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未経験で人事になりたいあなたへ 000/100 多田 圭次郎

未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」

この記事は、第一弾として、私自身の「未経験で人事になりたいあなた」に向けた、セルフインタビュー記事です。今後は以下の項目について、いろんな人事の方々にインタビューをしていきます!

企画趣旨はこちらから。

経歴

ざっくり言えば、
・人事@大手
・人事@ベンチャー
・転職エージェント
・人事コンサルタント
という経歴です。

早稲田大学商学部を卒業してYahoo!JAPANに新卒入社、最初の配属が人事(新卒採用担当)で、そこから自分の人事キャリアがスタートしました。ちなみに、就活をしている時は「営業」を希望しており、人事への配属はまったく想定していなかったので、サプライズ配属でした。

Yahoo!JAPANでは、新卒採用・中途採用・事業部人事・子会社人事・人材育成・組織開発など、4年半の在籍期間の中で幅広く関わらせていただくチャンスをいただきました。それぞれの業務経験はそんなに深くまで経験できてはいないと思いますが、「人事としての抑えどころ」みたいな感覚を、先輩方に教えてもらった期間だったな、と今振り返ると思います。

その後、当時4名の企業に契約社員(後に正社員)で入社し、主に正社員・アルバイトの採用に携わらせていただきました。Yahoo!JAPANの6000人から4名の企業への転職で、同じ「人事」でも考えなければいけないことが全く違う環境を経験させていただきました。

約1年働いた後、LinkedInからスカウトをもらった、外資のヘッドハンティングファームに転職しました。そこでは、日英バイリンガル「人事」専門のヘッドハンター(転職エージェント)を2年半、やらせていただきました。主にLinkedInを使い、クライアント開拓&候補者サーチを行っていました。
ちなみに、ヘッドハンターにキャリアを変えたのは、将来独立をするために手に職を付けたい、と思ったことが大きな理由でした。

そして、2019年6月退職、2020年12月現在では、STARMINE Inc.にて、人事コンサルタント(採用・組織)として、複数社のクライアント様向けにコンサルティングサービスを提供しております。

現在の仕事内容

STARMIINE Inc.は総合人事コンサルティングファームで、ヒトの採用〜退職までのプロセス全般をカバーしており、その中でも特に以下の仕事をしております。

・採用戦略策定〜実行までのコンサルティング
・研修企画/会議・PJのファシリテーション

また、コンサルタントとしてプレイングしつつ、人事領域の新しい事業づくりにもチャレンジしています。

経験してきた人事の仕事

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最も経験が長いのは「人材採用」です。事業会社(大手 - スタートアップ)での採用経験と、転職エージェントでの採用経験があるのは、自分の強みだと思ってます。次いで、研修の企画・設計、講師としての仕事も受けています。

「制度設計・運用」に関しては、「給与テーブルの設計」に関わった事はあるものの、0から制度設計・運用経験がある、と自信を持って言えるレベルではないです。

また、給与計算をはじめとした「労務管理」は、アルバイトの勤怠管理くらいなもので、ほぼ経験はありません。

人事の仕事のポジティブな面

・会社/事業創りに貢献できる

会社/事業創りにダイレクトに貢献し、その実感を持てるのは、人事の仕事の面白さだと思います。
自分が採用プロセスに関わった方々が、社内で他のメンバーと楽しそうに仕事をしていて、チームで成果を上げていく様子を見ることができると、会社/事業は「ヒト」が作っているという言葉をまさに実感できます。
社会/会社/人に貢献する方法はたくさんありますが、少なくとも私は「人事」という仕事を通じて貢献することが、好きだし、得意だし、やりがいを感じます。

・「人間」と言う生き物をいろんな角度で知ることができる

「あ、こんな考えを持つ人もいるんだ」「え、自分の見えている世界と全然違う」「お、こうやって動く人もいるんだ」・・・みたいな気づきが、今までの人事の仕事を振り返るとたくさんありました。
例えば、採用のシチュエーションだと、最後に入社する会社を選ぶ意思決定の時に、いろんな「人間」が見えてきます。
親・パートナーに相談してから決める/1円でも高い給与を出す会社を選ぶ/自分の成長が実現できるかどうかで選ぶ/社長との相性で選ぶ/言語化できない感覚で選ぶ・・・などなど。過去に、数百万円年収を下げてでも自分がやりたい仕事を選んだ方、年収5万円程度の差で年収が高い仕事を選んだ方に会ったこともありました。
自分が考える「あたりまえ」がアップデートされる機会が頻繁にあり、人間としての深みというか奥行きみたいなものに、ものすごく影響を与えていると思います。

・食いっぱぐれがない

ある程度の規模の会社になると、ほぼ間違いなく人事機能があります。「就職する」という観点だけだと、経験・年齢・タイミングなどいくつかの要素で、転職難易度が上がる場合もありますが、外部から支援をする形を取れば、人事部門がある企業の数だけニーズが存在しているので、企業のニーズを捉えて自分ができることを提案していけば、食っていく分には困らないと思います。

人事の仕事のネガティブな面

・「人が好き」のモチベーションだけだとやってられない

自分自身が「人が好き」というモチベーションで仕事をしている部分はあるものの、面接で不合格の判断をする時、社内でトラブルを起こした方への対処をする時、成果が出ない方への退職に関わる時など、人に対して喜ばれない仕事をしなければいけないことがあります。その時に、「人が好き」とか「人と関わる/話すのが好き」の気持ちだけだと、そんな仕事は「やりたくない」と思ってしまいます。
どこにモチベーションを置くかによりますが、私の考えでは「人が好き」のみだと、続けていられない仕事だと思っています。

