天気の子を3回観たら帆高のセリフが臭すぎて泣いた

新海誠監督作品「天気の子」
2019年7月に公開され、前作「君の名は。」に続く大ヒットを記録したわけですが、ついにレンタルがスタートしたので3回目の鑑賞をカマしたところ、主人公の帆高くんのセリフが臭すぎて泣いてしまったというお話です。ちなみに泣いてません。

初回は映画館で公開初日、3週間後にIMAX版で2回目を観て満足した具合ですが今回10カ月ぶり3回目の鑑賞。流石にこんなに観ていると脳内がお話を追いかけるために動かなくて良いので、細かいセリフのニュアンスや様々な風景に目が行く他、音楽のアレンジに注目してサントラ的楽しみ方も出来るのでこれはこれで非常に楽しかった。

ということでザックリとしていますがここが気になった!的な点をまとめます。

あ、ちなみにですが公開初日に観に行った時の感想は別の記事に去年挙げてます。もしよろしければこちらもぜひ。↓

天気の子を観た。

①主人公2人のバックボーン

天気の子を低評価にする方が良く挙げる点が「帆高・陽菜のバックボーンが薄い」ということ。帆高に関しては家出の理由でしょうかね。ここに関しては監督自らがあえて描かなかったことをインタビューなどで語っていますが、小説版では「父に殴られた」などの言及がされている(映画冒頭で帆高が付けている絆創膏も恐らく父から受けたキズか?)ことから、それ相応の理由はある、と言えるでしょう。

陽菜に関して。母は病気か何かで亡くなっていることは語られますが父親に関して言及される部分が全くありません。本当に一言も台詞に出てこないんですね。「いやいや!小学生と中学生が2人で東京で暮らせるか!」「父親何してんねん!」分かります。そりゃそうです。
でもね、言いたい。これフィクションアニメ作品ですから。そんないちいち説明してるのも野暮ったくないですか?これ真理。マジ。

②須賀・帆高の対比

3回目観て1番感じたのはここかもしれません。須賀は妻を早く亡くし、愛する娘にもあまり会えずにいる。なんとか踏ん張って1人で生きているワケですね。(姪の夏美は居るが)そんな須賀と真逆にいるのが帆高なワケです。死んでしまい会えなくなった妻と人柱となり消えてしまった陽菜、リンクしてますし。須賀の流した涙も色々考察されていますが、消えた彼女にもう一度会いに行くという決意が不思議と心に響いたって感じなんでしょうね。

また、須賀の娘が「雨の日は喘息で外に出れない」という状況だったり、露骨に指輪が映る(帆高と陽菜を繋ぐアイテムの一つが指輪である)点、妻の死因が「事故死」という、ほんのちょっと雑(?)な理由、須賀は帆高の事をなんだか分かっているような言動が多い、ことから「須賀の妻も天気の子だ!」という考察もありますがこれはマジで考えすぎだと思います(笑)だとしたら数年で天気戻っちゃってるし。まあ、指輪を映すのは須賀と妻、帆高と陽菜の関係をリンクさせるのに使ってるんだろうなーくらいに思っておけばいいのかなと思います。

細かいことはあんまり書けませんが観てて須賀の言動は一つ一つ興味深かった印象。セリフとか分析してみたいね。

③音楽全般

実は初回鑑賞した時はあまり音楽はピンとこなくて、シナリオ7:音楽3くらいの印象でした。しかし何回も観てると音楽の良さがじわじわ上がってきて今では逆くらいです。3:7。
個人的にRAD×新海でいえば「君の名は。」で「入れ替わってるー!?」からの「前前前世」イントロイン!の流れが完璧すぎてそれを超えるものは無いと思ってたんですけど、やっぱり今作の終盤、空で帆高と陽菜が再開し空から落ちていく瞬間に「グランドエスケープ」のサビがドカンと入るところは多分この世で一番気持ちいい瞬間だと思います。これ真理。マジで。何回見ても鳥肌立つのよあそこ。ずるいわ〜。

アレンジにも結構耳が行くようになってて、例えば「晴れゆく空」という曲は「グランドエスケープ」「愛にできることはまだあるかい」のミックスアレンジになっていたり。というのに観ながら気付きましたね。まあサントラゆっくり聞けばわかることなんですが。

ただこれは初回から思っていることなのですが最初に歌ありの曲(「風たちの声」)がかかるところ、帆高が仕事をし始める所ですね。あそこで歌詞とセリフがかなり被るんですよねー。ここ毎回気になってしまう。「グランドエスケープ」もそうなんですが、ここはあまり気にならない。感情が昂ぶってるからか?

