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時代と共に変化するレコード会社 ~UNIVERSAL MUSICの姿勢

2006年の夏にスウェーデンのストックホルムで創業されたスポティファイ・テクノロジーからなる定額制音楽配信ストリーミングサービス、Spotify(スポティファイ)。
日本でも2016年9月からサービスを開始され、現在の音楽視聴の片翼を担うまでに至っている。


しかし近年では、
誰もが気軽に利用できる→誰かが手軽に悪用する
という図式が出来上がっていて、ことSpotify内でもその動きが垣間見えていた。

その問題は、

①架空のレーベルを立ち上げて複数のフェイクアーティストを作り、
②生成AIによる楽曲生成→同じ曲を用い曲名を変え複数の別名義に登録。
③ジャンル内のランダムリストで流すことで視聴数を稼ぎ、
④そこから分配収益を得ること

というものだ。

以前からドイツのVinyl-Digitalに所属しているBROCKBEATSは警鐘を鳴らしていた。

主にLo-Fi系(※)と呼ばれるジャンルはこの影響をモロに受けてたみたい。

(※)Lo-Fiミュージック : Low Fidelityの略。演奏や音のズレ、環境ノイズなどを意図的に組み込み、シンプルで落ち着く表情を見せる技巧の音楽表現を指す。近年のブームの一つ。

このようなシステムを悪用した収益目的の動きに対して、2023年4月。
Universal Music Group(以下ユニバーサル)は、SpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービス側に対して、
「AIの楽曲に疑わしいストリーミング活動が見られる」
として、AI楽曲の停止と監視の強化に努めるように要請したみたい。

 またユニバーサルは2024年2月。
アーティストの商業的価値やAI楽曲の使用への懸念からTikTokとのプラットホーム契約を解除。
ユニバーサル関連の楽曲使用、及び提供は事実上できなくなっている。

本社版プレスリリース:

https://www.universalmusic.com/an-open-letter-to-the-artist-and-songwriter-community-why-we-must-call-time-out-on-tiktok/

日本版:

大手プラットホームが使用できなくなるのは正直痛いところだと思う。
そこから派生する収益や宣伝、新規顧客の創造がゼロになるからだ。

だが、だけどね。

大手レコード会社がアーティスト活動や音楽業界を守るための行動を示してくれるのは、レコード会社としての矜持を見るようで頼もしくもある。
アーティストと音楽を商品とする以上、この動きは最大限の配慮であり、英断でもあると思う。


まとめ

時代と共にサービス方法も手を変え品を変え、我々ユーザーもそれに応じて変化していく。
そんな中でも殿様商売にならず、自社アーティストへの権利と尊厳と収益を考え、それを前向きに実践していく近年のユニバーサルの運営姿勢はもっと称賛されるべき事案であると思う。

今後のユニバーサル関連に注目していきたい。
何故なら、大事にされている土壌のアーティストやトラックメイカーなら、今後もきっと結果を出してくれるハズだからだ。

ユニバーサル ミュージックジャパン公式サイト - UNIVERSAL MUSIC JAPAN



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