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編集すること。ブリコラージュとアイデア 卒制ができるまで。/05

2021/05/27 夜 (見出し:03/09 夜)

過去の記事でレヴィ=ストロースのブリコラージュという概念、キーワードが出てきて、比較的最近アイデアって何だ?デザインとは?と調べていたことがあってそれと繋がりそうだったので、今回は編集すること。について調べたことをまとめたりしていきたいと思う。

ブリコラージュとは

ブリコラージュは簡単に言うと、今あるものを、うまく使う、組み合わせて作る、リユース的な感じ。
フランス語で「繕う」という意味のある "bricoler"に由来するらしい。
(詳しくはWikipediaもしくはレヴィ=ストロースの著書である野生の思考(読んでない)、またはレヴィ=ストロース入門(読んでない)などの書籍で)


この言葉を含めて、編集することについて考え始めたのは、先にも書いた通り「アイデアってどうやったら生まれるのだろう」と言う問いがきっかけ。

理由は忘れたけど、なぜか今まで全然読んでいなかった本を読んでみようと思い、まずは大学の研究室にあった本で関連してそうなものをピックして読んでみることにした。

1冊目 「アタマのやわらかさ」の原理。

手にとった理由は、なんか優しそうだったから。「編集している」から、なるほど?みたいなノリ。下は読みながら書き出したメモ

新しい問いかけ、視点を変える、考え直す
「価値の発見」
価値を固定化しない=新しい可能性を探る
既存の要素の「組み合わせ」と「関連性」
対象に関係するものと一般的な認識 (見立て)
組み合わせの思考は「編集」 新しい価値 メッセージ
(見つける)(引き出す)
ある対象には無数の価値要素が複合的に内在している。
[ある対象(具体)][要素・視点……(抽象、意味)]=ある対象の価値(名前・イメージ)
共通項から"違い”が意識される(コンテクスト)
便宜上、固定化、標準化したもの=常識
普通をより良くする、新しい価値=新しい魅力
→「そうかも!」と思えるか、目利き
「よく知らない」←分解できない、
経験→知識+使い方(コーディネート)
発想の原点は興味
余計な情報も日常的に集める

太字の部分は書いていた内容からこんな式になるんじゃないか?とおもって書いたもの。
後にこのカタチが、何気なく手にとった哲学入門書に書かれていた、ソシュールのシニフィエとシニフィアンの構造に似てない?と思ったところから現代思想、構造主義についても調べるようになり、そこで、編集すること、既存のものの組み合わせ、ブリコラージュ?とつながっていく。

この本ホント読みやすくて良い、他のシリーズもほしいくらい。
竹田さんの哲学入門書で、以下の本を大学入学前の課題図書で購入していて、宗教と哲学と科学の違いや、この世界はゲーム、といった内容がとても興味深く、今の自身の考え方にも影響を与えているので、合わせておすすめしておく。


2冊目 考具

この本はどちらかと言うと「じゃあどうやってアイデア出していきますかね~」って感じで読んだ、アウトプットが苦手な身としては、手段が目的化してしまってもいいから脳内を外に出す方法が知りたかった。

ここでは、アイデアについての分解はそこまでされていなかった代わりに、アイデアの出し方は本当にたくさん載っていたので、1冊目を読んでから読むととても良いと思う。

アイデアあたりのメモ↓

アイデアは一行でいい
アイデア→企画になる
企画(予算と準備と時間があれば実現できる計画)
課題に対して、自身はどうしたいのかといった「わがまま」からはじめて「思いやり」に持っていく
拡げて絞ることを繰り返す

この本を読んでから、思っていることとか考えていることをなにも書いてない紙に「マインドマップ」的に書き出すようにしている。
まとめてから書き出すよりも、書いている途中に見えてきたり繋がったりと、脳のキャパシティを思考に使えるのがとても良い、相性があると思うのでお気に入りの方法を探してみるのも面白いかも。


