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未経験で人事になりたいあなたへ 018/100 多田 雄貴さん

未経験で人事になりたい方向けに、人事コンサルタントの多田が100人の人事にインタビューをする企画「未経験で人事になりたいあなたへ」

多田さんは、LinkedInでこの企画を読んだ感想をメッセージでくださったので、僕が「インタビューさせてください!」と依頼させていただところ、快く受けていただきました!

「人事」へのキャリアチェンジを目指して計画的にキャリアを積んでいき、現職で実現、まさに「未経験から人事」にキャリアチェンジを実現した好例だと思います!

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経歴

ー 一番最初はどういうキャリアからスタートされたんですか?

元々海外の音大に留学していたこともあり音楽系の企業を受けていましたが、最終的には100名以下の規模のITシステム開発会社に入社し、インフラ関係のエンジニアとしてキャリアをスタートしました。クライアントの社内ITの担当として、webフィルタリングの解除や社内のノートPCのセキュリティソフトの対応業務に1年間従事していました。
その後テレコム系の会社に出向となり、インフラ系のエンジニアとして実際に構築の手順書の作成やサーバールームでの夜間作業などの経験を積みました。入社して3年が経つ直前に転職しました。

ー 転職の経緯を伺ってもいいですか?

当時はリーマンショックの影響もあり、会社からは5年程度はエンジニアとして働いて欲しいという要望がありました。その一方で、元々私は利益を生み出し経営を支えるという意味で、営業の仕事を若いうちに経験しておきたいと考えていました。他にも、エンジニアとして働いていく中でITには可能性を感じていましたが、夜間作業の多さに当時少し疲弊していたのも事実です(笑)
成果主義な環境で営業の経験を積みたいと考え、不動産業界に転職しました。

ー そこではどんなお仕事をしていたんですか?

法人の人事部の方をお客様として、社宅など福利厚生の一部として不動産を利用していただくための営業をしていました。前から人というものに興味は持っていましたが、ここでお客様として人事に触れたことが、実際に仕事としての人事を考え始めたきっかけとなりました。
私が所属していた3年間で、アナログであった業務管理方法のIT化が進み、業務の効率化を実感しました。ITを利用する側に回ったことで改めてITの面白みを感じ、IT業界に戻りたいという心境の変化があり、現職に移りました。

ー 現職ではどのようなお仕事を経験されてきたんですか?

最初の3年間は法人向けの内勤営業として金融・外資系のお客様を担当しました。営業の業務に携わる中でも今後のキャリアを考えた際に、前々から人事部に興味を持っていたこともあり、自分からプロアクティブに社内の人事の方と接する機会を設けていました。ちょうど入社3年を迎えるころに人事部のポジションが空き、社内公募制を利用して面接を経て人事部に異動することになりました。

現在の仕事内容

新卒採用においては、予算の確定・ヘッドカウントの承認・各種媒体の選定・説明会への登壇・内定者イベントの開催・入社式の開催・オンボーディング研修の計画など一通り担っています。
他にも、インサイドセールスのポジションの中途採用にも携わっています

経験してきた人事の仕事

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採用が中心ですが、研修にも携わっています。

人事の仕事のポジティブな面

・会社全体を俯瞰する機会が多い
担当者という立場でも、社長や役員の方と仕事を進める機会があり、会社全体や各部門の考え方に触れることができるのは人事の面白いところだと思います。営業をやっていた時は、「新しい技術や製品がどのようなソリューション提案に繋げられるか?」、「どうすればお客様の課題にこたえられるか?」といった製品や顧客の視点にフォーカスする機会がほとんどでした。人事として働くということは、会社の理念も踏まえて組織をどう変えていくかという様に、自社の組織を俯瞰できるいい機会だと思います。

・いろんな人の歴史や将来像に触れることができる
候補者の方のインタビューやレジュメを通して、その人がこれまでどういう考え方をしてきて今後どうなっていきたいのかといった価値観に触れることができます。色んな人の価値観に触れることは、1人の人間として人生の学びになるという意味で面白みを感じています。

・私生活でも役に立つ知識を身につけることができる
私は採用だけでなく人事に関する幅広い知識を身につけたいと考えていて、知識の習得のために他領域の人事担当の方に話を伺ったりしてます。労務系の領域になってくると、税制・法律・福利厚生・年金などについても勉強する必要があるので、普段の私生活にも役に立つ知識を身につけることができます。

・人生の分岐点に立ち会える
入社後の社員が活躍している様子を聞いたりすると、その方の人生の分岐点において、いい方向に進む手助けをできたと実感します。私が初めて担当したのが20卒の方々で、コロナもあってオンボーディングの面で苦労しましたが、マネージャーの方から「頑張ってくれてますよ、優秀ですよ」といった言葉を頂けると純粋に嬉しいです。

