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未経験で人事になりたいあなたへ 017/100 鈴木 翔さん

未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」

鈴木さんとは、前職の時にSNSを通じて出会い、そこから仲良くさせてもらっている仲です。

鈴木さんは、「人事」から「人事向けサービスの企画職」にキャリアチェンジをされている方で、今までインタビューさせていただいた方々とは、また違った視点のお話が聞けました!

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経歴

ー どういう経歴からスタートされたんですか?

大手通信会社に新卒で入社して、スマートフォンのテクニカルサポートのコールセンター立ち上げを担当していました。具体的には、年間で150人程度のアルバイトスタッフを採用して、未経験から1ヶ月かけて研修するということをしていました。今振り返ってみると、比較的人事寄りの仕事だったと思います。

ー その次はどんな仕事をしたんですか?

2年程度、大手通信会社で働いた後に、ITベンチャー企業に転職しました。1年程度カスタマーサポートの設計に携わり、人事部に異動しました。人事部では、人事情報管理・人事制度改定・目標評価管理に携わりました。他にも、研修講師を含む人材開発、社内表彰などの社内イベントの設計をはじめとする組織開発を担当していました。

現在の仕事内容

HR領域で、人事DB・目標評価管理のSaaSサービスの製品企画を担当しています。これまでの人事経験を元に、製品設計に関わったり、営業やカスタマーサクセスの方と協業し、お客様にサービスを届け、人事の課題解決のご支援をしています。

経験してきた人事の仕事

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人事の仕事のポジティブな面

・人事ならではの観点を養うことができる
人事制度周りの仕事は経営と直結しています。経営に近い視座で仕事をできることは、キャリアの観点から有用だと思います。例えば、評価・報酬制度を事業に合わせてどのように作って応用していくかを考える際には、一社員の視点ではなく俯瞰した目線が必要となります。特に、人の給与が決まる瞬間に立ち会うのは稀有な経験だと思います。それは、社内におけるその人の相対的な活躍度合いが決まるのと同じことです。また、社員の声を吸い上げて経営に伝えたり、経営の考えを従業員に伝える役割があるので、他の職種では得にくい観点を養うことができると思います。

・意思決定のスピードをあげることに貢献できる
人事情報管理の観点からは、昨今言われるDXやタレントマネジメントといった分野に関わって、より良い会社をつくっていくという意味で面白みがあると思います。例えば、情報が綺麗に整備されていて、必要な時に瞬時にその情報に辿り着けることには価値があります。意思決定のスピードと精度を上げることに繋がるためです。売上に即時に直結するわけではないですが、その情報を探す工数を少なくすることで、物事を思考する時間を長く取れるようになります。

・講師業の様な面白さがある
人材開発やトレーニングは、人に何かを教えることが好きな人には向いている仕事だと思います。知識が乏しい方に対して、適切に情報やフレームワークなどをインプットすることによって、その方ができなかったことができる様になります。特にオンボーディングの場面では、研修プログラムの内容を工夫することで、その方の打ち出し角度を上げることができることに面白さを感じます。

人事の仕事のネガティブな面

・人の給与を知ってしまう
社員の給与を知る場合は、「自分はこれだけしかもらってないのに、あの人はこんなにもらってるんだ」という感情を乗り越えて、ただの経営数字として捉えることが必要です。一社員の観点では目標や給与は絶対的なものとして捉えていますが、経営層や人事は給与を社内やマーケットという範囲の中で相対的に捉えています。もっというと給与は、社内の視点では会社の売上やコストのバランスによって決まりますし、社外の視点ではマーケットにおける希少性によって決まります。

・いかにミスをしないかが求められる
人事の仕事では、「自分自身が事業部に貢献できているのか」という問に悩まされることがあります。ミスをしないことが当たり前で、求められる水準を実現し続けなければならないのが大変です。人事の仕事は、フォワードだけでなくディフェンスの観点も持ち合わせることが必要な仕事です。

・自分の仕事を他人に話せない
「人事は孤独な仕事」だと思っています。給与や労務周りで扱う情報は、他の人に相談することはできないセンシティブなものです。機密情報を相談できる同じ部署の上司や、同僚が大切な存在になります。

人事プロフェッショナルに必要な要素

・データベース思考
人事評価管理の観点では、データベース的思考がないとしんどいと思います。現場や経営からデータの出力を依頼されることは日常茶飯事ですが、それぞれが求めている抽象度に変換して出力することが日々求められています。フローとして流れているデータをストックしていく際に、PDCAを回して運用していくことを想定したデータベースを作ることができかが重要だと考えています。データベースが適切に構築されているからこそ、社員や採用候補者の方について分析・判断ができます。

・プロジェクト管理能力
人材開発や組織開発の仕事では、大きな仕事になればなるほど、プロジェクトマネジメント能力が必要になります。研修を企画して実施していくという工程は、まさしくプロジェクト管理の要素が詰まっており、ステークホルダーが多い分、それぞれにあったコミュニケーション力やプレゼンテーション力などの総合力が求められます。

・現場の空気を拾う力
社内フロアや会議に流れる空気や社員同士の関係性、コンディションを読み取る力も求められます。現場で拾った情報がデータや数値に繋がる瞬間があります。

人事を目指す方にアドバイス

「人事は、事業のために黒子となる人」と捉えています。最後に意思決定をするのは、社員の皆さんであったり経営層や事業部長です。みなさんの手が届切れかない業務の穴を埋めていくことが仕事です。情報の機密性をコントロールし、それを適切なタイミングで提示することが求められています。そしてその情報を信頼して託してもらえるかがポイントになってきます。

総論、仕事としてとても面白いです。人事は、社員と経営層の間に立って最善策を考えて行動します。人事の目線を身につけられると、いかなる仕事においても、バリューを発揮することができると考えています。

経営層の頭の中には一定のビジネスフレームワークが存在していて、経営層と話す際には、そのフレームワークが頭に入っている前提で意思疎通を図る必要があります。サッとデータを集めて加工してパワポに貼るであったり、「現状はこうで将来はこうなることが予想されていてこれとこれの選択肢があります」みたいな一定の思考パターンや基礎的な資料の作り方はおさえておいて損はないと思います。

また、人事で活躍している多くの人は、何かしらの領域で突出した成果をあげ、そこで磨いてきた能力やスキルを活用しています。例えば、リクルーターで成果をあげている方の多くが、営業でトップの成績をあげてきた人です。ですので、まず今の仕事を頑張ることをおすすめします。一つの仕事で成果をあげると、新しい仕事に出会った時にそのその仕事の構造をメタ認知出来るようになります。例えば研修の企画と給与の決定を例に取ると、「入社者20名に対して、研修コンテンツを整備し、お届けして、会社を知ってもらうこと」と「取締役の会議において1,500人の評価データと研修の情報を提供して意思決定を促すこと」は、取り扱っているものが違うだけで構造は近しいと思っています。何かの仕事をやり切らないと、そういった気づきは得られないのではないでしょうか。

最後に

未経験で人事を目指している方々向けのLINEアカウントを運営しています。こちらの記事更新を含めての情報提供や、トーク機能を利用しての個別相談を実施しています。
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