3冊目 デザイン思考の先を行くもの

最近話題(もう古いとか言われている?)デザイン思考、その先ってなんだろう、そもそもデザイン思考って?という感じで読み始めた。とても見やすい本でサクッと読めるがキーワード山盛りな感じ。

デザイン思考=課題の発見解決(他者視点)=PDCA説
人間中心デザイン
デザインとスタイリング
視点・問題解決・目的の表現
見立て力、見えてしまう、連想(自己中心)←熱量
バックキャスティング・スペキュラティブデザイン
未来がどうなるかではなく、どうしたいか。から
予想外の組み合わせ・「もし」の考え方
因数分解・整理・編集・ルーツトラッキング
現実・未来の実現・過去の改善
個人の主観で課題を見立て、客観的な視点で改善する。

このあたりでかなり共通のキーワードであったり、アイデアというものの大枠が見えてきたように思う。ここからデザインってなに?の方に流れて行くのだが、その前にアイデアについてのまとめ的なことをしておく。

アイデアの語源

語源については、本を読んでいた頃にツイッターで雑に書いていたので、その前後のツイートとともに載せておく。

アイデアは
「既存の要素の新しい組み合わせ」とか「新しい視点」とかって言われる。
[ある対象]✕[用途・機能・要素・視点……]=ある対象の価値
対象に掛け合わせるものを変えることで新しい価値を作ってきた。編集、ブリコラージュ?
ギリシャ語の
「形」、「外観」のイデア
「見る」のイデイン
から来た言葉らしいので、そのものをどう見るか、視点を変える、見立てる。要素を分解して編集、新しい価値を見出す。
大きくハズレてはなさそう。
プラトンとかの哲学のほうのイデア(善そのもの、美そのもの)から今のアイデアの意味(考え、着想、観念)が来ているって解説している人もいるっぽい?
個人的には、考えとか着想も視点の話だと分解することができそうだなと。語源が同じだからそうなる?
洞窟の比喩の影=上記の「ある対象の価値」?


アイデアについてのまとめ

アイデアを出すには、今見えているものの捉え方を変えることや、その認識の構造から、似た要素を持つものや関連性の有るものを持ってくる、入れ替える、といった行為が必要になってくる。
アイデアを「既存の要素の新しい組み合わせ」(ジェームス W.ヤング)と考えると、アイデアはブリコラージュされたものだと言える。
ブリコラージュという行為は日本語だと編集にかなり近いもの。
(ビジネス的な思考法だとラテラル・シンキング(水平思考)に該当するのではないだろうか。)


それらしくまとめてみたが、これでみんなアイデアが出せる!というわけではなく、
最も大事なこととして、アイデアを出す、考える前に、前提となる「問い」について考える必要があると思う。

ある問題の解決策を提案しなければならないとき、その問題点を鵜呑みにして解決策となるアイデアを模索することは、必ずしも問題の根本的な繋がるとは言い難い。
示された問題が本質的な問いであることはどちらかといえば稀なのではとすら思う。

そんな、ほんとうの意味で問題の解決に繋がる「問い」の設定の仕方、生み出し方……「問いのデザイン」について、から、問題解決のデザインではなく問題を提起するデザイン、の「スペキュラティヴデザイン」、問題を提起する活動とも言える「現代アートとは何か」へとここから繋がって行くのだが、今回はこれくらいにしておきたい。

次回になるかどうかはわからないが、最後に出したキーワードについての記事をまた書きたいと思う。


書くのに時間かけすぎたけど、今回は致し方ない。


アイデアについての本で、以下の本を買ったので読んだら別記事でメモと感想と考えが変わったかどうかの話をしたいと思う。


あと、今回書いたアイデアを生み出すための世界の見方、捉え方の構造については、現代思想の構造主義を把握することでより理解が深まると思ったので入門に最適と有名な以下の2冊も購入したので読んだらまとめたい。


が、積読が溢れていていつ消費できるのやら。

1ヶ月半前はほぼ読書なんてしなかったのに、読む予定の本がもう10冊を優に超えているのは一体なんの冗談なのだろうか。

買った本は大体おすすめしたいからぼちぼちやっていこう。

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