見出し画像

【読書メモ】人に頼む技術

書籍のタイトルは人に頼む技術ですが、人を助けるということについて深く考えさせられた一冊でした。

本書のテーマに掲げられている「何かを成し遂げるには誰かの力が必要だ」という概念が、個人的にはとても刺さりました。

ざっくりまとめ

・レインフォースメントを理解しておく必要がある
・助けることで自分に良くない印象を持たれたり能力がないと思われたりする心配はしなくて良いので、とにかく人を助けよう
・助けたことによる影響を実感できるようにすると、より内発的動機を高めることができる

レインフォースメント(Reinforcement)とは?

・軍隊などの組織で、増強のために送り込まれる追加の要員
・特に励ましや報酬などによって、信念や行動パターンを奨励または確立するプロセス

感想・メモ

面と向かってお願いすると確率は高くなるとは言ったものの、このコロナ禍においてはなかなかそうもいかなくなってしまった。もしかしたらリモートワークなどで面と向かわなくなったとことで頼みにくさが増してしまっているのかもしれない。

行動経済学の観点も考慮されている。例えば内発的動機の効果として行動するためのエネルギーが増して良いパフォーマンスを出しやすい状態になる点がある。例えば、自尊心を高めるような行動には、相手を動かす強い力がある。

また、認知的不協和の効果により、一度イエスと言った相手の依頼は断りにくくなる。自分が人を助ける親切な人間だ、という認識を保ちたくなるからである。つまり、最初に「小さな頼み事」や「あなたにしかできない頼み事」をすることが効果的であると感じた。

助けることで結果的に自分が能力がない人間だと思われたり、良くない印象を持たれたりしないかと躊躇しがち。

しかし、研究によるとそのようなことを心配する必要はなく、むしろ助けるという行為によって良い印象を持たれる傾向が強い

何はともあれ人を助けるという行動はしたほうが良い(それが自分や相手にとってプラスになることの方が多い)。

一方でコントロールされていることを認知してしまうことで相手の助ける行為に対する内発的動機を低下させてしまうことがある。これは報酬だけではなく、監視や期限、プレッシャーなども同じ効果をもたらす。返報性(私ははあなたを助けるから、あなたも私を助けてという関係性)については、常に頭の片隅においておく必要がある。

「同じチーム・組織に属している」や「同じ目標の実現を目指している」といった共通点もまた、助ける行為への動機となりやすい。

自分の仕事(=助け)で生じた影響を実感できるように仕向けることは、内発的動機を高めることができる効果的な方法である。


この記事が参加している募集

読書感想文

最後まで読んでいただきありがとうございます! いただいたサポートは僕が読みたい書籍代に使います!!