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発注先は会社や金額で選びますが、それだけじゃないんです。

☎︎「こんなの初めてです!この校正イイです!校了です!

どこの印刷会社なんですか?教えて欲しいくらいです!」

はじめて組んだプロダクションからの電話でした。


タレント事務所の方も問題なく校了でした。
(いつもはシワとかクスミとかうるさいのに)


このことがクライアントにも伝わり、喜ばれました。


売場で展開するプロモーションツールのうち、数点をそのプロダクションへデザインの依頼していましたが、印刷はすべて一括してこちらでまとめていました。


おかげさまで工程も余裕ができて、問題なく納品して完了できました。
TVCMと連動なので、遅れたら大変なことになるところでしたので安心しました。


この印刷会社とは10年以上も続けてお付き合いさせてもらっています。


出会いはこうでした。

A2 のパネルの印刷を頼んでました。
しかし校正を何回出しても、希望の色が出ませんでした。
納期はどんどん迫ってきます。
もう妥協しかないですね。
クライアントにもいろいろ言われながら、仕方がなくOKして進行しました。

こんなのが数回続けてだったのです。

デザイナーってこんな経験ってありますよね?


「何とかならないかな?」
「次は別のところへ出そうよ」
「そうだね」
「違う印刷会社にしよう!」

と言うことで、新たに印刷会社の選定に入りました。

そこで、候補になる印刷会社を6社ほどピックアップしました。

みんなとても良い印刷会社ばかりでした。

ふだんは見積もりをいただいてから選択するのに慣れています。

しかし今回は、そこじゃないんです。


「選べないね~」
「どうやって選ぶ?」
「同じデザインの印刷をしてもらって、比較して決めよう。」


この比較をするために、新たに意地悪で印刷しにくいデザインをしました。
肌の色、転びやすいカラー、50%の網点等々。

各々の会社へ目的を伝えて、1枚だけですが刷っていただきました。

ちなみにこれだけで25万円ぐらいかかっちゃいました。

印刷会社の営業がどう製版会社へ伝え、校正機で刷り上げるか。

腕の見せ所です。


このような方法で印刷会社を選んだのは、後にも先にもこの時だけでした。

結果、選んだ会社が前述の印刷会社だったのです。


この時さすがだなと思ったのは、採用されなかった印刷会社の営業がみんな

「どのような印刷が選ばれたのですか? 差し支えなければ見せていただけますか?」

と後から問い合わせて来たのです。
みんな一流の会社ばかりだったのです。


ここで何がよくて、その印刷会社に決めたのか。
印刷の仕上がりは当たり前ですが一番美味かったです。
しかし、それだけではないんです。
入稿してから、本機で刷って納品するまでの過程の提案をしていただいたのです。


・製版はやはり担当者の慣れが必要なので、一番うまい担当者を付けていつも同じ人に頼みます。

・校正はどうしても量産と違う品質になってしまうので、校正も量産をする本機で出します。

・量産の頭出しをすぐに持ってきてチェックしてもらいます。

・加工・梱包も納品の前に持ってきてチェックしてもらいます。


この提案内容が良かったのもありますが、
何よりこのように提案していただいた営業担当者に惚れちゃいました。


そうです。
最終的に決めたのは「人」でした。


何ででしょうかね?
「人」がよくなると仕上がる「物」まで良くなるんです。


発注先は、会社でも金額でも選びますが、最後には「人」で選びます。

って言う話でした。


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