縦ハンドルの手挽きコーヒーミルが欲しいのだ。
こんにちは。たまには欲しいものについて書いてみようと思い、ツイッターに書きかけていたことをこっちで書きます。
コーヒーの器具に関する話です。
コーヒー淹れてますか。
コーヒーを豆から挽いて淹れるの、とってもおすすめです。(唐突)
コーヒー屋さんに行って豆を選び、適量をミルに入れて粉にする。その過程で音や香りを味わいつつ、お湯を注いで豆の膨らみや泡立ち、滴る液体の色合いの変化を楽しむ。
そうした飲むまでの体験が、気持ちの切り替え、リフレッシュにちょうどいいのです。
抽出自体は簡単な作業なので始めやすく、器具の初期投資もそれほど大きくない、でも深めるとどこまでも潜れる底なし沼。
そんな楽しむコーヒーの、ミル(グラインダー)の話をしたいと思います。
いつものこと。
私は普段からコーヒーを家で淹れて飲んでいます。焙煎されたコーヒー豆を買ってきて、Kalitaのナイスカットミル(電動ミル)を使って挽いて、KONOの名門ドリッパーで淹れている事が多いです。
淹れて飲むようになったのは高校生の頃でしたが、毎日淹れるようになったのは大学生になってからでした。
このミルは大学に入って一人暮らしを始めた際に、母に記念として頂きました。
元々実家には旧型のナイスカットミルがあり、コーヒーは豆から挽いて淹れるのが基本でした。母は一時期喫茶店をやっていたらしく、その名残として豆から淹れるようになっていたようです。(お店はすぐ閉めたらしい。)
実家がそうだったので、コーヒーへのイメージは「苦い」というより「深い」という印象で、淹れる行為も「かっこいい」とか「手間・丁寧」とかではなく「そういうもん」だと思っていました。
なので一人暮らしを始めるにあたって、コーヒーを家で飲むならミルは欲しいよね。となり、豆の状態で買って、飲むたびに挽いて淹れるのが普通になり、それを今でも毎日のように繰り返しています。
手挽きミルのよさが最近沁みる。
コーヒーを挽いたり淹れる行為は、元々は飲むための儀式というか、必要な下ごしらえをしているような感覚で、特別意識をしているわけではなかったのですが、ある時ふと、手挽きのミルが欲しいなと思うようになりました。
今まで電動のミルばかり使っていたけれど、コーヒーを趣味として楽しむのであれば、手で振動や音を感じながら時間をかけるのが、落ち着くし最高なんじゃないか、と。
淹れるのはドリッパーを変えるとか、注ぎ方を変えるとか、そうした遊び要素がありましたが、ミルは挽目の調整が主な要素で、あとはスイッチを入れたり蓋を開け閉めしたりと言った感じで、粉のクオリティは満足でしたが、趣味としては物足りなさがありました。
そこで、まずは手挽きのミルがどんなものなのか知るために、Kalitaの手頃なものを買ってみることにしました。多分これ⇩
いつ買ったとか全く覚えてなくてあれですが、使った感想はとにかく「たのしい」でした。一応買おうとしている人向けにメリットとデメリットをあげるとすると
と言った感じになると思います。このデメリットが許せない人は他のものが良いと思いますが、こうした安定しないスマートじゃない感じが愛おしいと思える人は買ってみることをおすすめします。
家で趣味やリフレシュとして飲むのなら、毎回完璧に同じ味を出すよりも、みんなブレブレのほうが、なんだかわくわくしませんか。
とはいいつつ、買ってしばらくしてからは、再び電動ミルを使う機会の方が多くなっていました。理由は、電動ミルのほうが、コーヒーを飲むまでの一連の流れがなめらかだったから。
当時の慌ただしい生活リズムでは、コーヒーを淹れる行為がリフレッシュよりも活動のアクセルのようになっていて、そのリズムには電動のほうが合っていた、という話です。
そんなこんなで生活に落ち着きを取り戻してきたつい最近までは、コーヒーを淹れる際は電動ミル一択で、手挽きミルはインテリアのようにマグたちとともに並んでいました。
それが今月に入ってから、ふと手挽きミルの存在を思い出して久しぶりに使ってみたところ、「なんやこれ、めっちゃいいやん」と感動したことで、手挽きミル推しへの第一歩を踏み入れることになりました。
と同時に、電動と手挽きが両方ある場合にどちらを使うかで、自身のその日の気分を知れる事に気が付きました。
手挽きから電動に戻ったタイミングでは、毎日に余裕がなく、常に何かに追われていて、ほんとうの意味で落ち着くことができていなかった、落ち着く時間を作れていなかったのだと思い返しました。
そこで私は、「落ち着く」を作るためにも、毎日使いたくなる手挽きミルを探すことにしました。
縦ハンドルのミルってなんかいいよね。
手挽きのミルといえば、Kalita。ということで、やたら多くの種類を展開しているKalitaのミルの中から、気になるものを探してみることにしました。
その中で目に止まったものが、ダイヤミルという縦ハンドルのクラシカルなミルでした。
