ボーカロイドを"読む"~しま氏監修のボーカロイドガイド本をみんなに紹介してみよう、の話③
どーも、kthn.です。この連載は"しま"氏監修のボーカロイド本を特集しております。
前回、資料としてかなり優秀なボーカロイド本を編纂してしまったしま氏。
そのボーカロイド文化に対する多大なる愛情と知識、そして情熱の結果が翌年に又してもP-ヴァインからボーカロイド本を出版…という形で結実してしまう(笑)。
その結果がコチラ。
・ボーカロイド音楽の世界 2017
前回のしま氏監修の著書「別冊ele-king 初音ミク10周年─ボーカロイド音楽の深化と拡張」では周年付近を含めた[初音ミクとボーカロイドのこれまでの10年]にスポットを当てていた。
こちらは言わばその後編…[10周年付近とそれに纏わる以降]を論点に当てて纏めた感じになっている。
という訳で早速見所をピックアップして行きまっしょい。
★an interview with EHAMIC
図書館司書であり音楽活動を続けているアーティスト「EHAMIC」へのインタビュー。アナログLPやカセットテープの話からボサノヴァ、「音楽家」としての在り方やブライアン・イーノの話題まで出て来るぞ!!
…全部「初音ミク」の話です(笑)。
★The World of Vocaloid Music 2017
この章はまさしく[10周年付近とそれに纏わる以降]の流れをトピック形式で書いていて、読む者を魅了する作りとなっている。
それぞれのスポットを当てた項目が簡潔且つ丁寧に書かれているので、読む者を飽きさせない。
項目で言うと、
この様な構成になっている。
それぞれの内容に軽く触れてみよう。
・ボーカロイドに関する2017年の重要トピック:
…何度も同じ事言うなって?実際に読んだらサラッと読めて舌巻くで。
・初音ミク10周年のトピック:
─閑話休題。
・鏡音リン・レン10周年のトピック:
・「ボカロ」という言葉、単語について:
・「2017年(10周年)」という「節目」をキーワードとした新世代と旧世代の温度差や関わり方の差異:
・「ぼからん」から見る2017年の流れ:
…と、徹底的に厚い(熱い)内容だぜこりゃ。
この後に続く章は2017年を彩った楽曲や作品の紹介。
★The 50 Essential Songs 2017
★The 20 Essential Albums 2017
実際、この曲やアルバムのセレクトや選出理由も多角的且つ相当な説明なので納得。
★Various Aspects of Vocaloid Music
この章ではタイトル通り、シーン総合をメインストリームの内側からでは無く外側、様々な観点から見たボーカロイドシーンを取り上げている。
個人的に面白かったのが、関西JAZZ界への激震やアンカタの話。これは貴重な話が盛り沢山なので是非とも本誌を読んで貰いたい。
あ、あと
の答え合わせも載っています。凄ぇぞアンカタ!!(※)。
※:凄ぇぞアンカタ!!な点が二つあって、一つはこのアンカタの動きが無ければ今回特集しているしま"氏監修のボーカロイド本も無かったかも知れないって所。
もう一つがこの本との合同企画
「合成音声ONGAKUの世界」
が発売されたこと。
こちらも要ピックアップ音源なので是非とも聴いてみてほしい(監修は我らがスッパマイクロパンチョップ氏。ちなみに配信版では1曲目の春野「nuit」が抜けているので注意)。
Pヴァイン:ボーカロイド音楽の世界2017/合成音声ONGAKUの世界
紹介ページ
スッパマイクロパンチョップ氏が纏めてご自身のブログにUpしてくれた「合成音声ONGAKUの世界」セレクト曲を聴けるページ
同氏ブログ「合成音声ONGAKUの世界」各収録曲から連想される音楽をセレクト
(スッパマイクロパンチョップ氏のブログ…音楽好きは得しかないので是非。)
・まとめとして
VOCALOID界隈の動きは、従来のマーケティングでは予想し辛い面もあり、全体の把握となると非常に難しい一面もある。
こういう俯瞰で見た総括はシーン内部からは気付き辛い面も見えて、とても面白く感じるので非常に貴重な資料足り得るし、続けてほしい企画でもある…
…そして続くんだなー、これが!!
では、また次回!!
サポートしていただけると幸いです。