人事の仕事のネガティブな面

・縁の下の力持ち
人事を含めたバックオフィス業務の宿命ともいえますが、縁の下の力持ち的な存在で目立つことは少ないかもしれません。一方で、業務上のミスは許されない重要な事を扱っているので、そういった面をいかにポジティブにやりがいとして見出していくかが、人事を続けることができるかどうかに繋がってくるかと思います。

・多数の関係者との調整
候補者や部門・人事内との関わりや給与額の設定など様々な調整をスムーズにマルチタスクで行う必要があります。それらのオペレーションは、外から見ているよりも負担は大きいと思います。さらにただ対応するだけではなく、円滑なコミュニケーションや気配りが必要です。人生に関わる重要な内容を取り扱うので、かなりの緊張感をもって仕事をする場面は他の職種よりももしかしたら多いかもしれません。

・機密事項が多い
機密事項を扱うので、社内外問わず家族に対しても口を滑らすことが許されません。私自身が社内異動ということもあり、元同僚とコミュニケーションを取る時もポロっと口にしてしまわないように細心の注意を払っています。聞いてくる側も悪気があるわけではないのが、また難しいところです(笑)

人事プロフェッショナルに必要な要素

・フラットに考える
先入観を持ったり、私情を持ち込んだり、感情的になるといったことはあってはならないことで、平常心を持ってフラットに考えることが必要です。それを実現するために、数多くの事例に触れたり、数値を用いた客観的な分析を用いるということを意識しています。

・誠実性を持つ
人事をやっていく上では、人から信頼してもらえることが重要となってきます。信頼を構築するために、仕事を選り好みせずにどんな場面でも同じモチベーションを保って前向きに取り組むことを心がけています。

・中長期的な目線
全体を俯瞰した上で、中長期的に目標を設定して成し遂げていく力が必要です。場当たり的な行動は曖昧さを生んでしまいますし、人事として避けなければなりません。人事の仕事をしていると、想定していない事柄に直面することが多いですが、様々なリスクを考慮した上で中長期的な目線から決断する必要があります。
私自身もかつて採用の計画を練ってはみたものの、上手くいかずに部門に対してその場その場で変更案内をしていたことがありました。採用計画の変更が各部門に与える影響を考慮できていなかった点や計画を変更する理由を十分に伝えることができていなかった点は反省してます。

・日々の業務を積み重ねること
人事で扱う「人」というものは不確実性が高いもので、どんなに色んなリスクを想定しても100%回避するということはできません。面接の評価は高かったのに活躍できなかったり、優秀だったのに短期間で退職してしまったり、、など真逆な結果がついてくることが珍しくありません。分析や制度の改革など地道な作業を積み重ねることで、少しでもリスクを回避しようとする姿勢が大切だと思います。

人事キャリアを目指す方にアドバイス

採用の様な煌びやかなイメージに先行して、人事に興味を持っている方が多いと思います。
実際には、表に見えない分野で労務や給与周りなど、かなり地道でプレッシャーのかかる仕事も多いです。人事の中にも様々なポジションがあるので、それぞれについての理解を深めるところから始めることをオススメします

また人が好きというきっかけから人事を目指す方が多いと思いますが、人事は組織内の人のあらゆる場面に対応するため、逆に人を嫌いになってしまう可能性を孕んでいるポジションとも思います。予期していないタイミングでの内定辞退や急に候補者や内定者と連絡が取れなくなってしまったり、裏切られたという感覚に陥ることもあります。そういった出来事をポジティブに解釈して、どう消化して次につなげていくかといったといった面も予め認識しておくと後悔の無い転身ができるかと思います。
私自身は色んな人の側面を見ることがとても人生の勉強になるので、幸いポジティブに考えることができています。

最後に人事の仕事は、人事一筋で生きてきたプロフェッショナルだけではなく、私のような他の職種を経験してきた現場目線を持っている人間の存在も良い組織を作っていくうえで必ず必要と思っています。自分の今のポジションと人事としてやりたいこととの共通点を見つけ出して、伸ばしていく準備をすれば、チャンスは自ずと巡ってくるのではないでしょうか?
色んなポジションの理解を深めると同時に様々な人の意見を聞くためにも、人脈を広げていくことは大切です。特に社内公募制度がある場合は、会社の中で異動する手段として色んな人脈を築いていくことが近道になると思います。他にも、ベンチャー企業など1から学びながらやっていける環境に身を置く覚悟で飛び込んでいくという選択肢もあります。どっちが自分に向いているか、実現可能性などを踏まえて準備を進めていくといいのではないかと思います。

最後に

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