映画鑑賞記録 - 2020年11月編

もう冬ですね。遅ればせながら11月のをまとめました。といっても結構前に観ているので基本僕がフィルマークスに乗せている感想を引っ張ってきています。手抜き悪しからず。11月は16本。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020)

アニメ・外伝にも言えることですが、京都アニメーションだから可能な美しい絵と演出、それだけで観るに値する作品であることに間違いない!

一応アニメから続くヴァイオレット達の物語をしっかり締めてあげる、という意味では良い劇場版だったと思います。

しかし!2つどうしても気になる点。(冒頭10分がYouTubeで公開されてるのであえて言いますが)とにかくアニメ10話を引用してくる構造があからさますぎる。確かにいい話でしたよ、泣きましたよ。ただ劇場版にまで引用してくる必要性があるでしょうか。ですが、何十年も経ち、ドールも必要なくなった時代の視点で語る、という点は好きでした。

んでもう一つ、みんなの泣きポイントである男の子が亡くなる件、あそこ個人的に悲しすぎて感動(?)できなかったんすよね。可哀想すぎて・・・・

あとはまあ・・・ギルベルトがいくらなんでも素直にならなすぎね。そんな「ヴァイオレットーーーー!」とか叫んで走られてもさ。

と、様々なケチをつけましたがもちろんクオリティは素晴らしいですし、ヴァイオレットエヴァーガーデンが素晴らしい作品であることに変わりはない!

レベッカ(1940)

ちょこちょこつまみ食いしているヒッチコックシリーズ。なーんだこのほのぼのロマンスは。と思わせてからのサスペンス。流石だわー。80年前の作品でこれだけ楽しめちゃうんだからすごいよね。

「レベッカ」が1番大事だし「レベッカ」が1番印象的、なのに1度も姿は映らない。亡き人の影に翻弄される人間達の描き方が実に見事!シンプルに楽しめました。

オカルト(2008)

白石晃士、天才。

フェイクドキュメンタリーながら社会問題風刺も効いた独特な切り口。それでいてこの手の映画の良いところ盛り沢山。カット割も「よっ!白石印!」とニヤニヤしてしまう。なんなら本当にあるんじゃないかな、と思わせてからの雑コラ世界で一気に現実に引き戻されていく感じも上手い。ある意味そういう意図なんじゃねえかあれは。

なんといっても宇野祥平。最高だ。マジで。コワすぎ!も観なければ。

それにしても普通に黒沢清が出てくるのが面白い。

鬼談百景(2015)

映画クオリティで作った良質な(といっても当たり外れはあるが)作品多めの「ほんとにあった!怖い話・贅沢版」みたいな感じ。10分×10本と言う尺は1話1話飽きずに最後まで見続けられる親切仕様。

1話目から爆笑してしまいましたがそのあとはかなり好きな作品多いなー。「つづきをしよう」「どろぼう」手掛けてる内藤瑛亮さんはイヤですね〜〜音がキツい笑 故に好きなんですけども。

なんといっても「赤い女」最高。いやめちゃくちゃアグレッシブな霊やん!てかモンスターやん!と言うツッコミどころはありますが、そこがまず良い。振り切ってる。なんといっても終わり方の胸糞悪さ(?)が良いんだわ。

そのほかは・・・微妙かな。でも全体的に女優さんがすごく魅力的。ホラー映えします。

女優霊(1995)

まさにオリジンを感じる1作。霊現象の表現の1つ1つが薄気味悪く、鳥肌が立つような気持ち悪さがありますね〜もちろんどの演出も、とにかく粗削りなのですが当時からすればかなり新しい、というかオリジンだからこその味になっていますね。好きです。チープさも愛しさ。

最後であーなっちゃう感じは後のリングにも続く「最終的に小中理論ひっくり返す」という手法を感じましたし、そもそも「恐怖に満ちた人間の表情が怖い」といったホラーの手法にしっかり立っている気もしますね。まあ、唐突感は否めないけど笑

