見出し画像

#2 延期発表とそのプロセス - 岩壁音楽祭2020

秋に延期します

岩壁音楽祭2020(当初予定6/6-6/7)は、
2020年の10/31(土)-11/1(日)に延期いたします。

楽しみにしてくれていた皆さん、申し訳ないです。購入済みの各種チケットはそのまま秋の延期日程で使用可能ですが、もちろん購入先のプレイガイドから払戻しも可能です。
秋の開催となり、夜は気温が低くなることからキャンプも中止にしました。キャンプ券をご購入の方は必ず払戻し手続きをお願いいたします
また、Kotsu (CYK)がスケジュールが合わず、出演見送りとなってしまいました。楽しみにされていた方、関係者の皆様には本当に申し訳ございません。岩壁側の気持ちとして、Kotsuにはミックスの収録をオファーしました。ミックスを通して岩壁に魂を送ってもらい、当日会場ではDAY1 / DAY2ともにオープンからそのミックスが流れます。

延期に伴う情報はHPからもご案内しています。
ご不明点などありましたら「CONTACT」からお問い合わせください。岩壁音楽祭 運営からご回答します。

<当初発表からの変更点>
・6/6(土)-7(日) ⇒ 2020/10/31(土)-11/1(日)
・キャンプの中止
・Kotsuの出演見送り

今回の延期について、想定よりもかなり遅い発表となってしまいました。延期発表は初めての対応で、知らないことだらけでした。延期を決意してから諸々確認するのでは遅く、当初予定で開催できないことへのリスクとその対処法は開催決定当時から予め把握しておくべきでした。今後このnoteを参考にされる方が少しでも延期の判断に困らないよう、今回で得た知見を紹介します

延期するには

岩壁音楽祭の場合は、このような手順でした。

①延期日程候補を出す
②出演者に日程を相談する
③プレイガイドに延期を伝え、情報をお渡し

ここにさらにスポンサーや助成金関係の調整が入ってくるイベントもあると思います。自分たちはスポンサーに完全には依存していないため、運営+関係者のみの協議で済み、比較的スムーズでした。

①延期日程候補を出す
幸いこの段階で土地管理者や自治体からの延期開催日のNGは特になし。施設をお金を払って借りているのではなく、普段は公園として開放している場所を使わせていただいているので、この辺の融通はかなり効きました。
日程を決める判断ポイントは気温・天候などの環境要因、そして他フェスとの日程被り。そもそも開催できるのはいつなのかという客観的な要素です。

<環境要因>
気温は寒くなりすぎるとそもそもフェスとしてきつい。雪が降るとステージ設営や会場の維持が不可能になるためNG。寒さや雪を楽しむようなフェスもありますが、岩壁音楽祭はそういったフェスではない。山形県の年間の気温の推移から11月半ばまでがデッドとなります。

次に天候。言わずもがな9月・10月は台風のシーズンです。昨年10月には台風19号「ハギビス」で各地が被害を受け、フェスを含む多くの催しが中止となったばかり。

台風はその東側が勢力が強く、北上するにつれて進路が東に逸れていくことがほとんど。幸い、日本海側に位置する山形県は台風被害を受けにくい傾向があります。また、岩壁音楽祭2020の会場のある山形県高畠町は米沢盆地で周囲を山に囲まれた、そもそも気象の変動が小さい地域。むしろ6月開催で梅雨の影響を受ける方が心配でした。とはいえ、なるべく雨の確立が低い時期を選びたい。

気象庁のサイトには過去の台風の情報がまとまっていて、これを参考にしました。台風の多い10月をなるべく避け、かつ、寒すぎない時期。
こうして、10月最後の週末10/31(土)-11/1(日)が第1候補にあがりました

<日程被り>
次に他のフェスの日程からも検討します。岩壁音楽祭の出演者がブッキングされているフェスやイベントと被る日程は、延期日程の候補に入れられません。

9/5(土)-6(日) 夏の魔物2020 in OSAKA
9/12(土)-13(日) BAYCAMP 2020
9/19(土)-20(日)•21(祝)•22(祝) SUPERSONIC
9/26(土)-27(日) りんご音楽祭
10/3(土)-4(日) <他フェス情報>
10/10(土)-11(日) ★第2候補 
  高畠ワイナリー秋の収穫祭
  (→タクシーが不足する可能性あり)
10/17(土)-18(日) <他フェス情報>
10/24(土)-25(日) 朝霧JAM•全感覚祭(昨年実績)
10/31(土)-11/1(日) ★第1候補
11/7(土)-11/8(日) 以降は寒くなるので避ける

