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世界は救わないでいい。正義なんてそもそも、酷く利己的なものなんだから。【SpringdayとanpanmanとHERO】

花様年華考察に足をつっこむには歳を重ねてしまったけど、ボンナルMVに出てくるOmelasの描写はすごく好きで調べた。オメラスから歩み去る人々。
Springdayが特別に好きな曲だからなのか、MVの切なさがまた惹きつけるのか、不思議と印象に残ります。

オメラスを去る人々は自分の正義のためにその地を去る

紹介も少しだけ。こちらでモチーフとして登場するオメラスは、有名なSF小説に着想を得ているらしい。オメラスは、そこに住む人々全員の平穏な幸せがある一方で、ひとりの子供を不幸でいつづけさせなければいけない土地だ。そして時々、街の外へと黙って出ていく人々がいるらしい。それがMVの最後での防弾少年団と重なる…といった具合だ。

To them, outside of Omelas is ‘a place where no one’s pain is forgotten’, and their spring day is ‘the time not forgetting someone’s sorrow’.
(和訳:彼らにとって、オメラスの外は「誰の痛みも忘れられない場所」であり、彼らの春の日は「誰かの悲しみを忘れない時間」です。)

この考察から引用させていただきました。
とっても素敵なので是非。

彼らにとってオメラスの外は「誰の痛みも忘れられない場所」である。逆にオメラスの中は?けれど彼らはオメラスを崩すことはせずに荒野へ出る。

自分の選択はあくまで、自分の考える正義のためであり、それが酷く利己的である自覚があるからだと私は思う。

どんな人生でも、景色の良い階段だけ登れ

これ知ってからのこのテヒョンさんの自分にかけてあげた言葉って本当に重たく響くし、とてつもなくすきだなと思う。
正確には、

誰よりも傷ついて幸せに生きろ。どんな人生でも。
景色の良い階段だけ登れ。
(2019Festaコメント抜粋)

きっと彼がいう景色のいい階段は、誰か1人であっても蔑ろにしない世界にあると思った。

一方で、彼らが守ろうとしてくれるファン、それが日に日に風船のように膨らんでいくことが時々怖くなる。私たちをひとり残らず幸せにするために走り続ける彼らは、無理をしすぎていないだろうかと。
以下は全てanpanmanから抜粋したものだ。

솔직하게 무서워 넘어지는 게
素直に言うと 倒れるのが怖いんだ
너희들을 실망시키는 게
君たちを失望させることが
그래도 내 온 힘을 다해서라도
それでもすべての力を尽くしてでも
나 꼭 너의 곁에 있을게
僕は君の傍にいるよ
아파도 hero 두려움은 뒤로
痛くてもヒーロー 恐怖は後に
내가 가진 건 이 노래 한방
僕が持っているのはこの歌一つ

自分が幸せになるために、僕たちを利用してほしいという彼らに、私たちもちゃんと利用されているだろうか?

彼らは誰か1人であっても蔑ろにしない「オメラスを去る人々」だと思うので。当然のようにその1人には自分が含まれていてほしい。

私の好きなアーティストの歌詞にこんな言葉がある。

例えば誰か一人の命と
引き換えに世界を救えるとして
僕は誰かが名乗り出るのを
待っているだけの男だ
(HERO/Mr.childrenより)

これには、愛すべきたくさんの人たちが僕を臆病者に変えてしまった。と続く。

彼らは私たち一人ひとりにとって間違いなくヒーローで。守るべきたくさんの人たちがいることが、負担ではなくむしろ、何かあった時に踏ん張る支えになりますようにと願う。

誰か1人の命で世界を救えるとしても、自分を蔑ろにしない人でいて欲しい

ウィバスの投稿を見て所構わず思わずあがる口角や、タリョラで爆笑しすぎてお隣さんに申し訳なくなる気持ち、ライブ映像でバンタンと同じ表情で涙を溜める顔、彼らにもちゃんと伝わってるかな。
伝わっていたらいいな。

彼らは私たちの紛れもなくヒーローだけど、それはあくまで、あなたの目の前だったり、大切な1人のヒーローでいてくれれば十分なんだよ。とイチアミである私は思うのです。

これまで悩んで考え抜いた彼らにはきっとわかりきっていることなんだろうけれど。

それでも。

あなた達だけで世界なんか救わないでいい。正義なんてそもそも、酷く利己的なものなんだから。

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