一緒になって、毎回毎回異なるピンチに対して、話しを聞き、改善案を提案しながら乗り越えてきました。

・具体例に意識していたのは、スループットの教えから学んだ以下二点に加えて
①出荷基軸で考えること
②中長期的なレンジ(月次、年次)で考えること

・最も大事にしていたのは現場を預かる責任者としてのバランス感でした。即ち
③それらがお客様目線から見ても、現場のオペレーターの皆様の目線から見ても、どちらもバランスが取れているか考えること
→この3点を忘れなければ、結局は上手くいっていた様に思えます。事実、スループット最大化に資する多くの改善を果たすことが出来ました。

(テクニカルな話を少しだけすると、ボトルネック(※)の前工程で、次工程のアイドルタイム分の在庫を効果的かつ機動的に準備する見通しの立て方と、それらを都度、軌道修正する仕組みを整えることが有効です。他にもKPI指標の作り方と活かし方など書きたいテーマは沢山あるので少しずつ書きます)

○どうやって実務に落とし込むか?(まとめ)
・結局、スループットとは、僕が思うに万能の公式ではなくて、考え方のヒント、だと思うのです。
・なので、もしあなたがある工場や製造現場の生産管理を行う立場にいるのなら、まずはお客様と現場に詳しくなって下さい。
・その上で、出荷基軸と中長期的視点を忘れずに、最適解を模索すれば、自ずと上手く転がり始めると思います。
⇒最後 は、「人事を尽くして天命を待つ」ところまで準備できたら、こっちのものだと思います笑

以上です。
稚拙な文章と中身で恐縮ですが、ご指導ご鞭撻、またもしご質問等あれば、宜しくコメント下さい。

※ロットやらバッチラインやらボトルネックやら、知らない人から見れば専門用語だらけと思いますが、ニーズあればまとめて解説します。

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