台風のリスクや同日開催の地域イベントもありますが、アーティストに候補日程を2つ提案したかったため、第2候補を10/10(土)-10/11(日)としました。

②出演者に相談する
延期日程の第1候補・第2候補を提案し、アーティストにスケジュールを確認します。
結果、第2候補ではほとんどのアーティストでスケジュールNG延期日程は第1候補の10/31(土)-11/1(日)で決定しました
Kotsuのみこの日程で都合がつかず、出演見送りにとなってしまいました。本当に申し訳ないです。

③プレイガイドに延期を伝え、情報をお渡し
延期日程が決定し、アーティストも出そろいました。この情報をプレイガイドと連動して発信し、希望者がスムーズに払戻し手続きができるようにします。プレイガイドからは下のような目安のスケジュールをいただきました。

発表の10営業日前まで:延期の確定
発表の4営業日前まで:延期公演詳細(日時・出演者・その他)

つまり4/10(金)の発表となると、3/27(金)までに延期を決断し、4/6(月)までに延期公演の詳細情報をお渡しすることになります。

画像2

以上が理想的な工程です。

①延期日程候補を出す
②出演者に日程を相談する
③プレイガイドに延期を伝え、情報をお渡しする

ただ、実情はというと①②③すべて同時進行でした。延期日程ではなく、当初の開催を考えた時は①②③の順番を踏みましたが、今回はこれでは時間かかりすぎる。
アーティストのスケジュール返答が出揃うまで待ち、そこからプレイガイドに延期を伝えていたら、そこから10営業日、つまり2週間後の発表になってしまう。状況が日々変わる中、2週間後に延期発表ができてる保証はどこにもない。遅くとも4/10(金)には発表したい。

「出演者などの情報を落としてでも延期だけをなるべく早く発表する」ということも考えました。しかし、情報を揃えて発表し、受け取る側の煩雑さや不安をなるべく軽減させたい。幸い、日程への返答も早く頂け、4/10(金)に延期日程・アーティストを合わせて発表することができました。

延期発表のプレスキットのコピーを参考に掲載します。

延期にかかる費用

最後に、延期にともなうコストについてですが、これはまだ払戻し期間中なので未確定です。払戻し期間終了後に、どれくらい払戻しがあったかが確定し、それに応じて払戻し手数料を書くプレイガイドにお支払いすることになります。ただ極端な話、全てのチケットが払戻しとなったとしても費用はMAXで10万円以下です。上にも書きましたがスポンサーありきでもなく、助成金にも依存していなかったため、費用面でもマイナスが少なくて済んだのだと思います。コンセプトに賛同してくださり、一緒にやりましょうというスポンサーはもちろん魅力的ですが、こうした変更に際しては関係者が増えることで身軽さを失いかねないということは忘れないでおきたいです。

また、「#1 今年の概要と開催判断」でも書きましたが、岩壁音楽祭としては大きなキャンセル料の発生するタイミングは把握していて、その前の延期判断ということで、ケアする事項は発生していませんでした。

画像3

これから

延期日程は10/31(土)-11/1(日)。
当初予定の6月頭の開催だったら今頃開催1か月半前で会場整備や告知をしていただろうけど、延期によって開催まで半年ほどの余裕ができました。この時間で岩壁音楽祭をより良いものにしていきます。

そして、まだまだ追加のアーティスト発表もあります。第2弾まで発表していますが第3弾・第4弾以降も控えています。そちらも乞うご期待です。

また、秋は最も山形を堪能することができる季節。岩壁音楽祭2019では夏に季節外れの”ウェルカム芋煮”を振る舞いましたが、秋開催の2020はリアル芋煮会シーズンです。実りの秋、近隣の高畠ワイナリーでは収穫祭が開催され、エメラルド色のシャインマスカットも旬を迎えています。夜が多少寒くても温泉県山形ではむしろ風情。秋開催によって開かれるポテンシャルは挙げればキリがない...

画像3

ただ、もちろん安全でないなら開催しません。
この日程がさらに延期になっても必ず払戻しをします。
いまは、秋に希望を託したいと思います。

今はそれぞれの場所ですが、
秋は岩壁で、同じ時間、同じ空間で、
体験を共有できるのを楽しみにしています。




この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?