ちなみに1番好きなのは帆高・陽菜・凪が晴れ女バイトをしているところで流れる「祝祭」ですね。「グランドエスケープ」も然りですが三浦透子さんとのフューチャリングはマジでこの作品の音楽の良さを爆上げしてると思います。洋次郎、いい曲書くなあ・・・。

④小ネタ

これは劇場で観た時から好きですが凪くんの彼女?元カノ?の2人がそれぞれ花澤香菜と佐倉綾音が演じていて、役の名前がカナとアヤネっていう(笑)しかも児童相談所でアヤネの書く名前が「花澤綾音」っていう。細かいなー。

君の名は。メンツがたくさん出ている今作ですがいくらなんでも瀧くんは露骨すぎるよね〜あれはちょっとねえ。むしろ三葉・テッシー・さやちんの出方くらいがすごくちょうどよかった。初めて気付いたんですが、帆高が警察署から逃げ出すシーンにて、入口ですれ違うのがさやちんに見えたんですよね・・・見間違いかな。ちなみに四葉は一瞬すぎるし分かりにくい。

ラストの方で大学生になった帆高が須賀の元を訪れますが、夏美は写真にしか写ってないですよね、あれだけじゃ何しているのかわからないんですけどよく見ると部屋のデスクの上に夏美のヘルメットあるっていう。たしかに、露骨に夏美は作中で就活にかなり辟易としていましたし、逆に都市伝説の調査はウキウキでしたからね。この未来もかなり暗示しているというか。

冒頭の占い師って野沢雅子なんすね。気づかなかった。ちなみにあそこで言ってる胡散臭いことも意外とその後の展開や描写と繋がっているのにも気付けました。

あとコミケを晴れにする流れでプリキュアのコスプレ出てくるの良いっすよね。これ数日前にTwitterで流れてきて気付いたんですが、天気の子は東宝、プリキュアが東映なんですよね。ここの垣根を越えてカメオ出演(的)できるってすごいなーという。

⑤帆高の臭いセリフ

いやーねー。臭い。
最初に歌舞伎町で陽菜を助ける所・ラブホテルでの会話・そしてうってつけの空での「俺は陽菜が良い!!!」臭え!臭えよ!最高だぜ新海誠!それで良いんだ!お前のオタク気質をこれからもくれ!それだけ。

⑥その他

本田翼の演技、不思議じゃないですか?決して下手では無いんですけど、なんであんなに鼻つまってるみたいな声なんですかね。あと最初に帆高が夏美を観た時の夏美描写がめちゃくちゃ丁寧ですよね。足とか胸とか露骨に美しくというか艶やかに描いてる気がする。あー。「胸見てたでしょ」も臭えセリフだなー!

ラブホテルで3人がワチャワチャするシーン、すごく安心すると共にそのあとの展開を考えると切ないシーンでもある好きな場面なんですが、ベッドでのあの雰囲気は「え?!なんか!?そういう雰囲気なんですか!?」みたいな童貞発想すらしてしまう描き方じゃないですか?いやバスローブ!みたいな。はだけるんですか!みたいな。すみません。

⑦最後に

なんだかんだ言って個人的にはとても好きな作品で、大衆に寄った「君の名は。」に比べ、今までの「新海イズム」がミックスされたちょうど良い作品なのが良いなと。いわゆる「セカイ系」的な。ここを受け入れられるかどうかで評価はかなりガラッと変わるんだろうなーって思います。何度観ても良い映画は良い映画でした。

それにしても「君の名は。」で上がり切ったハードルを超えちゃった新海誠、次回作もどうなるんだろうか。大変だなあ。頑張れ。個人的には「言の葉の庭」みたいな感じ大好きよ。

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