見出し画像

未経験で人事になりたいあなたへ 002/100 楢原 彰人さん

未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」

二人目は、大学&ダンスサークルの同期、楢原彰人。大学の頃は、まさか二人とも人事の仕事をしていて、こんなインタビューをするとは思ってもいませんでした・・・!

スクリーンショット 2020-12-23 15.56.55

経歴

ー まず、最初のキャリアから伺ってもいいですか?

2010年に新卒でオープンハウスに入社しました。就活の時は、特にやりたいことはありませんでした。過去の経験から、辛かったり、苦しかったり、厳しい事を乗り越えた先に、感動や成長を感じることを求められる会社がいいなと思っていて、楽さをアピールしてくるような企業では成長できなさそうだなと思っていました。そんな中、フラッとオープンハウスの説明会に立ち寄った際に、「ここだ」と思いました。

ー オープンハウスではどのような仕事をされていたんですか?

5年弱在籍していて、最初の2年半は営業をしていました。2年目の頭には、年間売上全国2位にもなりました。その後、人事に異動しました。人事に異動して1年目は営業の新卒・中途採用を経験し、途中休職も挟みながら、最後は技術職の採用リーダーも担当しました。

ー 人事にはどのような経緯で異動したんですか?

そもそもオープンハウスでは、全員が営業を経験して、そこからキャリアチェンジしていきます。中でもトップの成績を残した人しか、人事に異動できません。組織のことを考え、組織全体が上手くいくことにやりがいを感じる性格だったのと、会社のことをすごい好きだったので、会社からの人事への異動を受けることにしました。

ー 休職や退職に至った経緯についてもお伺いしていいですか?

それこそ人事を目指す人には知ってもらいたいことでもあるのですが、新卒採用において、内定を出した学生が辞退をすることに対して、知らぬ間にストレスを感じていたことは一つの要因だったと思います。パワーを注いでいた反動で、辞退を受けた時に「うわぁ・・・まじか・・・」とかなりのショックを受けることが多かったです。あとは単純に結構働いていましたこともありましたね。真面目な性格もあったと思いますが、体調を崩したため休職、そして退職をすることになりました。退職後は、専門学校に通い、音楽制作の仕事をしていました。

ー 音楽制作って具体的にどんなことをするんですか?

専門学校在学中に音楽レーベルを立ち上げたり、某総合格闘技のリングサイドの効果音や入場曲の再生や上海のファションショーとかにも行きました。音楽制作学校を卒業する時は、アルバイトをしながら音楽の仕事をしようと思っていましたが、偶然、大学時代の知人で、現職であるLIGの取締役に再会しました。

ー なるほど、それが現在のキャリアに繋がるわけですね。

はい。LIGが人事を探していたとのことだったので、最初は週2-3日くらいで働く想定でいましたが、最終面接の時に、人事の仕事に加えて、音楽の仕事も振ってもらえるとのことだったので、即入社を決意しました。

現在の仕事内容

主に中途採用を行っていて、現在はエンジニア採用に携わっています。

経験してきた人事の仕事

100人インタビュー.006

新卒・中途の採用をメインで経験してきました。他にも、給与データのチェック、評価の運用と役員への連携、会議の運営といった業務も行っていました。入退社の対応、休職対応から、ハラスメント対応といった労務管理の経験もあります。

人事の仕事のポジティブな面

・自分が採用に携わった人が活躍するのが嬉しい
自分が採用に関わった人が入社後に活躍している姿を見ると、「この人を採用できてよかったな」と思って、すごい嬉しいです。また、その人が入って会社が元気になっている瞬間に触れると、会社の呼吸みたいなものが見える様で、人事の仕事をやっていて良かったな、と思います。

・人としての成長に繋がる
人事配置一つで、チームワークが上手くいかず、チームメンバーが疲弊し、パフォーマンスが発揮されていないということも起こります。その際に人事は、目の前の人に深く向き合う必要があり、それが人としての成長につながると思っています。辛いところでもありますが、人事として他の社員よりも、模範を目指し、正しくあろうとすることを諦めてはいけないなと思っています。

人事の仕事のネガティブな面

・見たくないところを見なければいけない
例えば、事業がうまく行っていない場合、社員に還元したくてもできない状況があります。どうあがいても綺麗事だけじゃどうにもできない部分も見ざるを得ないですね。だからこそ、「会社って儲からなければいけないな」と思いますし、「儲かるためにはどうすればいいのか?」まで考え続ける必要があります。

・バランス感がないと難しい
経営的な視点を持ちながらも従業員の満足も追求しなければならない、経営側と従業員側の間に立ち、バランスを取ることが求められます。従業員の知らないところで、経営陣と戦う場面もあると思います。

・もどかしい思いをすることがある
例えば、「◯◯さんの行動がちょっと気になるんです」といった人事に来る相談は、従業員からのある種のメッセージで、対処が遅れると退職に繋がることもあります。中には、自分の力ではどうにもできない問題もあり、もどかしい思いをすることもあります。

人事プロフェッショナルに必要な要素

・バランス感覚
様々な場面で言えることですが、特に経営と従業員とのバランスという観点では、経営が最上のゴールであり、人事は経営機能の一部である以上、従業員に寄り添いすぎてはいけません。自分自身、従業員に寄り添いすぎる性質があるとフィードバックを受けたこともあるため、より強く意識をしています。

・信念と誠実さ
誰かが正しいと思うことは、誰かにとって正しくない、という状況に直面することが多々あります。それでも、自分が正しいと思う信念を持って仕事を進めていかなければいけません。その上で、採用、異動、評価、報酬など・・・人の人生に関わる仕事なので、自分のことだけを考えていたら絶対にできません。一人ひとりの人生を背負うくらいの気持ちで、誠実に人と向き合うスタンスが求められると思います。
採用段階での話になると、人に寄り添いすぎないとは言ったものの、その人のことを考えることは必要です。例えば、自社に違うと思ったら「違う」と言った方がいいです。採用目標と採用人数が決まっている会社は多いです。入社させることで、採用人数は満たされるかもしませんが、その人が不幸になることが予測できるのであれば、入社させないべきです。
そうはいっても、「入社後になんとか上手くやれんじゃないか」みたいに思ってしまうこともあります。そんな場面でこそ、フラットに物事を捉えて、信念を持って人と接することが大事だと思います。

人事キャリアを目指す方にアドバイス

まずは、利他の精神がないとできない仕事、ということは是非お伝えしたいです。

また、「なんで自分が人事を目指すのか?」が重要です。例えば、前職で「組織/評価に不満がある、だから人事だ」っていうのは、経営の目線から人事という仕事を見れていない状態だと思います。従業員側だけでなく、経営側の目線にも立ち、「その上でどうするか?」を考えるのが人事の仕事です。きっかけはなんでもいいのですが、安直な理由で人事を目指すと、後々気づくことはあるかと思います。

そもそも、キャリアチェンジっていうのは、自分のキャリアが合わないと感じているからするものだと思います。「隣の芝は青く見える」と言いますが、人と比較しない方がいいです。キラキラしているものというのは、必ず泥臭いものがセットなので、「人事やっている人がキラキラして見える」で、検討しているのであれば、やめた方がいいんじゃないでしょうか。

自分の場合は、営業よりも人事の方が辛かったです。営業はやれば結果が見えますが、人事は本当に正解がなく、結果が見えません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?