じつは人生はとても甘い
人生はそんな甘いものじゃない。
私は父にこう教えられて育った。
社会に出たらこんな辛さじゃ済まないぞ、
辛さこそ人生だ、
楽すると痛い目にあう、
これが父の考えであり、もはや口ぐせでもあった。
だからわたしは日々辛いこと当たり前だと思っていたし、なんなら楽しいと思うことは駄目なこととさえ思っていた。
わたしがこの考えが普通じゃないと知ったのは、
社会人になって心を病んだ時だった。
心療内科の主治医から行動認知療法を勧められて、そのスクールに参加したのだ。
細かい内容はもう忘れたが、ざっとまとめると人生を辛いものにしているのは環境や他人ではなく自分自身だったということ。
それに気がついたときは不思議な感覚だった。
父の教え通り人生は辛いものだと自分に言い聞かせ、辛い想いこそ正しいと勘違いして、挙げ句の果てに自分で体調を崩す。
なんてばかなことしてるんだろうと思った。
それ以降、自分の嫌なことは極力やらず、逃げかもしれないが、とにかく自分を守って甘やかした。
日々を楽しいことでいっぱいにする努力をした。
そうすると不思議と体調も良くなり、今まで感じたことのないくらい人生が楽しくなった。
人生はつらい
これは事実ではあると思う。
でも目指すものではない。
ほっておいても辛いことは避けられない世の中である。
だったら尚更そんなことは忘れて、楽しいこと頭をいっぱいにする努力こそ大切だと思う。
人生は甘っちょろい、ぐらいでちょうどいいと思う。
父は人生の厳しさを教えることが子どもへの愛情だと思っていたのだろう。
それはそれでありがたいことだ。
でも人生がつらいことは子どもでも知っている。
父を見ていたら一目瞭然だ。
「人生はなんとかなる」
わたしはこの言葉が聞きたかった。
素敵な仲間、貴重な経験、感動の涙、
苦しいほどの恋、
かけがえのない宝物に出会えるのが人生だよ。
わたしの娘にはそう伝えたい。
そして怖がらずに何事にも思いっきりチャレンジしてほしい。
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