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未経験で人事になりたいあなたへ 008/100 石井 伸幸さん

未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」

石井さんとは、10年近く前に、共通の知人が住んでいる兵庫県の山奥で出会った友人です笑 友人として「仕事」の話をする機会があまりなかったので、この機会に話が聞けたことが、とても幸せでした!

石井さんは、事業づくりを経験し、人事コンサルタント、そして人事へとキャリアチェンジをしてきた経歴の方なので、また一味違った角度から「人事」という仕事のお話を伺うことができました。

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経歴

ー 1番最初のキャリアから伺ってもいいですか?

2010年に新卒で人事コンサルやHRtech系のプロダクトを取り扱っている人材系のベンチャー企業に入社して、そこには丸10年在籍していました。入社してから2週間程度で派遣事業を展開しているグループ会社に出向になりました。2年半の間、派遣会社の一支店の店舗管理をほぼ1人で運営していました。

ー なぜ人材系のベンチャーに入社したのですか?

そもそもどこの会社に入ったとしても人事の仕事をやりたいなとは思っていました。それでもやりたいことも明確になくて学生時代に繋がりがあった先輩が入社した会社を受けていました。学生時代に1番尊敬していた先輩に就活について相談したのがきっかけで、1番最初に内定をもらったのでそこに決めました。

ー 会社の事業領域について詳しく伺ってもいいですか?

母体は派遣事業で、そこから総合的な人事労務サービス立ち上げをするという未整備フェーズで入社しました。代表が海外経験豊富で各国のビジネスを見てきた時に日本の人事は独特と感じた経験と、人事の各サービス、例えば採用/教育/制度/給与計算等 包括的にやっている会社が当時はほぼなかったという2点から、人事労務サービスを総合的に提供するというビジョンを持っているベンチャーでした。

ー 最初の2年半の間、派遣の事業のマネジメントをやった後はどんな仕事をしていてのですか?

プロダクト(就業管理システム)の開発とその営業が進み売上の目処が立っていたフェーズでした。プロダクトを拡大させるために、本社でマーケティング(販売促進)に従事しました。複業でシステム開発の事業を自分でやっていた経緯もあり、ホームページの作成、広告の運用、セミナーの企画など当時はしていました。販売促進の部署に異動してから1年くらいして、本社が大阪にあるんですが関東圏からの問い合わせ割合が多かったことから、東京に支店を設けることになりました。そこから東京支店の立ち上げに参画しました。

ー 東京支店の立ち上げではどのようなことをしていたんですか?

就業管理システムの営業や、給与計算のアウトソーシングを販売したりしてました。プロダクトやサービスをお客様に提案する支店の立ち上げと事業開発を2、3年間してました。東京支店が軌道に乗ったので「次何するよ?」というタイミングで2016年末頃に1から人事コンサルティング事業の立ち上げに取り組みました。

ー 人事コンサルティング事業の立ち上げはどのように進めたんですか?

最初の4ヶ月程度は、市場調査・競合分析に費やしました。その後は、お客様のところを回って提案&単独で契約を取り、様々なコンサルの方々に協力いただきながら納品していきました。そこで人事コンサルの全体像・本質が見えてきたというのがあります。同時に、市場に出回っている制度の関連本はほとんど読んでサービス開発をしていきました。初年度から黒字化できたこともあり、経験あるコンサルの方を採用しつつ事業を拡大していきましたね。そういった点では、人事コンサルと事業開発を同時にしていました。

ー ここから現職に移られたわけですね?

はい。当時抱えてたプロジェクトがちょうど全部終わるタイミングだったということもあり、縁あったDMMに転職しました。今は在籍して8ヶ月程度になります。制度企画・HRBP等複数のチームに関わる形で入社しました。役割としては、社内で発生する様々な問題を解決していく役割です。具体的には、経営層と一緒に、グループ会社のインセンティブの仕組みを作ったり、立ち上げ4ヶ月で100人超になった新規事業の立ち上げの裏側オペレーション全般のディレクション等、直近はしてましたね。

現在の仕事内容

昨年の9月に新規事業が立ち上がったので、その事業の専属HRBPをしています。事業急拡大中で、ここ数ヶ月は採用活動をメインにしていました。次は組織づくり(組織開発)に重心が移っていく見通しです。

経験してきた人事の仕事

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労務管理以外は基本的にやってきていて、得意なのは企画系の仕事です。