・他人に相談できない内容の仕事がある

人の「知られたくない情報」や「知らせてはいけない情報」を扱うことがあります。会社として情報を管理する仕組みを整えることは大前提として、人事一人ひとりが、注意して情報を取り扱う必要があります。
例えば、社内におけるハラスメント案件に対処する時、どちら側にとっても非常にセンシティブな内容で、内容の多くは「これ!」といった絶対的な正解がなく、ごく限られた人間で議論・対処をする必要があります。対処後の後味の悪さやモヤモヤを誰かに共有できないのは、結構しんどい時があります。
(同じチームの人事の方々と飲む時、一駅離れた駅の、かつ、個室ありの居酒屋に行ったりしてました)

・「ビジネス」の観点が抜けてしまう時がある

人を採用する、育てる、評価するなど、企業を運営していく上でとても重要な仕事である一方で、その大半は「利益」への貢献度が直接的に見えづらいため、人事業務のHowのみに注力してしまうことがあります。
もちろんHowは突きつめていくべきなんですが、「なぜ自分がお金をもらえるか?」と考えると、会社が利益を出し続けているからですし、採用するのも、育成するのも、評価するのも、全て利益創出に紐付けて考えるべきなんです・・・が、直接的に売上を立てることはないし、費用を安く抑えることは考えられても、費用対効果(効果をどこに置くか、という問題もある)を考えられなくなることがあります。
このことを意識せずに長く働いていると、「会社員」としてしか、かつ、会社の中の限られた一機能としてしか働けない人間になってしまうリスクがあると思います。

人事プロフェッショナルに必要な要素

1. 想像力

「あちらを立てればこちらが立たず」が当てはまるのがまさに人事の仕事だと思います。
人事のお客様は、一緒に働く社員一人ひとりです。立場が異なれば、それぞれの利害も異なります。例えば、何か新しい人事制度を作る時、新卒1年目のAさんは喜ぶけど、入社10年目のベテラン社員Bさんは喜ばない、なんてことはよくあることです。容易に想像がつくこともあれば、上述の通り、「あ、こんな事を思う、こんな反応をする人もいるんだ」と驚くことはたくさんあります。
人それぞれが置かれた立場を想像する、何かのアクションをした場合に人がどのような反応をするのかを想像する、その結果どのような利益を会社にもたらすことができるかを想像する。多くの人事業務はこの連続で、人事の仕事の面白い点でもあるし、難しい点であると思ってます。
難しさを感じているからこそ、「人を見抜くセンスがある」や「人の気持ちが分かる」なんて大それたことを、私は絶対に言えないです。

2. ビジネスセンス

天性の商才!と言う意味ではなく、「利益」を生み出すための仕事をする、と言う、仕事をする上でとてもシンプルな考え方/スタンスのことです。人事の中に、HR Business Partner(HRBP)と言う役割もあるくらいです。
利益を生み出さないことには、人を雇い続けることも、人材育成に投資することも、給与を上げていくことも、社員のためにベネフィットを設けることもできません。人事の仕事の一手一手が、利益創出のための仕事であることを常に考えることは、人事の仕事を続けていく上でとても重要だと思います。

3. 遂行力 or 調整力

小さな会社は遂行力、大きな会社は調整力、と言うのが小さな会社と大きな会社で人事の仕事をやった経験から思っていることです。どちらかのスキルが0 - 100で必要と言うのではなく、組織規模によって必要なスキルの濃淡が変わっていくイメージです。
小さな会社の場合、企画から実行までの全てをリードしていく必要があるため、企画の完璧さを求めすぎるよりも、とにかくアウトプットを出して、やりきることが重要。一方、大きな会社の場合、一人で何かをやるよりも、たくさんの関係者の方々に力を貸してもらいながら一つのゴールを目指していくことが多いため、それぞれの仕事/役割を理解した上で、仕事を着実に前に進めていくことが重要。

人事キャリアを目指す方にアドバイス

以前、こんな記事を書きました。
未経験ですが、人事総務の仕事に就くことができますか?

詳しくはこちらの記事をお読みいただければと思いますが、前職で2年半ほど、「人事専門のヘッドハンター」として活動していた中で、「人事総務未経験からキャリアをスタートし、現在は事業会社の人事の仕事をされている方」のご経歴を伺わせていただくと、主に以下4つの仕事を経て「事業会社の人事」のキャリアをスタートされている方が多かったです。

1.転職エージェント
2.RPOリクルーター
3.人事・組織コンサルタント
4.人事総務オペレーションアウトソーサー

特に、ここ数年で人材採用のインハウス化(ダイレクトリクルーティング)を進めている企業が増えており、ファーストステップとして「採用担当」として入社される方が増えてきています。

もし現在、人事とはほとんど関連性のない仕事をしている方で、将来的に人事にキャリアチェンジを考えている方がお読みいただいているのであれば、上記4つのキャリアを選択肢に入れることをお勧めします!

最後に

未経験で人事を目指している方々向けのLINEアカウントを運営しています。こちらの記事更新を含めての情報提供や、トーク機能を利用しての個別相談を実施しています。
具体的な転職活動の相談はもちろん、カジュアルなキャリア相談なども大歓迎です!

ご興味ある方は、以下よりご参加ください。

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