罪の声(2020)

久しぶりにこういうタイプの邦画を鑑賞した気がします(というかそもそもあまり邦画を観れていないので)

「いやー!面白い!」と絶賛するほどのインパクトは無いものの、淡々とした会話劇を140分強という尺で見せるのは中々大変だと思うのですが一つも飽きが来ず、それでいて前のめりになり「真相が知りたい」と思わせてしまう作りは見事。とにかく役者陣の名演が光りまくり。キャスティングも素晴らしい! ヨッ!!!宇野祥平!!!!

真相の部分が好きか嫌いか・・・とか評価が分かれる部分はあると思いますが、小説の映画化として上手い作品だと思います。野木亜紀子大先生流石。

マトリックス(1999)

6年ぶりくらいに観賞!

・2000年前後の古臭いネットワーク感
・「マトリックス」という概念のセンセーショナルさ
・みんな大好きキアヌのアクション
・バチボコにイカした音楽

大好きな映画ですね〜CGの感じも軽くチープなんですけど、なんかそれすらも許せる。ストーリー的な魅力はちょっと薄い(マトリックスシリーズの弱み?)けどまあ、ネオがかっこいいから良いんです。キアヌ主演の映画なんて大体そうでしょ。(笑)

ハロウィン(1978)

ホラー映画オリジンを巡るシリーズもかなり巡りきった感。やっとレンタル屋で見つけたハロウィン。元祖というだけあって今観たらそこまで大した作品ではないことは分かりきっているため、それを眼中に入れなければなかなか良い作品。というか怖い。直接的に襲われるというより「なんかいる」感でジワジワ追い詰めてくる感じはあんまり洋物ホラーっぽくないイジワルさがあって好き。

しかし肝心の殺人パート→キャー!逃げろー!のくだりまでが、まーーー長い。90分の作品ですが2時間くらいに感じましたね。テンポ感が非常に悪い・・・同じ時代でも悪魔のいけにえ・死霊のはらわた・エルム街の悪夢などと比べるとノロ〜っとした作品。思ったよりは微妙だったかも。まあ、これもオリジンだから許したいけど笑

ヤング・フランケンシュタイン(1974)

愛すべきパロディ映画。基本的にフランケンシュタイン関連作品は原作やクラシック版を好きであればあるほど楽しめるんじゃないかなーと思ってて、これもまさに。以前観た「ブライド」もそうだったのですが、同人っぽいフランケンシュタインって、怪物が幸せになりがちなんですかね。やっぱ不遇だもんなあ原作は。

下品なギャグやかなり雑なパロディシーン等、ツッコミどころは多いものの気を抜いて楽しめる作品な気がします。

エクストリーム・ジョブ(2020)

予告編観た時から絶対おもろいやん!とハードルを上げすぎていたので思ったよりはチープな出来でした笑

しかし、何も考えずに楽しめるコメディアクション!って感じで普通に楽しめました。さすが韓国映画って感じでクオリティは十分。中盤くらいまで「あれ?思ったより・・・」って思ったのですが最後の方でまたグーンと面白くなっていくっていう。とりあえず万人受けすると思うので見て欲しい。

ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)

あくまでコメディ感覚で楽しむつもりで観始めたら、ちゃんとゾンビモノしててめちゃくちゃ良かった!