人事の仕事のポジティブな面

・「人間」について知るのが楽しい
単に「人が好き」とか「人と話すのが好き」とかではなくて、「本質的に人間とはなんなのか」を突き詰めていくことが好きな人は楽しめると思います。面談などを通して、その人の価値観やバックボーンを読み取っていくことは純粋に楽しいですし、裏側で回っている人の考え方やロジックを見ていくのが好きです。

・高い視点から全体の設計を考えることができる
事業責任者はどうやって事業を伸ばしていくのかという事業責任者視点でのマーケティング視点が重要な一方で、人事はそれを実現させるためにどう組織を機能させていくか高い視座から組織全体の最適化を考えます。自分は戦略を企画に落とし込むところが得意なので「全体のメカニズムがどうなっているか」「どうやったら人は動くのか」といったことを考え施策に落とし込む部分が楽しいと思っています。

人事の仕事のネガティブな面

・気を遣う
一つの言葉を伝えるのにも、「どう伝えるべきか」と気を遣います。意図していなかったことでも、「こう汲み取られてしまうのか」ということが起こります。そういったことを防ぐためにも、言葉選びや物事を伝える順番には慎重になる必要があります。

・報酬面
これまで事業サイドで10年間やってきた視点でいうと報酬面ですかね。昇給の上がり幅やインセンティブはどうしても事業サイドには劣ってしまいます。「営業は売上が作れればその分報酬を与える」というのは、制度設計上作りやすいですが人事といったコーポレート側は、各人のパフォーマンスと成果の関連性が分かりにくいので、営業のような単発的なインセンティブを設計しにくいという側面があります。

人事プロフェッショナルに必要な要素

・「人」と「事」に向き合う
物事をその通りに受け取るのではなく、「人」と「事」に向き合い切るスタンスが大切です。「人」に向き合うということは、例えば、「発せられた言葉には何か背景があるはず」「パフォーマンスが下がっているなら、何か要因があるはず」という様に、仕事という表面だけでなくて、その人と向き合い切れるかということです。「事」に向き合うということは、「何か問題が発生した時に問題から逃げずに向き合い切れるか」ということです。これは、前職で事業責任者をしていた時に特に感じていました。何かと問題がたくさん起こるんですがその問題に対してどう向き合うかというスタンスが大事で、どうすれば目指す状態に近づくのかを考え続ていたことで自然と身についた気がします。

・事業に対して興味を持つこと
採用にしても「何人採用するのか」「何に強い人を採用するのか」「人材要件は何か」「どういう方法で採用するか」といったことを考えるのは戦略や企画の領域になると思いますが「どういった事業で今後どう展開していくのか」というのを事業責任者と共有できている必要があります。これができていないと「こういった事業展開をするのであれば、こんな人がこれだけ必要ですね」という提案ができません。ただ言われた通りに採用するだけだと、バリューが低い気がしています。

・数字面の意識
労働分配率や人件費率といった財務面に関して、聞かれた時には即答できる程度には、数字を意識しておきたいと思っています。

人事キャリアを目指す方にアドバイス

アウトソースや人事向けにサービスを提供している方は、かなり可能性があると思います。というのも、人事は何でも屋になりがちな一方で自分の武器となる領域を持ってるかどうかで戦い方が大きく変わってきます。今提供しているサービスの領域を深め武器を磨いておくと人事になった時にかなり活きると思います。

人事について触れてこなかった方は、人事領域の知識をつけるより今いる持ち場でスペシャリティをあげたり多くの人と会話をしたりが良いと思います。とことん突き詰めたり、人との出会いで視座が上がっていきそれが人事になった時に活きると思います。正直、人事オペレーションは半年から1年程度で早ければ身に付くのでやりながら覚えてけば大丈夫です。(労務は専門知識や経験の塊なので勉強必要ですが)

経営/人事は全体の組織を見ていて、事業責任者は自部門の組織(現場)を見ていて、現場は自分の見える範囲(身の回り)を見ているという風に、それぞれの階層で見えている世界が異なります。なので、それぞれの視点ではどう見えてるんだろうか?といったトレーニングは大切かなと思います。経営/人事や事業責任者の視点で会社を見てみると見え方や仕事の意味づけがガラッと変わって明日からの仕事が楽しくなると思います。

最後に

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