実際は見つけたというより、以前から認識はしていたけど、そこまで調べてなかった、という感じです。
このミルの特徴は鋳物であり重い(3.3kg)、縦ハンドルで回しやすい(回す回数は非常に多いらしい)昔からある製品(形が変わっていない)あたりだと思います。
個人的にいいなと思ったのは、底の部分なのですが、クッションがはられているものの、底が抜けていて、かつ机に釘などで固定できる穴が残っている点です。家庭で普通に使うのには関係ない部分ですが、喫茶店などで使用されていた名残が今も形としてあるところに惹かれました。
また、とにかく丈夫なのでメンテナンス次第では何十年も使えるというのも魅力だと思います。
と、ダイヤミルについて書きましたが、個人的にはこれだ!とはなっていませんでした。好きですし買いたい気持ちはあるのですが、もうちょっとこう、なんかいい感じの(???)というもやもや感があり、縦ハンドルのクラシカルなミルを他にも探してみることにしました。
探索中に見つけたモノ
このグラインダーもかなり気になったものの一つです。クラシカルではありませんが、なんといってもエスプレッソの細かさまで挽けるのはとっても魅力的です。また、類似の形状でハンドエスプレッソマシンがあるのも最高です。揃えて買わないほうが難しいのではないかとか思いました。
もうひとつ、近未来的なビジュアルで素敵なグラインダーといえば、これ。
現在ではHG-2という後継機種になっているようですが、かっこよすぎないか~って話題になった当時思いました。こちらもエスプレッソに対応したグラインダーです。
製作者は元アップルのエンジニアの方なのですが、日本在住で、イケてるコーヒー器具をたくさん作っています。素敵な生き方をされているのでお時間ある方は読んでみると気づきがあるかも。
これ!ってやつを見つけた。
そうしてさまよった結果見つけたのが、イタリアのメーカーTRE SPADE の MC 140V という手挽きのミルです。
100年前から変わらないデザイン、魅せるギミック、ダイヤミルより存在感のあるサイズ(5.6kg……)、懐かしのかき氷機を彷彿とさせる重厚感。ひと目見て「これほしいなあ」と思いました。
ハンドルの位置が高く、ダイヤミルより余裕を持って回せそうなことや、粒度調整の方式がひと手間かかるタイプであったり、下の木の板を外してカウンターなどに付け替えることができそうであったり、絶妙な色使いであったり(手押しポンプっぽいと思って調べたら、予想以上にそっくりで笑える)など、魅力満点です。ちなみにこのミルには色違いで全体がブロンズのモデルもありました、渋い。
このミル、実はニューヨーク近代美術館、MoMA(The Museum of Modern Art)に収蔵されています。
詳しくはないので大まかな説明ですが、MoMAはモダン・アート(近代美術)やコンテンポラリー・アート(現代美術)の作品を収蔵、保存する美術館であり、作品への理解や社会的意義について深め伝えていく教育機関でもあります。
また、MoMAの特徴として、優れたデザインのプロダクトなども収蔵し、販売している点が挙げられると思います。
MoMAに収蔵されているからすごい、というわけではなく、MoMAに収蔵されたから見つけることができた。なのでMoMAありがとう、という気持ちです。
以前にも砂時計が欲しく探していたときに、MoMAに収蔵されていたものが気に入り、購入したことがありました。
いいデザインは、人にこうも響くのか、とデザインの力を強く感じた瞬間でした。
器具探しは相棒探し。
コーヒーに限らない話ですが、器具を探すときに、何を求めているかによって、当然目当てのものは変わってきます。
究極の一杯を目指し、世界大会などを目指すのであれば、EK43が欲しくなるでしょうし(でかい・たかい・つよい……?)
エスプレッソならマッツァーのグラインダーがいいなとか、レバーピストン式のエスプレッソマシン、ラ・パヴォーニに憧れるなとか、やっぱハンドドリップには三洋産業のフラワードリッパーだなとか、ORIGAMIの器揃えたいなとか(ただの欲望)
色々あると思いますが、その中から私にはこれ、という付き添える相棒を見つけ出して行くのが、趣味としての醍醐味なのかなと思います。
さいごに。
ただ欲しいミルを見つけたってだけの話を書くのに、この文字数が必要なのか定かではありませんが、趣味としてのコーヒーやモノ選びのよさ、楽しさを伝えることができていれば幸いに思います。
また、おすすめのコーヒー器具などあれば是非教えてください。
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おすすめ品。 「マグカップ」 飲み物を飲むとき、どれで飲んでも同じだと思っていませんか。 カップって、厚みとか飲み口の形とかで、感じる味わいが変わってくるんです。 ワイングラスなんか典型ですよね。 私は、物によって味が変わるという言い訳を使い、マグカップを増やしています。