序盤の冴えない男の日常が徐々に侵食されていく様子はコミカルながらもアイアムアヒーロー的でもあり定番演出なんだけど、真面目になりすぎず時々ふざけるコメディタッチだからこそ飽きずに最後まで集中力が持つ!良かったわ〜。なんといってもQueen『Don't stop me now』が最高です。

ゲット・アウト(2017)

今年4月に観たのでこちらの記事に感想載ってます。ゼミでの発表のために鑑賞。なんだかんだ面白い作品。

踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!(1998年)

好きな邦画、ドラマは何?と聞かれたら真っ先に答えるのがこの「踊る大捜査線」です。小学生〜中学生の時にドラマや劇場版を観て大好きになってしまい、その後もDVDで何度も劇場版を見返しました。

映画をいろいろ見るようになってから初めて「踊る」を観ましたが、やはりこの作品は最高に好きなのです。現場の刑事だけに焦点が当たっているのではなく、権力vs現場といった新たな刑事ドラマの構造を広めた、といっても過言ではないですし、実際にそこが素晴らしい。そして肝心の事件の部分の謎解き感、こちらも劇場版は良くできています。あとは何と言っても小泉今日子のサイコキラーが、ま〜最高。素晴らしい!

でも久々に踊るを観て気づいたこと、それは「青島・すみれさん」のタッグがとにかく好きなんだなということです。なんかこの2人ならなんでもいけそうな気がするし、恋人同士!とも言えない、とにかくなんとも言えんあの距離感が大好きなのです。そう、かっこいい深津絵里が好きなのです。

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003年)

青島のキャラのブレ・犯人の薄さ、などなど指摘されている点が多い本作ですが、結局のところ自分は「踊る大捜査線のファン」なのでそんなことあまり気にならないのです。冒頭のオープニング〜訓練パートから最高にかっこいいですし、事件の規模の大きさでもうワクワクなのです。
そして、青島・すみれのタッグ感が最高なのはこの劇場版2作目だな〜と思っています。最高に好き。

確かにツッコミどころも多いとは思いますし、「いやいやそれはないよ流石に!」と言える所はあるのですが、所詮はフィクション。何処までも突っ込み始めたらキリがないよな〜なんて思ったり。なにせ大好きな映画。

踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!(2010年)

踊るのファンなので酷評するほど酷いとは思わないんですよね。作品自体は好きだから。

でも作る意味あったのかな・・・と思うと絶対作る意味はなかったと思います。結局のところ、大ヒットを飛ばしたドラマ〜劇場版1・2への目配せばかりで、ほとんど新しいことが何もできていません。真犯人が明らかになったところで「所詮製作陣は過去作の亡霊に囚われ続けているんだな」と、それくらいにしか感じ取れません。

そして肝心の「踊る大捜査線っぽさ」とはなんなのか、というお話です。この映画を見た踊るファンならわかると思うのです、「なんか違う」と。室井さんの影の薄さ、微妙なキャスト入れ替え、和久(甥)の存在感、ネタキャラ感強めの真下、そして青島・すみれの活躍感のなさ。全てが何か違うのです。青島じゃなくても成立しちゃうんだよな。んでもって青島病気疑惑でずっと引っ張っていく感じも大して面白くない。踊るの醍醐味でもあるギャグinシリアスも滑り気味。こりゃあかん。

でも嫌いにはなれない・・・なぜなら踊るファンだから。

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012年)

惜しい。極めて惜しい。

警察権力の腐敗に焦点を当て切り込んだテーマである、という点では駄作の3よりは優れた作品だと思います。また、室井さんと青島の活躍感もまあまあ感じられて良いです。コメディinシリアスの具合も前作よりはマシ。総じて微妙な3からの新キャストも、ファイナルでは小栗旬・小泉孝太郎の存在感によりなんとか救われている。(それにしても和久さんの甥はいらんけど)

しかしファンとして許せないのは、すみれさんの扱い方なのです。インタビューでは監督が嬉々として「ある結末」を語っているではありませんか。これは許しがたい。実際にラストの演出を見ても幾ら何でも馬鹿げた演出だと思いました。ファイナルとして締めるためとは言え、すみれさんを映画全体通してメインに持って来ず、あのような幕の閉じ方をする、というのは僕は違うと思いました。この難点がなければ余裕で星4位の好きな作品なのですが・・・・残念極まりない。なのですみれさんが輝いているオープニングが一番好きです。

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