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クロスプラットフォームは夢の世界か、それとも宗教戦争の始まりか

6月19日にEAのオンライン発表会EA Play Liveが行われて、そのなかで「Apex Legends」のSTEAM版、Nintendo Switch版がリリースされることが発表された。さらに全てのプラットフォームのプレイヤーが混在してマッチングされるクロスプラットフォーム化が発表された。

で、結構燃えた

※トップ画像引用元は上記EA Play Live動画

クロスプラットフォームはパブリッシャーの夢であった。あらゆるデバイスのプレイヤーをマッチングさせることで、プレイヤー人口を確保し、待機時間を減らし、快適なオンライン対戦環境を提供する。ユーザーは異なるデバイスを使っている友達同士で一緒にゲームをプレイできる。夢の世界じゃないか?

クロスプラットフォームを既に実現しているのは「マインクラフト」、「フォートナイト」、「ロケットリーグ」、「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」といったタイトルである。

かつて、ソニーが頑なにPSと他のデバイスとのマッチングを拒んできた歴史がある。「PSのプレイこそが至高」とCEOが声高に語ってもいた。PSとのクロスが実現したのは最近のことだ。

ソニーが戦略を転換したことで、PC・コンソール間のクロスでプラットフォームな時代がやってきた。パブリッシャーにとってもユーザーにとっても超絶ハッピーな世界が待っているはずだったのだ。が、そんなヨーロッパ連合並みの夢物語はゲームの世界でも実現しなかった。

PCにはチーターがいる。どれだけデベロッパーがアンチチートシステムを開発しても、チートツールはその更に上を行く。ライアット曰く、チートシステムは特権レベルの高いアプリケーションでゲームに介入しており、そもそもゲームアプリというユーザーレベルの特権で動くプログラムでそれに対処するのは無理があるのだ。

PSやSwitch、Xboxというチーターがいない(またはほとんどいない)国にゲスで野蛮なチーター共が押し寄せて、街を食い散らかしている。悪いのはチーターか、それともそれに対処できないデベロッパーか。

コンソールの民にはエイムアシストという武器が与えられている。パッドという動かしづらいデバイスで快適にプレイするためにデベロッパーが与えた施しである。空中を飛んでいる敵にもエイムがすいつき、ウォールハックは標準装備、遠距離でも近距離でもごりごりあたるぶっ壊れ性能はPCの民から総すかんを食らった。

クロスプラットフォーム化していなくともPCにパッドをつないでプレイするPCパッドの民もいて、民たちの争いは日に日に過激になっている。異なるデバイスの民はもう二度と分かり合えないのではないかという気もしてくる。

そしてここにモバイル(タブレット含む)の民が入ってきたら混沌としか言いようがない。ああ、それにSwitchのジャイロもある…。

マウス&キーボード、パッドといったデバイスが全てのプラットフォームに対応しているわけではないため、異なるプラットフォームのプレイヤーがマッチングすると「理不尽だ」という感情が沸いてくる。プラットフォームが全てのデバイスの接続を可能にすれば"少なくとも"条件は揃うのだが、そのような環境が実現するのは随分先のことになるだろう。(コンバーター?何か言った?)

クロスプラットフォームというパブリッシャーもプレイヤーも、全ての人を幸せにする三方良しのプログラムだったはずが、宗教戦争を生み出してしまった。そして俺が好きなApex Legendsもまた、その宗教戦争に巻き込まれていくのだ。ああ無常。

もうみんな喧嘩ばっかりして、お互い罵り合って、ちょっとうんざりしてきたんで、私は次シーズンのエイペックスからスーパースコープでプレイするね。

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