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今日は風まかせ、雲は流れゆき晴天

私を救ってくれたのは、
間違いなくポップンミュージックだった。

今となっては、なんでそんな憂鬱に生きていたかわからない。
なんとなく友達関係はうまくいかず、
好きだったはずの絵の勉強にも本気になれず、
どこかもったいない毎日を過ごしていた田舎の高校生。
お友達に借りたポップンCS8がきっかけで、
もやっとしていた惰性の日々に刺激が生まれた。

最初はとにかく単純。
曲がいい。キャラクターがかわいい。
次に、難しいけれど徐々にスキルが上がっていくのが楽しい。
やり込むほど上達していく、成果がわかりやすい。
そして、シンプルにストレス発散になる。
完全インドアインターネット人間だった私にとって、
ポップンすらいい運動になっていた…と思っていた。

来る日も来る日も自宅で楽しみ、
ついには自分でコントローラーとゲームを購入。
CS8だけで止まらずCS10も購入して、
素晴らしきかなポップンライフを送っていた。

完全にゲームの虜になった頃、いよいよ家庭用では我慢できず
ついにゲーセンデビューをした。
忘れもしない、AC13。
筐体で叩く9ボタンの広さと大きさにビビり倒したけれど
それはそれは楽しかった。
ちょうど受験の時期とも重なり、
夏休みは勉強の後ゲーセンに寄るのが日課になった。
そこまで音ゲーにハマるとどうなるか。
サントラを購入するのである。

購入したのは『pop'n music Vocal Best 4』。
私のルーツであるポップン8のロング曲はじめ、
その当時知っている曲が多かったので選んだ1枚。
ユーリが担当のLate Riser、
家でやり込みまくったHONEY-BEEと好きな曲だらけの中、
ビビッときたのは「しりとり」long。

改めて歌詞カードを目で追い、言葉の素敵さに魅了された。
曲名の通りだけど、単純だけど、言葉がしりとりで。
面白さだけでなく、思いと意味がこめられた歌。

ーいつも繰り返す ありふれた日常
疲れた体に溢れ出す不安や
溜息蹴っ飛ばして 大きく深呼吸

もしも躓いて 傷を負っても
また しりとりみたいに
自分のイロハ繋ぎ新しく紡ぎ 裸足で歩いて行こう。

高校生の私には、ものすごく響いた。
心の底から元気をもらったことがきっかけで、
自分もこんなふうに人を元気にしたいと思った。
今の業種を目指すようになったきっかけの1つでもある。
(KONAMIに就職したくてもちろんお祈りされた苦い経験もあり笑)

もちろん今の私にも、じんわりしみる。
仕事で嫌なことがあったり、なんだかうまく行かないことがあった時。
「しりとり」の明るいメロディで気持ちを上げながら
また1歩踏み出す、生きる力をもらっている。


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